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あかね雲

2015年11月の更新履歴 [前月]  [次月]

2015/11/20
勇者が魔王に負けまして。] 2-42 最後のひと押し
2015/11/20
勇者が魔王に負けまして。] 2-41 届いた一通の手紙
2015/11/20
勇者が魔王に負けまして。] 2-40 遁走されました
2015/11/20
黄金の王子と闇の悪魔 番外編短編集] 火の用心
2015/11/20
勇者が魔王に負けまして。] 2-39 言いました。
2015/11/20
勇者が魔王に負けまして。] 2-38 ただ、ひとつの。
2015/11/20
勇者が魔王に負けまして。] 2-37 お仕事のお話 2
2015/11/20
勇者が魔王に負けまして。] 2-36 お仕事のお話 1
2015/11/20
黄金の王子と闇の悪魔 番外編短編集] 正しい執着の仕方
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勇者が魔王に負けまして。] 2-42 最後のひと押し

 概要:  コリュウが持ってきた手紙は、一般配達物に分類されるものだった。要は緊急性のない普通の手紙だ。  そのために、ギルドも彼らが顔を見せた時に渡せばいいということになったのだろう。  全員が集まった席だった。  コリュウが取りに行った手紙を、少女に渡す。  少女の顔は、強張っていた。 「……アランが、何なの?」 「さあ……恨みごとか、あるいは、復縁要請か。どっちかはわかりませんが、会いたいそうですよ」 「……会い...

勇者が魔王に負けまして。] 2-41 届いた一通の手紙

 概要:  その日、マーラは熱を出して倒れていた。  よくあることである。  頻繁に起こることである。  日常生活風景であった。  サンローランにある彼らの家の、彼の一室で、マーラは少女の介護を受けていた。  熱で浮かされうわ言を呟いている口元を、お茶で湿らせる。マーラが調合しておいた熱さましを呑ませ、汗をかいて不快なようなら、清拭する。起きた時にはできるだけ水分を取らせ、食べられるようなら、消化にいいものを食...

勇者が魔王に負けまして。] 2-40 遁走されました

 概要:  少女の方も修羅場だったが、言い逃げされたアランの方も、それなりに嵐だった。  言い逃げされてよかったかも、というのはアラン自身がそれを理解するのに多大な時間がかかったせいだろう。  ……え?  ……ええ?  大地の勇者? 大地の勇者って……誰が?  理解できずにいる間に相手はさっさと去ってしまい、残されたアランは時間をかけてやっとその事実を咀嚼した。  とはいえ、すぐに信じられなくても、無理はないだろう。 ...

黄金の王子と闇の悪魔 番外編短編集] 火の用心

 概要:  ジョカが紅茶を淹れてくれる。  リオンのために。  リオンの我が儘から始まったことだが、少しも嫌な顔をせずにむしろ嬉しげにジョカは紅茶を淹れてくれる。  しかし――。  それでいいのだろうか?  今後のことを考えると一つの結論に至って、ある日リオンは切り出した。 「ジョカ」 「……ん? なんだ?」  流線模様の精緻な絵付けが為されたカップに紅茶を注いでいたジョカが顔を上げる。  そして、リオンの真顔にぶつか...

勇者が魔王に負けまして。] 2-39 言いました。

 概要:  二度目のデートの時は、とうとう言えなかった。  三度目のデートの日、ついに、言った。  その日、帰ってきた少女は、コリュウを抱きあげて顔を埋めた。 「……コリュウ……」  ひし、と抱きしめられて、コリュウは察した。 「……言ったの?」 「うん」  こくり。 「言った。それで……ごめんなさいって謝って、お別れしてきた」 「……え?」  予想外の言葉に、じたばたとコリュウが身をよじる。 「アランが、逃げたの?」 「ううん...

勇者が魔王に負けまして。] 2-38 ただ、ひとつの。

 概要:  マーラは、無数の真紅の石を目の前に、考え事をしていた。  場所は、彼らがサンローランに持つ家の、彼の部屋である。  机につき、彼は机上に赤い石を並べて考えていた。  石の大きさは小指の爪ほどで、一目見たらどきりとするほど美しい緋色をしている。  この色を見たことのある者はすぐに気づくだろう。  それは炎の精霊力が凝った色。  火炎狼の色だった。 「マーラ、ご飯だよー」  とんとん、と扉がノックされ、返事...

勇者が魔王に負けまして。] 2-37 お仕事のお話 2

 概要:  頭上で『大地の勇者』のパーティが見守る中、四回目の詠唱を成功させた魔法使いは、体を二つに折って胸に手を当てた。  心配そうに見守っていた仲間がすぐに駆け寄ってくる。 「ウィルっ、だいじょうぶか?」 「……だいじょうぶ、だ」 「少し休憩しよう。な?」 「駄目……だ。あと、もう一度だけ―――」  悠然と自分たちを見下ろしているあのパーティがいる。  ―――エルフの分際で!  そんなことを思ってしまう己が情けない。エル...

勇者が魔王に負けまして。] 2-36 お仕事のお話 1

 概要:  火炎狼(サマセット)の大群の繁殖。  本拠地であるサンローランに戻った彼女たちに告げられたのは、その依頼だった。 「火炎狼! ……近くに炎の竜脈が?」  十把ひとからげの他の冒険者とは違い、彼女たちにはギルドの人間も一室を用意してくれる。  そうして用意されたギルドの奥の別室にて、彼女たちはギルドの職員に依頼の説明を受けていた。 「わかりません。ですが、可能性は高いかと」  炎の竜脈とは、火山の溶岩脈のこ...

黄金の王子と闇の悪魔 番外編短編集] 正しい執着の仕方

 概要: リクエストは「執着」。 良いイメージの少ない言葉ですが、頭のいい子が正しい執着をすると、こうなります。 リオンは、ジョカが自分にベタ惚れであるという自覚がある。  ジョカが自分を愛してくれているという確たる自信があって、その上に胡坐(あぐら)をかいてはいけないという認識もあった。  ジョカは言った。  お前には本当に感謝しているから、たとえ愛情が冷めたとしても、お前が死ぬまでぐらいはちやほやしてやる、...
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