【ワートリ感想】191話「弓場隊4」
長らく感想さぼってごめんなさい。
一番の理由はモチベの低下ですが、もうひとつ。
本好きの下剋上というweb小説(完結済)にハマってしばらく二次小説を書き散らしておりました。
pixivにて掲載しているので、興味があったら読みに来てください。
ネタバレ注意! ワールドトリガーの感想です。
<あらすじ>
いよいよ佳境だよランク戦最終戦!
生駒隊→全滅
弓場隊→弓場のみ生存
二宮隊→全員生存
玉狛第二→ヒュース以外生存
ユーマと帯島ちゃんとの1対1になった今回。
帯島ちゃんを新技ピンボールスコーピオンで封殺し、ユーマは無傷の勝利。
そして、弓場と二宮隊が正面衝突へ……。
<感想>
……もう一回お願いできません?
え? だめ?
ううう、以前は二回だったのに、最近一回ぶんしか掲載されないのでつらい……。
面白いんですよ?
面白いんですけど、これであと一か月ってつらいんです!
……まあ、あの休載の頃を思えば耐えられますけど。ええ。
ワールドトリガーのファンって、休載のおかげで忍耐力はトップクラスだと思います。
玉狛第二が遠征に行くためにはあと二点が必要。
そしてあと残る点は、二宮隊三人と弓場さんひとり。
このうち二人を落とすor生存点を勝ち取る
のどっちかを満たさないと、遠征に行けません。
そして肝心の戦況ですが。
現在弓場が一人で二宮隊と対決しています。
さすがにメンバーぜんぶ落ちて、弓場だけで二宮隊三人フルを敵にまわして戦うのはキツいでしょう。
順当に考えて、弓場はまもなく落ちます。
しかしだからこそ、玉狛としては弓場が落ちる前に乱入したいですよね。
でも弓場がどれだけもつか。
1対3で、しかも相手はダメージなしのエース級が三人ですからね……かなりキツいと思います。
そして玉狛の手札は千佳+ユーマ+修。
おおお……勝算ありありじゃないですか!
この駒なら、二宮隊に勝てる勝ち筋はかなり思いつきます。
二宮隊と初めて戦ったランク戦とは大違いです。成長しましたね……ほんと。
この展開ですから、今度のランク戦で、二宮隊に勝てると思うんですよね……。
来月、ついに二宮隊との直接対決でしょうか? とても楽しみです。
【ワートリ感想】186.7話「ヒュース8」「弓場隊2」
MGCレース、面白かったですね!
その立役者は間違いなく設楽選手。
普通のマラソンって30キロくらいまでは動きがなくてペースメーカーについてくだけの、つまらないレースが多いんですが、まさか最初のスタートからぶっとばすとは!
掛け値なしに人生がかかったレースでこれをやれる、なんというくそ度胸。
おかげで見ていてとても面白く、終盤もこれまた各選手の駆け引きなど見ていて見応えばっちり。
私の予想では、ペースメ―カーはいないけど、お互いがけん制し合って30kまではスロー、その後はスパート合戦、というつまらないものでしたから。
個人的感情としても大迫選手が三位になって、にっこりというところです。
どうか、来年の東京マラソン、日本新を誰かが出してくれますように。
ネタバレ注意! ワールドトリガーの感想です。
<あらすじ>
転送位置が悪く、各隊の集中攻撃を受けるヒュース。
それを知り、チカが援護のメテオラを撃とうとするも、狙撃されて大爆発。
間一髪、チカシールドで難を逃れるが、援護がもらえないヒュースは……?
<感想>
こ、ここで切らないでー!!!
たぶん全てのワートリ信者は同じことを思ったと思います……。
こんなところで切らないでー!
気になって仕方ないじゃないですか!
ううう、今回ナンバーワンの仕事をしたのは弓場隊のひとり未紹介だったスナイパー、外岡
カレ、ものすごくいい仕事してます。
スナイパーの仕事の第一は、一発目を当てること。
そのために必要なのは、用心深さと慎重さ。
千佳を見つけてもすぐに撃たず、千佳が攻撃する瞬間まで待つ用心深さ。
そのために空閑が合流しちゃいましたが、その一発をとっておいたからこそ、千佳のメテオラで使う事ができました。
あそこで攻撃しなかったら、マジでまるごとあの辺一帯全滅必至ですもんね……。
フルガードして、なんとか耐えられるか否か……?
