「魔王協会統一法第一条において! お前に決闘を申し込む! 魔王!」
かつて、いくつもの英雄譚で、締めくくりの始まりの役を担った、有名な定型文句。
堂々たる口上が響いたそこは、広々として豪奢な広間だった。
人間で言うなら王が謁見を行う謁見の間。
床には深い鮮やかな赤の絨毯が敷かれ、天井には豪奢なシャンデリアが魔法の明かりを灯している。
広間の真ん中から奥にかけて階段状に床が隆起し、その最上段には、玉座……ならぬ、天蓋付きの豪華ベッドがでんとあった。
その上には人影があり、その相手こそ、魔王そのひとであった。
年は人間の基準で言うなら二十代半ばほど。魔族の青黒い肌に黒髪の引き締まった体躯の青年だった。太いくっきりした眉と唇に性格の傲岸不遜さがにじみ出た顔だが、顔立ちだけでいうならかなりの美形である。
―――そして、たった今天晴な口上を述べた人物は、現在、魔王の指先に摘まれてぶらぶらと揺らされていた。
小さい。
非常に小さい。
手のひらほどの大きさしかない。
しかしそれでも頭も首も四肢もあり、ちゃんと服も着て、ミニチュアの可愛らしさを醸していた。手には極太の針を持ち、それがこの小人の武器だ。
だが、襟首を掴まれている状態では、その武器も使いようがない。
魔王は至近距離でその小人族と目を合わせ、言った。
「……おい。お前」
「なんだ! 魔王!」
「まあ、その、なんだ。一応、褒めてやる……。
小人族のお前なら気づかれずに城に侵入することも、罠を回避することもできただろう。あと、俺様が眠ったところを気配を悟られずに接近したのは上出来だ。でもなあ……」
魔王はゆさゆさと振り子の動きで揺らす。
小人は悲鳴を上げた。
「うわーっ、やめろーっ! 卑怯だぞ~~~~っ!」
「その姿で、とっつかまって、敵対の口上を言うなよ……。お前の勝機は不意打ちが全てだぞ。なくなった時点で逃げろ」
魔王が偶然寝返りをうったところにこの小人がいて、準備万端針を振りおろそうとした小人はあわれ下敷きになって捕まってしまったのだ。
ゆっさゆっさゆっさ。
「やーめーてーくーれー。はーくー」
ぐったりして小人は言い、魔王は意地悪く言った。
「魔王協会統一法第二条を知っているな?」
「ううっ」
「敗者の生殺与奪の権の一切を勝者が得る。ふっふっふ、どうしてくれよーかなー。食べても腹の足しにはならんが、珍しい珍しい小人ちゃんだからなー。城の細かいところを掃除させようかなー? 最近排水管の詰まりが気になっていたんだよなー、中に入って内側から掃除してもらえばきっとぴかぴかになるよなー。でも中はすげー汚いだろーなー、体中ヘドロまみれになるだろーなー」
「く、くそっ、なんて極悪非道な魔王だっ!」
「ふふふふふ。魔王城は広いぞー。排水管はたくさんあるぞー。一日一本でも、何十年かかるかなー」
楽しそうに魔王は脅しつける。かなり、本気だった。
バン! と音を立てて扉が開いたのはその時だ。
「パルを離しなさい、魔王!」
そう叫んだのは、黒髪をなびかせた一人の少女だ。
