あかね雲
概要: あなた(・・・)は笑いを知らない。笑うと叩かれたから。 あなたは泣く事を知らない。泣くと殴られたから。 あなたは楽しいということを知らない。何かを楽しむということを教えてもらわなかったから。 あなたは怒るということを知らない。憤怒の感情はそれが形となる前にすべて摘まれ、消えてしまったから。 あなたは知らなかった。 己の環境が歪んでいるということさえもあなたは知らなかった。今いる環境こそが最上であ...
概要: バッドエンド直行コースの存在が、明らかに……(回避済み) 時期的に同人誌二巻のすぐ後あたり。同人誌を読んでなくても大丈夫です。 「好きだよ」 囁かれる声に、眩暈がする。 「愛しているよ」 陶酔は、ますます深くなる。 肉を穿たれ、揺さぶられ、こんな行為で得られるはずがないと思っていた快楽をいやというほど与えられた。 「あ……ん……ッ、ジョカ……っ」 苦しさと紙一重の快感に、情人の肩に指を立てる。ぱさりと、黒...
概要: 時期的には同人誌二巻の後あたり。同人誌を読まなくても大丈夫です。 本編で出てきたアネットはどうなったの、という質問があったので書きました。 《登場人物》 「アネット・ラ・クリスベール」 リオンの義母の侍女。本編の第二話登場。リオンに成長のきっかけを与えた人物。ルイジアナ王国王妃に忠実に仕えている。何があっても王妃の味方……というほどの忠誠心はないが、普通程度に王妃を慕っている。※リオンの事を「完全無...
概要: 時期的に本編のすぐ後です。 かつて、ひとりの魔術師が人間に平伏した。 ――おねがいします。 ――おねがいします。 ――おねがいします。 ――おれを、ここから、だしてください。 リオンはふと目が覚めた。 頭をもたげると、周囲はものが見える程度に夜明けが近いようだ。 隣のぬくもりが無いことに気づき、目を巡らせると、狭い室内だ、すぐに見つかった。 この洞窟は、狭い通路を挟んでベッドと四人掛けの食卓がな...
概要: 目が覚めた瞬間、顔の上に乗っているドラゴンの感触に気づいた。 「……もうっ。鱗の痕が顔に付くからやめてって言ってるでしょ!」 文句を言いながらコリュウをどかしつつ起き上がり、あれどうして地面がこんなに柔らかいんだろ―――と思ったところで。 一気に、記憶と、現実がつながった。 少女はぎくしゃくと、隣を見る。 魔王がいた。 しかも、目覚めていて、寝台の上に頬杖をついて、同じく寝台の上にいる少女を眺め...
概要: こうして、このブログを開設できたのは、皆様のおかげです。 誇張なく。 よっぽどもうネットからは距離を置いて遠ざかろうと思っていたのですが、それを踏みとどまらせてくれたのが、いただいた言葉の数々でした。 「ジョカとリオンに出会わせてくれてありがとう」 この一言に、もう一回、サイトを作ってみよう、がんばってみよう、細々とだけどやってみよう。 そういう意欲が湧きました。 ありがとうございます。 また、...
概要: 話の弾んだ夕食の席が終わると、少女は再び一室に引き込まれた。 召使いの女魔族が、手際良く少女の服をはぎとって夜着を着せる。綿の、帯で結んでいるだけのローブである。 香水もつけられ、結いあげられていた髪もほどかれて、ローブの上に黒い髪が散る。 支度ができると、彼女たちは検分するように少女を見て、ひとつ頷き、出て行った。 ぽつんと残された少女は、衣装室から出て続きの間に向かう。 この部屋は、今...
概要: 少女が気絶した後も容赦なく整体マッサージは続けられ、痛みで起きるやら、痛みで失神するやらを二度繰り返した。 そしてげっそり力が抜けた少女は、隅から隅まで女魔族の手によって洗われ、磨かれ、整えられ、香油をすりこまれ、ドレスを着せられ、髪を結われ、準備万端整った姿で、その日の夕食の席に現れた。 見違えるようだった。 武骨な部分鎧をまとった姿であっても、青い目に黒髪の可愛い少女だったが、ドレスを着...
概要: 時期的に本編の《誇りの在り処》あたり。「あ…ああっ……」 体内で熱い飛沫を浴びせられる感触に、リオンは体を震わせた。 固さを無くした熱量がリオンの体内をもぞりと移動する。 引き抜かれ、体を震わせていると体を覆された。 うつぶせで獣のように犯されていたのが、仰向けにされ、赤く上気した頬とを撫でられる。 リオンは眩しい金の髪と青い瞳の十五歳の美少年である。 そして、れっきとしたルイジアナ王国の王子でもあ...
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