あかね雲

□ ハンター感想 □

ハンターハンター354話「頭部」感想

<あらすじ>
天空闘技場で、ヒソカVSクロロ ぱーと4!
クロロについに逆襲開始するヒソカ。
しかし、追いつめ仕留めたと思ったクロロは何と偽物で……!?

<感想>
 ややこしい……。
 本当にややこしいです、クロロの能力!
 頭の良くない私としては、正直理解するのにひーこらひーこら。

 しかし頭脳戦の念のバトルはそれも醍醐味。頑張って考察してみました。
 ヒソカとはちがい、読者には考える時間がたっぷり与えられています。
 大きな大きなアドバンテージ。
 そう思うとヒソカ、ほんとに大変ですわ……。
 こんなややこしい能力を一回聞いただけで理解して状況に即して応用して考えなきゃいけないんですから。
 私なんて、十回以上読み直して時間無制限に与えられてもあまりのややこしさに悲鳴をあげているというのに。

 ではシンキングタイム!

 まず考えるのは、「いったいいつから偽物だったのか?」です。
 今回ヒソカがボコボコにしたのはクロロの偽物でした。それはもう確定しています。
 では一体いつから?

 1 前回のヒキでヒソカが生首アタックを決めた時にはすでに偽物
 2 生首アタックのあとに偽物に変わった

 答えは、2、ではないでしょうか。
 理由は本です。

 クロロは「素晴らしい……!」攻撃や回避のとき、片手に本を持っていました。
 ヒソカの生首アタックが決まったときもです。
 今回の「すごいね、これでも離さないんだ」という台詞は、本に対してのものと思われます。
 クロロの場合、本を手から離すことがそもそもできるのか……。穏当に考えても本を手から離す→能力解除、下手すると手に吸着しているんじゃないかと思います。

 そして……はい、グリードアイランドで出てきましたね。
 「念で作ったものはギャラリーフェイクでも複製はできない」のです。

 もちろん、団長が自分の本とそっくりな実物本をあらかじめ作らせていた、という可能性もありますが……団長の用意周到さを思えば、作っていたとしてもおかしくないんですが……隠すのにちょうどいいコートを着て登場しているんですが……。
 あれ? どんどん自信がなくなってきました。
 ですがまあその可能性をのぞけば、ギャラリーフェイクで本の複製はできないので、クロロ実物かと思われます。

 ではどこで入れ替わった?
 生首アタックが決まったあと、今週で一旦ヒソカが見失ったときだと予想しておきます。
 生首アタックのときに実物としたら、そこしか入れ替わるチャンスはありません。


 次に考えるのは、「なんで4つ同時発動できるの?」です。
 今回出された謎がひとつ。
 ギャラリーフェイクを維持したまま、クロロは「転校生」「ブラックボイス」を使っています。
 更には最後の台詞からして、番いの破壊者も併用していますね。合計四つです。

 番いの破壊者自体は一度刻印したら本を閉じても消えません。それを利用すれば三つまでは可能です。
 が。
 人形に刻印するのは無理ですよね?

 その場合、順序としてはこうです。

 1 ギャラリーフェイクで人形作成(栞・両手使用)
 ギャラリーフェイクは栞を使用して本を消すことで両手がカラになり使用できますが、二つ目の能力を使用するときは本を開いて片手を塞がなければなりません。
 ところが、番いの破壊者は両手使用の能力なので、使用できないのです。
 2 番いの破壊者(両手使用)→むり!