年はまだ十六、七かそこら。なかなか可愛らしい顔立ちをしている。その背後には、彼女の仲間だろう三つの影。
魔王はがっくりと肩を落とす。
「……しまった……。まったく、定型の持つ美と言う物を心得よ。勇者は入口から堂々と、が常識だろう、まったく……」
「そんなこと知った事じゃないわね! パルを離しなさい、魔王ともあろうものがピグミーを人質なんて恥ずかしいと思わないの……ってあれ?」
豪華絢爛な大広間、階段状に盛り上がった先にある、ベッド。
ベッドである。玉座でなく。
「なんで、ベッド?」
魔王はしかつめらしい顔で向き直った。
「いいか、娘」
魔王は得々と語る。
「勇者が魔王に挑戦する場所は、魔王の居室よりこうした大広間のほうがふさわしい。それは判るな」
「え、ええ」
「だがしかし! 大広間で日がな一日玉座に座って魔王は何やっとるんだ!」
少女も思わず声を上げた。
「そ、そういえば!」
「よって、各地域を統べる十二の魔王のうち、俺様の様にムードとかシチュエーションを大事にする魔王は、広間を自分の居室にしているんだ!」
少女はしばし、その言葉を咀嚼し、恐る恐る尋ねた。
「…………あの。それって、結局ムードがぶちこわしじゃ?」
「ばあっかもの! 俺様がそんなことも考慮しないと思ったか! 勇者が魔王城に入ったら、部下総動員で大急ぎで部屋の模様替えだ!」
「…………ああ、それでさっき」
「そうだ! くそう、定型美というものを心得ん小娘め! 魔王城に入ってくる勇者ならちゃんと入口から入ってこんか! そうすれば罠や仕掛けが不意打ちする間にしっかり準備万端整えたものを!」
「んな定型美知るか―っ!」
思わず突っ込んでから少女は慌てたように頭を振った。
「い、いけないいけない。ついうっかり……。相手のペースに巻き込まれるところだった」
少女は仕切り直しとばかりにぴしりと魔王に人差し指を突き付けた。
「魔王! 魔王協会統一法第一条において、私はあなたに挑戦する!」
魔王協会統一法第一条。
魔王は、魔王以外のあらゆる種族の挑戦を拒むべからず、である。
その挑戦を受け、魔王の背後に使い魔が現れる。この使い魔が見届け人となる。
「ふっふっふっふっふ。よかろう。この俺様に挑戦しようなどという愚か者は久しぶりだ。我に挑戦する愚かしさをその身に思い知らせてやろう!」
少女は白い目で魔王を見て、ぼそり。
「…………ベッドの上に腰掛けて言っても迫力ないわよ」
「ぐわあっ!」
魔王にクリティカルダメージ!
「く、く、く……くそう。貴様がちゃんと入口から入ってきて罠に引っかかっていれば!」
その功労者は現在リバースまで十秒前状態である。
「だ、だがこの小人が貴様の仲間だというのなら仲間を見殺しにはできま……」
小人の渾身のこうげき!
小人は吐いた!
「うぎゃあ!」
もろに手にかかった熱い液体に思わず魔王は放り投げた!
ミニドラゴンが落下地点まで急降下! 口にくわえて回収した! すぐに放り投げた!
小人は放物線を描いて広間の扉近くへ落下!
仲間であってもゲロは触りたくない!