ヒュースを取り囲んで集中攻撃している最中ですが、弓場隊の面々の様子をみるに、不意打ちではなく、メテオラの兆候は察知していたみたいですから切り替える時間はあるかな?
でも千佳のメテオラだからなあ。
フルガードごと叩きつぶされるかな?
さて、今回のMVPは間違いなく外岡君ですが、残念ながら、これでカレの居場所は丸見えになりました。
スナイパーの心得、スナイパーは初弾が外れたら即逃げるべし。
距離つめられたら終わりだよん。
ユーマが一人なら間違いなく狩りにいっていたでしょうが(参考、茜ちゃん)、果たして千佳を放り捨てて狩りに行けるかどうか。
……まあ、千佳には全方位シールドがあるのでしばらくは放っておけるでしょうが、居場所がばれたのは千佳もおなじ。
一人にして狩りにいくかな、どうするかなー?
次号、外岡君の命運はいかに!
そして、外岡君より遥かに絶体絶命のヒュースの命運はいかに!
……うーん、なんせ状況が悪すぎますよねえ。
取り囲んでボコリまくり。
スナイパーにイコさんに弓場さんに帯島ちゃんに犬飼くん。
――いや、マジでどうしてこれですぐ死なないのか不思議なくらいです。
よく耐えるなーって感じ。
さあ、来月いかにしてヒュースはこの苦境を凌ぐのか。
この近距離じゃ、バックワームは無意味どころか有害だし、それこそ千佳のメテオラクラスの大爆発で逃げるくらいしか思いつかないんですが。
うーん、私が思いつくのは、空閑が外岡を攻撃して外岡を封じて、その隙に千佳がもう一発ぶちこむくらいかなあ?
スナイパー1(外岡)は千佳に、スナイパー2(隠岐)はヒュースにかかりきりの現状。スナイパー3? それは千佳です。
なので外岡をユーマが封じればもう一発撃てる。……と思うんだけどなあ。
それでは今月も大変面白……かったんだけど、ここで切るのは苦行ですよ、先生!
どうか、来月もお目にかかれますように!
どうかどうかお身体にお気を付けてお願いいたします。
【ワートリ感想】184,5話「弓場隊」「二宮隊2」
ネタバレ注意! ワールドトリガーの感想です。
<あらすじ>
試合直前、四者四様のミーティング。
その後、いざ試合へ。
ランダム転送で空閑+雨取の近くに二宮が配置され、いざゆかんと獲りに行った二宮はチカとの射撃戦へ突入する……。
<感想>
マジメに打合せor練習をしている三チーム。いっぽう相変わらずな生駒隊。
相変わらずだなあ!
ナスカレーの謎単語に読者が惑わされた過去が思い出されます。結局なんの意味もなかったという。
いい意味でマイペースっていうのは、生駒隊のためにあるような気がします。
さて、毎度運命を分けるランダム転送。
……ふと思ったんですが、迅さんにコッソリ「俺らはどの辺にどんな感じで配置されます?」って聞いたら超有利になるような……。
ま、まあやったら少年漫画的に完全にアウトですけどね!
――迅を入れたりやたら強いネイバーを入れるのはいいんかいなというツッコミは聞かないことにしましょう。
改めて確認を。
解説の人の目には誰がどこにいるのかバックワームも含めて丸見えですが、実際に戦っているメンバーに見えるのはレーダーの点のみ。それもバックワームを付けていない人のみ。
この点が誰なのかもわかりません。点が誰なのかわかるのは自軍のメンバー&接近して誰なのか分かったキャラのみ(タグづけ。見直すといろんなキャラがコレやってます。)。
解説+それを鑑賞している皆さんの目に映る配置図(フルバージョン)と、ランク戦中のメンバーの目に映る配置は相当違っています。
こうして見れば見るほど戦略シュミレーションゲームみたいですね。
ゲームとか作ったら面白そうなんだけどなあ。
さて、ランク戦ではしょっぱなから雨取vs二宮が勃発。
雨取加入まで、トリオン第一位だった二宮vsぶっちぎりのトリオンモンスター千佳。
誰もが手に汗を握る好カード。
射撃戦となったら二宮に勝ち目はありそうにありませんが……しかし大分距離が離れている!