 ということは、順序を逆にするしかありません。

 1 観客本人に番いの破壊者(両手使用)を刻印。
 2 番いの破壊者解除、解除しても刻印は残る、ギャラリーフェイクでそのコピー作成。コピーにすら刻印は残存。

 という順番です。
 な、なんつーはた迷惑な……いや、元から観客を巻き込みまくって殺害しているので今更ですが。
 この場合、本体に刻印した場合、コピーした人形にも刻印があるのか、という問題があります。
 疑問ですが……あるんでしょうねえ。今回のヒソカの台詞「刻印した人形が消えない」から考えると。
 だってこの順序でないと、人形に刻印できませんから。

 今回の最後の台詞から考えるに、そこからさらに、
 
 3 オーダースタンプ発動、ヒソカを襲わせる
 4 今週でオーダースタンプ解除
 5 転校生を発動
 6 ブラックボイス発動
 ということになります。

 ……実は観客に旅団メンバーがいて、能力を使用していたんだよ、というオチなら別ですが。
 さすがにそれはないんじゃないかなあと思うんですが……でも、それならアンテナが消えていた理由もわかりますし(マチが念糸で回収した)……クロロの不自然なまでの多重使用能力にも納得できます。
 が、そこまで考えると収拾がつかないほど考えうる可能性が広がってしまうので、取りあえずはその考えは保留にして、考えないことにします。

 ヒソカの「人形が消えない限りクロロの行動は制限される」は、「制限」じゃなくて「推測できる」、の間違いじゃないかな。
 べつに、人形がいるかぎりは能力解除できない訳ではなく、ただ推理の材料になるだけなのですから。
 そして、まだヒソカのダメージは浅い、ってあれだけドツかれて頭も蹴られてるのに。
 Mか? Mだからか? Mは防御力は低いですが耐久力は高いですからねえ……。

 しかし、改めて見るとクロロの能力発動が複数すぎます。
 特にギャラリーフェイクがやばい。
 こんな応用力の塊のような能力、なんで「ブラックボイス」「転校生」と同時に発動できてるんですか……。

 これが、答えでしょう。今週ついに出てきましたね。クロロがなぜに教師然として長々と、ホンットーに長々と自分の能力について講釈した理由です。

 それは今回の勘違いのためのミスリード。
 ――「ギャラリーフェイクを解除したら人形も消える」と思わせるためです。

 クロロは言っていましたね。「ギャラリーフェイクを解除したら人形も消える」と。
 逆に言えば、それは人形が消えない限りギャラリーフェイクを解除していない、ということ。
 嘘をつく一番いい方法は、真実のなかに一つ嘘をまぎれこませることです。

 この罠にかけるため、クロロは大量の真実を……自分の能力についての真実を語ったのです。ただし、ひとつだけ嘘を添えて。

 ヒソカはこれまで、クロロの能力について「すべてクロロ自身から説明されたこと」を前提として戦っていました。
 ですが、自分の能力をすすんで敵にベラベラ喋る阿呆はハンター世界の強者にはいないのですよ。

 ヒソカ自身それはわかっていたでしょうに、これまでのヒソカの思考はぜんぶクロロの説明は真実だ、という前提のもとでした。
 真実はこうです。ギャラリーフェイクは能力解除しても消えません。
 それが「つがいの破壊者」の刻印ゆえか、ギャラリーフェイクは元々作った物が消えないのか、それはわかりません。たぶん前者だろうと思いますが。

 何故そう思うのかというと、具現化系の能力者が作った物、つまりオーラでできたまがい物が能力解除後も消えないというのは原理的にありえないからです。
 だって原材料が人間の思念であるオーラですよ。
 人間の精神力、なんていう実体のない靄のようなものが能力解除後に残るのは、人間の能力の限界を越えるでしょう。

 クラピカの師匠が言っていたように、「何でも切れる刀は具現化できない、人間の能力の限界を超えるから」という説明と矛盾します。
 特にギャラリーフェイクは、片手で触れたものは種類をとわず、数もほぼ無制限に具現化できるという人間の能力の限界ぎりぎりじゃないかと思う能力です。あ、数を無制限と思うのは、オークションの山のような商品を具現化したからです(陰獣のフクロウが持ち去った時の描写参照)。
 限界はあるんでしょうが、実質意味のない数字――千とか二千とかくらいはありそうです。
 かろうじてそれを成立させているのが、「24時間で消える」という制約です。