「パル! ……まったくもう無茶して! あなたはそこでじっとしてなさい、いいわね!」
「…………はーい」
ぺしゃりと床に落下した小人は潰れた声で返事をする。
「さあーて、と」
少女は魔王に向き直る。
ザッ。
魔王に挑戦するパーティが、陣形を組んだ。
少女の右隣にさきほど小人を回収した緑色のミニドラゴン。
左隣一歩後ろに青黒い肌のフードを着た人物。肌の色からして魔族。
そして、背後に、エルフ族と思しき、耳の長い青年。
改めてそのフォーメーションを見た魔王は首をかしげた。
「おい、娘。お前、生粋の人族だろう」
少女は顔をしかめる。
「そうよ、それが何?」
「ふうむ……人族は亜人種やら竜族やらへの偏見はなはだしいと思ったがな。小人にエルフにドラゴンに、……そこのそいつは魔族だろう。俺も相当いろんな挑戦を受けてきたが、ずいぶん節操無いな」
「節操無いとはなによ! 失礼ね!」
「いや、褒めているんだが……おい、そこのドラゴン」
「え? ボク?」
体長は大人が両手を広げたぐらい。ほっそりとした体躯で、尾が長い。
少女の肩のあたりをパタパタと飛んでいる、飛竜である。
体色は見事なエメラルドグリーンだ。
「お前、ドラゴンだろう。生後五年ほどか? なんで人間なんかに従っている」
ドラゴンは本気で立腹した様子で言い返してきた。人間「なんか」と言われたことにカチンときたのだ。
「うるさいな! ボクは好きでクリスに従っているんだ。口出ししないでよ!」
少女の左隣の魔族も同調する。
「同感だな。俺たちがこいつに従っている理由を、あんたにいう必要などない」
「……ふむ。それも、道理だな」
魔王は汚れた手を念入りに布巾で拭いてから、ベッドから立ち上がった。
魔王も、ゲロまみれの手では戦いたくないと見える。
「では、はじめようか! 挑戦者諸君!」
先ほどまでとは別人のような圧倒的な覇気が魔王の全身から立ちのぼる。
それに応え、少女は鬨の声を出した。
「いくわよ、みんなッ!」
「「「おおっ!」」」
挑戦者一行も戦意が弾ける。
魔王と対峙しても呑まれない、怯えない、逃げない。このパーティが実戦経験豊富なパーティであることは間違いなかった。
この修羅場の度胸を支えているのは経てきた経験と、お互いを信頼する絆、そしてその中心たる少女への想いだ。
先陣を切ったのはドラゴンのファイアーブレスだ。
その小さい体からどうしてこんなに、というほどの大火炎が広間に広がった。
「甘いっ!」
魔王は上半身を後ろにそらし、ぐっと息を吸い込むと、大きく息を吐き出した。
その吐息で炎が割れる! 魔王は無傷!
「生後十年も経っていないドラゴンの炎が俺様に通用するものか……っ、なっ!」
分かれた炎のただ中から、少女が飛び出て魔王に一刀をふるう! 魔王はとっさにかわすが衣を一枚断ちきられた。更に追撃。魔王が回避した場所に重力場。魔族のみが扱える重力魔法。
うかつに踏み込めば魔王といえども数秒間は動きを制限される! その間に少女の剣が魔王を切り裂くだろう。
一瞬の半分の思考。何とか次の一手が間に合う。
魔力を足に帯びさせ、魔力を込めた一蹴りで重力場を蹴散らし、魔王は気を引き締めて対峙しなおした。
油断できない強力パーティだった。
小人族の助力によって体力も浪費せず無傷で魔王のところまでたどり着き、息のあった連携で攻めてくる。
魔王はパーティの中心人物を見つめた。
そのなびく黒髪の一筋にいたるまで、火傷は皆無。あの業火をかいくぐったというのに。
エルフ族の
炎抵抗不可? いや、それでもこうまで無傷はありえない。
魔王はためしとばかりに火炎呪文を一つぶつけてみた。
少女はかわす素振りもせずに炎のただ中で魔王を見据えていた。
さすがに、眉をひそめた。
「娘……おまえ、どうして炎が」
「私は、炎神エーラの加護を得ているわ。炎という炎は私を決して傷つけないっ!」
少女は、剣を振り上げ斬りかかった。
今度は逃げない。魔王も即座に右手に剣を呼び出し受け止めた。
その一撃でヘシ折れなかったことに魔王はにやりと笑みを作る。
「我が愛剣、魔剣グレーオボシム。よもや卑怯とは言うまいな?」
少女は剣をふるいながら叫ぶ。
「かまわないっ! 私の剣も同じく魔剣だから!」
剣戟が激しさを増す。
嘘やはったりではないらしい、少女の剣は通常の鋼の剣をバターと変わりなく両断する魔剣をびくともせずに受け止めている。
「ほうっ! いいな! 娘、侮っていた事を謝罪しよう!」
振るう、薙ぐ、払う、受け止める、突く。
かわす、そらす、よける、払う、避ける。
銀光がわずかな間に数十の値でひらめき、それはすぐに百の単位に変わる。
魔王は目を細めた。
人間は魔族の魔王とは違い、すぐに疲れて遅くなるのが普通。なのに、少女の剣は速くなってきている―――。
ちらりと見れば、エルフ族が無心に詠唱していた。剣閃の反応速度と膂力を上げる補助魔法は、どんな場合にもオールマイティに威力を発揮する。とりわけ―――今のような場合は!