アステロイドの欠点はまっすぐにしか飛ばない事。
ということは、必然的に相手の位置がわかっていないと当たりません。
レーダーだよりで撃っても当たらないってことはこれまでさんざん言われてますしね。
千佳のアステロイドは、相手がフルガードしても「なにそれ美味しいの?」でガードごと叩きつぶせるでしょうが、さすがに誘導弾で64分割ではそこまでの威力は出ない様子。
辻くんにもシールドであっさり防がれています。
あともう少し……! 視認できる距離まで近づいてアステロイドをぶっぱなせることができれば!
次週、シールドごと二宮さんがお空の星となる展開だと胸が熱くなりますね。
まさかあの生存率高い二宮が初の脱落者となるとは! とか。
読者としても意外性高くていと面白。
ただこの距離だと、ユーマも辻君も同じく絡めません。
このまま出番なく辻君もろとも二宮爆死、というのはさすがに展開的になさそう。
射撃しあいつつすこーし近づいて、辻vsユーマになり、千佳の首を取ろうとする辻をユーマが抑えている間に二宮爆死、になるかな?
……そういえば、辻君は女性相手にカタナで切り付けられるんだろうか?
根源的な疑問として、女性と喋るのは苦手でもカタナで斬るのは平気、ってありえないよね。もしそうならそりゃヤバイ人のような……。
ましてや千佳。
かわいいかわいい、ちっこい千佳ちゃん。
外見年齢小学生の可愛い女の子。その千佳ちゃんをカタナで平気で斬る辻くん。――うん、絵的にナイ。盛大にナイ。
奥手で引っ込み思案な辻君は、そんなことできない……と思います。たぶん。
となると、ユーマと盛大に斬り合う方面かな。
ユーマも小学生に見えるって? だいじょうぶだいじょうぶ。ユーマは男だからいいのです!
猫先生も言ってるじゃないですか。
男が女を斬るのはアウトだけど、男が男を斬るのはいいのです!
ここでランク戦を読み返してみると、あーこの法則は徹頭徹尾守られてますね。
せいぜい、くまvs武士くらいだけど、あれも最後のとどめは爆死だったし。
やっぱり猫先生もその辺気を使ってるんだろうなあ。
というわけで今月のまとめ。
・千佳vs二宮勃発
・千佳に対して一番怖いのは生駒旋空。
でした。
今月も面白いのですが、順調に何事もなく面白いので、イマイチ感想に困ります。
いやつまんないんじゃないんです! 面白いんですよ!
面白いんですけど、じゃあ感想を……となると唸ってしまうのです。
うーむうーむ。
生駒さんは相変わらずだなあ、とかぐらいで。
感想をひねり出すのに苦労はしますが、楽しんでないワケではないので、誤解しないでください。
感想書きの才能がとぼしいだけなのです。
それでは今月もとても面白かったです。
来月も楽しみにしております。
お身体に無理のない範囲で、がんばってください。
<最近のジャンプ>
チェンソーマンが最近お気に入り。
私の中で、ドクターストーンとチェンソーマンがジャンプ二大柱のようになっています。あくまで私の中で。
……ワンピースは、その……長すぎて……今どこにどうなっているのか、さっぱり……。
読まなくなって随分経つので、ほんと今どうなっているのかわからなくて増々読めなくなっている、という悪循環。
インペルダウン脱獄編はもんのすごく面白くて毎週毎週飛びついて読んでいたのに、あの頃の私はいったいいずこ。
完結したら読もう、とも思うのですが……完結いつするんでしょうね?
