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あかね雲

□ ワールドトリガー □

【ワートリ感想】149話「雨取千佳⑥」感想

ネタバレ注意!

<あらすじ>
 意外にも、ヒュース加入を承諾する城戸司令。
 けれども条件がひとつ。
 千佳を遠征部隊に入れること。そうすれば千佳の膨大なトリオンによって遠征艇を大きくできる。
 千佳はそれを承諾。
 ただし、千佳を遠征部隊に入れることと三雲隊を遠征部隊に入れることとは別事項。
 B級ランク戦はあと三試合。
 三雲隊がB級二位に入ることが、三雲隊が部隊そろって遠征に行くための条件となる。

<感想>
 千佳ちゃん、生きたハイパワートリオン発電所でんな。
 トリオン兵とはちがい、生身の人間のトリオンはご飯を食べて寝れば回復します。
 たぶんトリオン回復は「一時間につき、総量の何パーセント」という形で回復するんでしょうね。
 そうでないと、千佳をつれていくメリットがないですから。

 「38のトリオン上限をもっていても、一日24時間に回復する量は一般の隊員とおなじ」なら、今回の城戸司令の言葉と矛盾します。なお、A級隊員のトリオン量は、平均6~8くらいです。出水とかは12ありますが。
 「38のトリオンがあり、一日24時間に38回復する」なら、充分入れる価値があるでしょう。

 んー、今回城戸さんの言葉からして、途中の国でのトリオン補給は「停泊して隊員のトリオンを供給する形」なんですね。
 トリガーは交渉して手に入れているあたり、相手の国と交易で手に入れるんじゃないかと予想したんですが、両建てかな?
 隊員のトリオンで供給してよし。相手と交渉して手に入れられればラッキーていど?

 考えてみれば、遠征中のトリオン供給なんて命綱、入手ルートは確実なほうがいいに決まってますね。
 補給できなかったらその時点で「大航海時代に遭難した船」と似た運命になりますから。

 大航海時代の帆船はまだ波と風の力で運が良ければどこかの陸地に着きましたが、ネイバー世界の航行は宇宙空間のそれに近いようです。航行自体に燃料(トリオン)が必要ってことは運行中にトリオンがつきたら……。

 ……想像したらかなり悲惨でした。

・千佳カモネギ
 この絵、むちゃくちゃ可愛いんですが。
 うんうん、千佳がアフトに行くなんて、カモがネギしょって行くようなもんですよね。
 危険すぎるわ。読者の意見をキヌタさんが言ってくれてよかった。

 千佳=トリオン発電所としてずっと船内にいても、遠征艇ごと制圧されたら無意味だし……。(遠征でペイルアウトしたら遠征艇に戻る)
 千佳がいることのメリットはわかるんですが、行く危険の方が勝っている気がする……のですが、そもそもの話、千佳がどうしてボーダーに入ったかっていうと、「遠征にいって大事な人を取り戻したい」からなんですよね。

 メリットもあるしデメリットもある。
 読者に両方提示したうえで、最後の決め手は千佳の意志。本人の意志で危険な遠征をとった、ってことですね。

 これはいい落としどころだと思います。
 千佳の目的を否定したら、そもそもこの話って二巻から瓦解しますからねえ……。

 千佳が遠征に行きたいとボーダー加入を決意→修がそれを助けると決意→ふたりだけじゃとてもA級には上がれないので、修がユーマに助けてくれと誘ってユーマがボーダー加入、という話の流れなので、千佳の遠征に行きたいという意思を否定したらこの話の礎がなくなっちゃいますから。

 危険だけれども、ガンバレ、千佳。


・城戸さんが予想外にあっさりと認めましたが
 これは、私の中では不自然とは思いませんでした。
 城戸さんのなかで、未知の土地でガイドがいる場合といない場合の比較がきちんとできていたから、だと思います。

 キヌタさんも、根付さんも、修がヒュースのガイドとしての有用性を示して以降は反対意見を表明していません。
 それは彼らが未知の世界を旅するうえでの現地人ガイドの有効性を否定できないためでしょう。
 自信満々に「そんなもんいなくても大丈夫だ」と言えるほど自信過剰ではない、と。

 それだけ、ヒュース(地元ガイド)の有用性を評価したからだと考えています。


・ため息をつく根付さん。「まったく…… 悪い知恵ばかりつけていくねぇ」

 まったくです。
 修はこういう面(交渉とか戦術とか)の成長度合いはちょっとすさまじいものがあると思うんですよ。
 狡猾というかイヤラしいというか姑息というか陰険というか嫌がらせメガネというか。

 戦闘能力という意味では目覚ましい成長はありませんが、今回の交渉なんて、おいおい15歳の少年がやる交渉かよ、と。
 そう、修ってまだ十五歳なんですぜ。
 私もBBF読むまですっかり忘れてましたが。てか読者みんな失念していると思いますが。


・ヒュースと修
 ヒュースって、修のこと見下してません?
 これまでの言動を見るだに、
 ・陽太郎のことはちゃんと大事に思っている。
 ・迅や小南、レイジのことも認めている。
 ・でも、修のことは認めてない

 って雰囲気なんですが……。
 ヒュースからみれば、戦闘国家の幼少から教育を受けた軍事エリートが素人の部活ごっこの一員になるようなもので……あ、しまった。
 ヒュースの立場に立ってみれば、修たちを見下しても仕方ないかもと思ってしまいました。

 これまでにヒュースと修ってほとんど会話がないですからねえ……。
 えーと、たぶん今回が初めてじゃないでしょうか。(記憶のなかでは。自信なし)

 ヒュースから見た修って「雑魚」じゃないかと心配しております。
 理由はもちろん、弱いから。

 修の長所って、姑息なところだったり今回の交渉でも発揮された口先の技術だったり、あるいは全キャラ中トップなんじゃないかというメンタルの強さなんですが、ヒュースってこれまで「ランク戦で修がボロ負けするところ」ばっかり見ている気が。
 つまり修の戦闘能力が低いところです。
 だからヒュースは修を一段低く、見下していそうな気配なんですよね。

 ただでさえヒュースって「えらそう」ですし。
 今回、きちんと修が交渉を成立させたので、多少評価が改善されたようではありますが……。
 さっそくユーマに「お前じゃなくて隊長と呼べ」とツッコまれてますし。

 これから先、ヒュースがだんだんと修を認めていく過程を見るのが楽しみです。


・ヒュース 「オレはそれに見合うだけの働きはする」
 この間の「俺が第二のエースになってやる」もそうでしたが、ヒュースって自信満々マンですよね……。
 いちばんの壁は、B級に上がるまでの訓練のような……いや、ユーマも大侵攻後、描写ゼロでB級に上がってましたし、ヒュースもそれに倣って即座に上がるでしょう。

 でも見たい……見てみたい!
 この偉そうなヒュースがぶつくさ言いながらも他のC級の訓練生にまじって訓練に参加してるところを見てみたいです、葦原先生!
 
 と、今週も面白かったです。
 次週がとても楽しみです。



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