守勢に回り、少女の剣を受け止めながら、一方でドラゴンと魔術師の動向を肌で探る。
こうも接近した間合いでは攻撃魔法は使えない。
だが炎系ならば、少女を巻き添えにすることはない。それは、ドラゴンも同じだ。今仕掛けてこないのは、タイミングを見計らっているからだ。
―――仕掛けた!
ドラゴンの青白い業火が家具を一瞬で消し炭にする。
「
氷結地獄!」
仕掛けられた氷系最上級呪文がその業火を上書きするように凍りつかせる。
驚くことに氷系呪文。
氷が届く前に、エルフの
氷耐性付与が少女を覆う。
ぱっと少女は飛び退り、魔王はまともに食らった。
だが甘いっ!
炎と氷の嵐から一秒遅れて魔王の声が響いた。
「
全回復魔法!」
「なっ!?」
どんな呪文が来ても、即座に全回復できるように、魔王も備えていたのだ。
勇者一行は全員が顔色を変えた。当然だ。
少女が付けた傷も、魔法の傷も、両方が完治した。それはつまり、いくら攻撃しても無駄ということ。
後衛のエルフが焦った様子で隣の魔族に話しかける。
「ダルク、
魔力吸収は!?」
「できない! 習得してない!」
「く……っ!」
相手が全回復呪文の使い手の場合、対応策は四つ。
魔力吸収で魔力すべてを奪うか、
魔力封印で魔法を封印するか、相手が回復する前に速攻で倒すか、消耗戦を挑むかだ。
魔力吸収は使えない。
魔力封印で魔法を封印するにしても、相手が魔王である以上、成功率は低い。
相手が回復する前に速攻で倒すのは、非現実的だ。
「あきらめないで、みんな!」
パーティに漂った絶望を、少女の一声が吹き飛ばした。
「魔王の魔力だって無尽蔵じゃない。私たちはいつもどおりやればいい。これは―――我慢比べよ!」
気配が引き締まる。
一声でパーティのムードを立て直した少女に感嘆しつつ、魔王は呪文を解き放った。
「
地の呪錠!」
通常ならかわされる下級呪文。だがあれだけの氷呪文だ。いくら氷耐性付与アイスシールしていても少女は少なからぬ影響を受けているはず。特に、敏捷性は!
石造りの床から伸びた緑の蔦が少女の足を捕える。すぐにドラゴンが焼き払おうと息を吸い込む。
させるものか!
「
月の影!」
闇属性最上級呪文が炸裂した。しかも紡ぎ手は魔王。威力は、歴史上でも十指に入るだろう。
だが、驚くことに全員が耐えた。
最低でも四人のうち一人は沈むと思ったのに、魔法耐性が最も低い人族の少女でさえ、倒れない。
彼らは全員が自らの足で床を踏みしめていた。
「聖なる風!」
エルフが発動した集団回復呪文がパーティの傷を瞬く間に癒していく。
先ほどの勇者一行と、同じ気持ちを今、魔王も味わっていた。―――傷つけても、傷つけても、きりがない。
ガキン!