【ワートリ感想】182話183話「玉狛支部6,7」
京アニの犠牲になられた皆様のご冥福をお祈りいたします。
このニュースを見てから、私はずっと胸がもやもやしてたまりませんでした。
そして今日やっと、この感情を言い表す言葉を見つけました。
「理不尽」です。
同じように、唐突に多くの人命が失われても、東日本大震災の場合はまだ感情の整理のしようがありました。
誰が悪いわけでもない、天災だったからです。
大昔から天災で人は死にました。無数の人がそうやって死んでいったのです。
そのせいで「天災だからしょうがない」という諦めがあり、感情の行き場を見つけることができました。
けれど、今回は……。
亡くなった方は、その日いつも通りの一日が始まると思っていたでしょう。
何の縁もない、顔も知らず名前も知らない男によって自分が殺されるとは、思ってもなかったに違いありません。
想像するだけで、たまらない気持ちになります。
この気持ちを端的に言いあらわすと、「理不尽」です。
怒りというのとは少し違います。悲しみ、やるせなさ、どうしてこんなことがという果てしない疑問が混在しています。
亡くなった方の、ご冥福を、心よりお祈り申し上げます。
さて気持ちを切り替えて、今月は二話掲載!
葦原先生の体調はいかがでしょうか……。
コメントがちょっと不穏なので心配。ページ数も少ないっておっしゃってるし。
どうかお体にお気を付けてください。
これぐらいのページ数なら読者はまんぞくです。
無理せずに、ページ減でも休載でも使って無理せずに執筆していただけると読者は嬉しいです。
ネタバレ注意! ワールドトリガーの感想です。
<あらすじ>
オサム、ユウマ、それぞれが得た情報を持ち寄っての作戦会議。
……ああ、チームしてるなあ。
二宮がフルアタックになったときほど、奇襲有利。
二宮の隙を大きくして不意打ち戦法(囮役は殺されずに)をするべく、ニノマル召喚。
仮想二宮のニノマルを相手に練習する玉狛支部。
そして、なんと、次戦の解説は小南先輩。
<感想>
えー、ファン爆笑必至のニノマルですが、杉浦にはとある懸念が。
……ひょっとして葦原先生はトリマルの本名をトリマルと思いこんでしまってる……?
いやいや! まさかそんなはずは!
えーと、でも、皆さん。とりまる先輩の本名はからすま、ですよ。烏丸!
どうかカンチガイして覚え間違えないでくださいね。
しかし……なぜスーツまで真似る必要が……。
一瞬コラかとおもいました。ワートリのコラって面白いの多いですからおすすめですよ。
そうおもってマジマジと見ると、首のあたりに不自然さがあるように見えなくもないような……。
・今回は珍しくとりまる先輩のミス
いやー、後輩が先輩にモノを頼むとき、「迅さんは目上の人だから頼めないけど小南先輩なら頼める」っていうのは失言以外の何物でもないと思います。
これ、小南先輩は目上じゃない、って言っているも同然ですよー。
あ、ちなみ小南先輩はボーダーの中でも相当の古株です。はい、旧ボーダーでもしっかりいましたしね。
迅より入隊早いんですぜ。
当然、とりまるは小南先輩から見たら相当の後輩です。
その後輩が「迅さんは目上だけど小南先輩は目上じゃないよ」と言ったら……。
ハイ、電話口の会話をもう一度読んでみて下さい。
小南がとりまるの失言にどう噛みついたのか、想像つきますよね(笑)。
・千佳は撃てるのか?
とうとう撃つことを決意した千佳。
千佳が撃てる場合、後は守りを固めることさえできれば無敵要塞になれるよね。
つまり、ユーマorヒュースが千佳と合流できるか否か。それだけがキーになって、合流したら最後、広範囲無差別爆撃するだけで勝てるワンサイドゲームになるような……。
昨今は主人公無敵モノのオラオラヒャッハー系が大人気ですが……どうしよう。
一回ぐらいは無双でいいけど、二回目以降は無双を見たくない自分がいます。
これは完全に好みの問題なんですが、私は主人公無双モノがあんまり好きじゃありません……。
一回ぐらいは無双してくれていいんですが、それが毎回だと、白けてくる方です。
特にこのワートリは、下っ端の出番が少ないキャラすらもしっかり個性とバックボーンがあって頑張っているところが大好きなので、それが崩されると思うと、「イヤだなあ」と思わずにはいられません。
千佳のトリオンは、ボーダー内のランク戦のパワーバランスを揺るがすくらいにデカイものなので、そのために葦原先生は「撃てない」という縛りを付けたのだと思います。
ということは、逆に「撃てる」ようになるとそれこそ無双状態になっちゃうんじゃないかなーと思うのですが、で、できれば無双状態は数回ぐらいでお願いします。
それでは今月もいと面白です。
来月、またお目にかかれますように!