 なのに、今回人形は消えていません。ギャラリーフェイクを解除しても、消えていないのです。
 これもまた、番いの破壊者の特殊能力でしょう。
 死者の念、死んでも消えない、能力解除してもいつまでも残る――それが番いの破壊者の特性です。

 でも人形に刻印した場合、その人形が消えたら自動的に刻印も消えてしまいます。
 しかし、番いの破壊者の性質が、仮に名づけるなら「絶対消失耐性」といったものであったとしたら?
 絶対に消えない性質の刻印がスタンプされた人形もまた、消えなくなるのではないでしょうか?

 この仮説が正しいということになると……相当恐ろしいことになりそうです。ヒソカ的に。
 ちょっとだけ疑問なのは、団長はヒソカの能力を盗む気なのかな、ってところです。

 これまでヒソカが人形相手に手間取っている間に人間爆弾チュドーン、されれば、油断していたヒソカは結構あっさり死ぬんじゃないでしょうか?
 それをしなかったということは……能力を盗む狙い?
 あわよくば、ヒソカの能力を盗むつもりでいた団長は、人間爆弾を爆破させなかったのでしょうか?

 アンテナさえ刺してしまえば、いかにハンター世界最強格のヒソカといえど盗む条件をクリアするのは簡単です。
 ただ、アンテナ二本、というのが本当なら、今回一本壊したので、残るはあと一本。

 ただ……それをするには、能力を盗んだ後もヒソカを生かしておく必要があるんですよね……。
 このド変態を生かしておくなんて危険極まりない――ああでも両手両足を切り落としダ(以下自主規制)すれば、割と簡単か。

 団長の狙いが気になります。
 ここまでヒソカをうまく騙していたのに、団長はここでバレ必至の手札である「自分のニセモノ」を切ってきました。
 それがヒソカの生首アタックを予想外に被弾してしまい、生きるために切り札を切らざるを得なかったのか、あるいはもう既に包囲網完了しているのか……どっちでしょうか。

 どちらにせよ、今後ヒソカの活路は非常に狭く厳しくなるでしょう。
 刻印付き人形が作れるのですから、これまでのように流れ作業のように人形を始末する作業は危険です。
 不意に爆発される可能性を常に視野にいれて行動を迫られます。
 しかも、偽物で相当時間を稼がれました。

 ほんもののクロロはとっくに観客の中に潜伏しているでしょう。転校生の能力で。
 転校生(両手使用)→ブラックボイスで……うん、大丈夫できますね。
 ただし、生身の人間を操作できるのはあと一体。しかもそのアンテナを壊されてしまったらもうブラックボイスは発動できなくなります。
 それはこの戦闘後も継続的に、シャルナークの戦力大幅ダウンということです。能力は返す事が出来ると思いますが、再びアンテナに念を込めて育てるとしても……相当かかるのではないでしょうか。
 だから団長としてもこのカードはできれば切りたくないはず。
 ヒソカの念を盗むためにも、トドメ用にとっておきたいはずです。

 現在、クロロが提出できる能力カードは無数にあります。
 ブラックボイスはヒソカによって強制解除されたので、解除しても問題ありません。
 転校生も、偽物がヒソカによって殺されてしまったので、解除しても問題ありません。
 いわばどの手札も自由に切れる状態……。

 「転校生」を発動させてクロロが自分の姿を変えているだろうというのは管理人の勝手な予想で、確証はないのです。
 意表をついて実は発動してない、ということだってありえるのですから。

 そして、おーい、実況の女の子。あなたのんきに実況する前に、逃げた方がいいと思うよ?
 いつクロロやヒソカが乱入してくるか判らないんですから。
 もしそれを覚悟の上なら、すごいプロ根性です。

 超長文の考察を上げた結果、疲れきっている管理人ですが、最後は恒例の一言でしめます。
 ――どうか、冨樫先生が来週も掲載してくれますように。




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Date:2016/05/23
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