振り下ろされた少女の剣を魔王が受け止める。
最上級呪文を使った反動で数秒は力が入らない。じりじりと押し込まれる。
交わった剣を間におき、至近距離から、少女の瞳が魔王を見つめる。
「削り合いましょう、魔王。あなたもしぶといけれど、こっちのしぶとさもなかなかのものよ?」
その青い瞳はどんな宝石よりも輝いていた。
魔王は、自分でも気づかぬうちに笑った。笑っている事に、しばらくして気づいた。
自らの力すべてを振り絞れる強敵に出会ったことへの、喜び。
「言うな、娘。―――だが、それを言う資格があるかどうか、俺様はまだ確かめてないぞ!」
言うなり、剣を引き、少女の脇を抜けようとしたが、少女に阻まれた。
「させないっ!」
かなめは回復役のエルフだ。
魔族の青年は無視していい。魔族は回復魔法が苦手だ。このパーティで、回復魔法を扱えるのはエルフだけと思っていい。
―――まず回復役を沈めるのが定石。
だが、少女もそれをわきまえていて、魔王を体を張って止める。驚くべきことに膂力も剣閃の反応速度も(補助魔法の底上げがあったとしても)魔王と互角かそれ以上。ならばと魔法を唱えた。
「
闇の先鋭!」
遠距離魔法攻撃。
しかしそれもまた、防がれる。
空を飛翔する飛竜は機動力において人間や魔族を遥かに上回る。素早く進路を遮り、その鱗で魔法を受け止めたのだ。
鱗の表面でほんの数瞬、魔法と鱗の防御力のせめぎ合いが起き、すぐに消えた。鱗に傷はない。
竜の鱗は天然で魔法障壁を展開しているようなものだ。遠距離魔法ではあの鱗を突破できない。
魔剣ならばその鱗さえ突破できるが、させじと少女が立ちふさがる。
一人が前衛。一人が攻撃兼後衛の護衛役。ふたりが後衛。
誰もが己のやるべき事を知っている、バランスのとれた連携が四を十にも二十にもする。
このパーティの実力を認め、魔王は太く笑う。
「認めよう、削り合いしかないようだな」
魔王の魔力が尽きるか、勇者一行が崩れるか、その根くらべ。
そういうのを、魔王は決して嫌いではない。
体中から血を流し、瀕死の状態で四人は倒れていた。
激闘は、数時間に及んだ。
どちらが先に魔力を枯渇させるかという戦いに、負けたのは少女たちの方だった。
回復役のエルフの魔力が尽きると、そこからは早かった。もう、傷を癒してくれる者はいないのだから。
しかし、それまで、数時間もの間、彼らは精神におろし金をかけられるにも似た戦闘の緊張に耐え、連携を崩さず、仲間がミスをすれば他の仲間がフォローにまわり、挽回不可能な隙を見せずに耐えきったのだ。
天井に張り付き、戦闘を観察していた魔族の使い魔が姿を消す。
魔王は捕虜を拘束する。地中から出てきた蔦が彼らの体を捕えた。
「魔王協会統一法第二条は、もちろん承知しているだろうな?」
少女たちは、全員、体力も気力も魔力も空っぽだ。精根出し切り、それでも負けた。もう、指一本動かない。
彼らの胸中には、力を出し切った果ての、不思議な充実感があった。このまま命を取られても、当たり前のこととして認めるだろう。
「……ええ。好きになさいよ」
魔王は困ったように眉を指で掻いた。
「ううむ、炎神のお気に入りを食べてしまうと、あとであやつから怒られるからなあ。ドラゴンを殺すと、竜族協会から反感を買うし……ううむ……よし、こうしよう」
一つ頷く。
「娘。名は?」
「名前? クリス……クリス・エンブレード」
「よし、ではクリス。おまえ、俺様の妻にならないか?」
声にならない驚きが、五人を駆け巡った。
とっさに声を出そうと四人はもがくが、生憎少女以外の四人は猿轡をされていて、唸り声にしかならない。
「お前が俺様の妻になるというのなら、他の四人の命は助けてやろう」
「わかったわ」
即答に、魔王はほんのわずか、目を見開く。
「あなたの妻になる。だから……みんなは、助けて頂戴」
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