【ワートリ感想】180話「里見一馬」181話「弓場琢磨」
今月は、ちょうど発売日に合わせて体調を崩してしまって困りました。
風邪だと思うんですが、早く良くならないかなー。
最悪の状態より大分マシになりましたが、まだ熱があって体がだるいんです。あとハナが……。
結局仕事も休んでしまいました。ああ最悪。繁忙期なのに。
次に仕事に行くとき、白い眼で見られないことを切に祈ります……マジで。
イジメが始まったりしたら私は泣くぞ。私はいじけ系なので、避けられたらマジへこみするのです。
さて、今月はヤッタね二話掲載!
感想が遅くなってしまいましたが、がんばります。
ネタバレ注意! ワールドトリガーの感想です。
<あらすじ>
草壁隊 里見一馬さん
&
弓場隊隊長 弓場琢磨さん
&
弓場隊 帯島ユカリちゃん
の紹介回。
<感想>
ワールドトリガーの凄いところは、こうしてぱんぱかキャラが出て来てもどのキャラもちゃんと覚えられるっていうところかもしれない。
今までに何十人キャラが出てきたと思います……?
初登場時にモブとしか思えなかった東さんを筆頭に、まあどのキャラも味付けしっかりしていること。
違和感というか、伏線はあったんですよねー。
B級でしかないはずの東さんがアタリマエのようにA級メンバーを含めた大勢を指揮して、誰もそれに異論を唱えないところとか。
そしたらその後、出るわ出るわ、東さんの膨大な実績とカガヤカシイ経歴が。そりゃ誰も異論を唱えませんて。
今回もしっかり葦原先生は味付けをしてきましたね。
緑川の仲間、同じ草壁隊の里見一馬さんは、気さくで朗らかな人。
フレンドリーでコミュ力高そうでうらやましいです。
その里見さんの師匠が弓場隊の隊長兼エースの弓場さん。
……里見さんが一位ってことは、追い抜いちゃったのね。
うむ、オラオラ体育会系だけど悪い感じのしない体育会系ですな。
最近こういうオラオラ系キャラを見ないんで、新鮮でした。
この後の試合で魅力的に書かれたら、ひさびさに知らない扉を開けることになるかもしれません。
そして、帯島ちゃん。
可愛いなー。いい意味で弓場さんの薫陶が行き届いているようで、最初ユーマの前でおどおどしていたのが、弓場さんにカツ入れられて深呼吸をしてまるで選手宣誓のように宣言するのがすごく可愛いw
このほか、弓場隊には外岡一斗というスナイパーさんがいます。
出てくるのが楽しみ。
……でも、BBFの未登場人物のなかでいちばん気になっているのはやっぱり漆間さんなんですよー。
一人軍隊の漆間隊! ね、このフレーズだけでどうしようもなく好奇心そそられるでしょ。
夢があるじゃないですか、この「数こそ力」を忠実に再現しているワートリ世界で、たった一人で戦うB級中位。
彼にとって一番やっかいなのはスナイパーだろうなー。とか、勝手に想像を膨らませております。
・早撃ちガンマン
弓場さんの早撃ちの早さを実感させてもらったユーマ。
しかし早いなー。
でもこれで、「初見で早さについていけずに瞬殺」は免れました。
ユーマも新技を見せましたが、ガッツリとお釣りはもらっていると思います。
さてその攻略法なんですが、今の玉狛には必勝法があるんですよね。
弓場さんは強いですがトリオン量で二宮をもしのぐヒュースのシールドを砕けるかというと難しいでしょう。
守りに入ったヒュースを崩すのは相当難しく、その間に千佳のシールド破壊属性大規模殲滅弾が降ってくる、と……。
……あーほんとに身も蓋もないな!
戦略要素がナシになりますが、ほんとにこれ、必勝法ですね。
菊地原の耳を使ったステルス奇襲殺法に匹敵するかも。
それでは今週も面白かったです。
葦原先生、お身体に気を付けて、体を第一にお仕事頑張ってください。
ワールドトリガー20巻感想
ワールドトリガー20巻感想です。
【表紙】
表紙は年齢詐称疑惑が私のなかで持ち上がっている東さん。
……だって、うん、説明不要だと思います。
彼が年齢通りに見えるひと、います?
【カバー裏】
今回は、クローニン、ゆりさん、そして初の二回目登場の嵐山さんに、片桐隊オペレータの結近さん、鳩原さん、そしてヒュース。こいつもさりげに二回目ですな。
毎回さりげなく重要情報をぶっこんでくれるカバー裏ですが、片桐隊オペレータの結近さんは東塾の二期生と判明。(片桐と雪丸も)
…………二期?
てっきり今のコアラと奥寺、両ツノ立っている二人を指導しているのが二期目だと思っていましたが、違った様子。
東さんはコアラを指導する前に、二宮とかネイバー殺すマンを指導しているので、最低でも今が三期目です。
二宮、三輪、加古さんとで結成したのが一回。
片桐さんたちと結成したのが一回。二宮たちとどっちが先かは不明。でも二期目っていうから二宮さんたちのあとかなー? いや、そう思わせて実は最初の一回目が別グループという可能性もありますね。
で、今。コアラと奥寺で結成中なので、最低でも三期目ですね。ひょっとしたら間にまだあるかも……。
そして今思ったけど、コアラと奥寺って将来の幹部候補?
東塾のメンバーって、みんなA級になってるじゃん!(一部、A級から出戻り含む)
うーん、経歴を見れば見るほど、東さんは大学院生には見えないんですが!
ほんとに大学院生なんでしょうか……。
<感想>
20巻の内容はランク戦途中(別役がエスクードでサンドイッチになって昇天)から、ランク戦が決着して千佳の撃てるかどうか問題がクローズアップされたところまで。
全体的にとっても面白く、とっても楽しい巻だったんですが、不満があるとしたらひとつだけ。
――どうか、お身体には気を付けて下さい。
非難を覚悟でホントーに正直に言いますと、私はワールドトリガーが休載になるのは嫌です。
だから今現在ワールドトリガーは休載していますが、休載はイヤです。ツライです……。
でも、ワールドトリガーが体調不良で打ち切りになって未完の佳作となるのは、もっとずっと嫌です。
だから、胆嚢を取り外す手術のあと、葦原先生の術後の回復がおもわしくなくて休載になってしまいましたが、無理に書かなくっていいと思います。
休載はツライですが、訓練されたワールドトリガー読者は、かつての長期休載のようなことになるくらいならいくらでも休んでくれていいと思っていますから。
まずはお身体を大事にしてくださいね。
・鳩原さん
彼女に関しては以前このブログで妄想を書き連ねたように「二宮→鳩原」にすっかり頭の中が染まっている管理人です。
くくく……。どうせ当分出てこないと作者に断言されてしまったことだし、思う存分妄想をわかしましょう!
そう、「二宮の片思い説」を私は支持しております!
鳩原さんて、二宮のこと好きかっていったら、好きじゃないと思うんですよ。
チームメイトとしては好きでしょうけど、恋愛感情としては。
理由? 単なるカンです。
だから、二宮の片思い説を押したいですね!
オサレでスタイリッシュ(笑)な二宮が好きになったのは、不器用で不美人で陰気な人の撃てない失格スナイパーだった……。
いーですねくっぅっく。
ゆりさん
彼女については、休載直前に巨大爆弾をぶちかましてくださったインポータントレディだと思っているのですが、ああああ、気になる木になる―! って歌じゃねーよ!
一体どういうことが旧ボーダーに起き、どんな悲劇の末に今のボーダーになったのか。
ああああ、彼女がさらっと語ってくれた裏話がー、誰か他の漫画家さんに作画を頼んでスピンオフ書いてくれーって言いたいほど気になります。
超ボリューミーっぽいし、ただでさえ身体の弱い葦原先生にそんな負担をかけられない……。
どうか、スピンオフとして誰かに原作提供して漫画化してくれないかしらー?
……でも、あの旧ボーダーの集合写真。まだ若い子も多くて仲の良いグループのうち、半分以上が死んじゃったんですよね……。
おまけに何人も黒トリガーに……。
迅の持っていた黒トリガー。
天羽の持っていた黒トリガー。
今のところボーダー所有で確認されているのはこの二つですが、もう一つほぼ確定の黒トリガーがひとつあります。
そう、公式ガイドブックで「玉狛所属S級お子様隊員」と紹介されている男の子が持っているものです。
S級=黒トリガー持ち。
ってことは……そういうことなんでしょうね。
陽太郎の持っている黒トリガーも、たぶんこのとき旧ボーダー隊員の誰かが変化した物なんだと思います。
で、お子様の陽太郎に持たせている辺り、好き嫌いが激しくて陽太郎以外は受け付けない黒トリガーだったか、あるいは陽太郎の父とか兄とかが変化して、「陽太郎が持つべきもの」という暗黙の了解がある黒トリガーだったのか、あるいは私の以前の妄想(こちらの記事参照)が正解か。
ワールドトリガーは伏線の引き方が上手くてたいへん気になります。
それでは休載は痛くて切ないですが、葦原先生のお身体が第一。
来月のワールドトリガーを首を長くして待っていることにします。
【表紙】
表紙は年齢詐称疑惑が私のなかで持ち上がっている東さん。
……だって、うん、説明不要だと思います。
彼が年齢通りに見えるひと、います?
【カバー裏】
今回は、クローニン、ゆりさん、そして初の二回目登場の嵐山さんに、片桐隊オペレータの結近さん、鳩原さん、そしてヒュース。こいつもさりげに二回目ですな。
毎回さりげなく重要情報をぶっこんでくれるカバー裏ですが、片桐隊オペレータの結近さんは東塾の二期生と判明。(片桐と雪丸も)
…………二期?
てっきり今のコアラと奥寺、両ツノ立っている二人を指導しているのが二期目だと思っていましたが、違った様子。
東さんはコアラを指導する前に、二宮とかネイバー殺すマンを指導しているので、最低でも今が三期目です。
二宮、三輪、加古さんとで結成したのが一回。
片桐さんたちと結成したのが一回。二宮たちとどっちが先かは不明。でも二期目っていうから二宮さんたちのあとかなー? いや、そう思わせて実は最初の一回目が別グループという可能性もありますね。
で、今。コアラと奥寺で結成中なので、最低でも三期目ですね。ひょっとしたら間にまだあるかも……。
そして今思ったけど、コアラと奥寺って将来の幹部候補?
東塾のメンバーって、みんなA級になってるじゃん!(一部、A級から出戻り含む)
うーん、経歴を見れば見るほど、東さんは大学院生には見えないんですが!
ほんとに大学院生なんでしょうか……。
<感想>
20巻の内容はランク戦途中(別役がエスクードでサンドイッチになって昇天)から、ランク戦が決着して千佳の撃てるかどうか問題がクローズアップされたところまで。
全体的にとっても面白く、とっても楽しい巻だったんですが、不満があるとしたらひとつだけ。
――どうか、お身体には気を付けて下さい。
非難を覚悟でホントーに正直に言いますと、私はワールドトリガーが休載になるのは嫌です。
だから今現在ワールドトリガーは休載していますが、休載はイヤです。ツライです……。
でも、ワールドトリガーが体調不良で打ち切りになって未完の佳作となるのは、もっとずっと嫌です。
だから、胆嚢を取り外す手術のあと、葦原先生の術後の回復がおもわしくなくて休載になってしまいましたが、無理に書かなくっていいと思います。
休載はツライですが、訓練されたワールドトリガー読者は、かつての長期休載のようなことになるくらいならいくらでも休んでくれていいと思っていますから。
まずはお身体を大事にしてくださいね。
・鳩原さん
彼女に関しては以前このブログで妄想を書き連ねたように「二宮→鳩原」にすっかり頭の中が染まっている管理人です。
くくく……。どうせ当分出てこないと作者に断言されてしまったことだし、思う存分妄想をわかしましょう!
そう、「二宮の片思い説」を私は支持しております!
鳩原さんて、二宮のこと好きかっていったら、好きじゃないと思うんですよ。
チームメイトとしては好きでしょうけど、恋愛感情としては。
理由? 単なるカンです。
だから、二宮の片思い説を押したいですね!
オサレでスタイリッシュ(笑)な二宮が好きになったのは、不器用で不美人で陰気な人の撃てない失格スナイパーだった……。
いーですねくっぅっく。
ゆりさん
彼女については、休載直前に巨大爆弾をぶちかましてくださったインポータントレディだと思っているのですが、ああああ、気になる木になる―! って歌じゃねーよ!
一体どういうことが旧ボーダーに起き、どんな悲劇の末に今のボーダーになったのか。
ああああ、彼女がさらっと語ってくれた裏話がー、誰か他の漫画家さんに作画を頼んでスピンオフ書いてくれーって言いたいほど気になります。
超ボリューミーっぽいし、ただでさえ身体の弱い葦原先生にそんな負担をかけられない……。
どうか、スピンオフとして誰かに原作提供して漫画化してくれないかしらー?
……でも、あの旧ボーダーの集合写真。まだ若い子も多くて仲の良いグループのうち、半分以上が死んじゃったんですよね……。
おまけに何人も黒トリガーに……。
迅の持っていた黒トリガー。
天羽の持っていた黒トリガー。
今のところボーダー所有で確認されているのはこの二つですが、もう一つほぼ確定の黒トリガーがひとつあります。
そう、公式ガイドブックで「玉狛所属S級お子様隊員」と紹介されている男の子が持っているものです。
S級=黒トリガー持ち。
ってことは……そういうことなんでしょうね。
陽太郎の持っている黒トリガーも、たぶんこのとき旧ボーダー隊員の誰かが変化した物なんだと思います。
で、お子様の陽太郎に持たせている辺り、好き嫌いが激しくて陽太郎以外は受け付けない黒トリガーだったか、あるいは陽太郎の父とか兄とかが変化して、「陽太郎が持つべきもの」という暗黙の了解がある黒トリガーだったのか、あるいは私の以前の妄想(こちらの記事参照)が正解か。
ワールドトリガーは伏線の引き方が上手くてたいへん気になります。
それでは休載は痛くて切ないですが、葦原先生のお身体が第一。
来月のワールドトリガーを首を長くして待っていることにします。
番外編 ユーリッドの冒険
《番外編 ユーリッドの冒険》
「お、ユーリッドちゃん! 可愛いね、これからお出かけかい?」
近所のおじさん(獣人族)の声かけに、私はくるりと回って見せた。
お父さんからもらった外套(いろんな魔法付与つき。私の身長にあわせて調整済み)が弧を描く。
背中には背嚢。これも、いざとなったら盾として使えるように頑丈な魔物の革で出来ているし、魔法付与もかかっている。更に更に私の装備は一式全部、過保護な父が用意した魔法付与付きの最高級品なのだ。
お父さんのお古だけど、やっぱりお父さんてすごい冒険者だったんだなあ。こんなのを持てるなんて。
「うん! これから出発するの! まずは手紙の配達よ! 初仕事なんだから!」
「そうかそうか! これでユーリッドちゃんも一人前だな」
陽気に笑って頷くおじさん。
でも私は見逃さなかった――おじさんの目が、一瞬後ろに流れたことを。
一瞬後には何事もなかったように私を見ていたけど。
……その顔がどこか笑いをこらえているように見えるのは……私の気のせいだったらいいなあ。
「いいかい、気をつけるんだよ。この町から外は、色んな危険がいっぱいなんだからね!」
色んな人に口を酸っぱくして言われた言葉。
ここ、私が住んでいる町、サンローランは大陸でも有数の大都市にして、「平和の街」として知られている。
なんでも、私が住んでいた家に以前住んでいた勇者さまが、各種族の平和と協調を願って作った町なんだとか。
だからか、この町は色んな種族がごちゃまぜで仲良くやっていて、力を合わせて得意分野で頑張ってきた。私が物心ついた頃から今まで戦争の気配ひとつ聞いたことがない平和で豊かな町だった。
外では激しいって聞く人族による異種族差別もなにそれ? って感じ。
言葉としては聞いたことがあるけど、一度もあったことないから、よくわからないんだよねー。
私自身、人族と魔族の混血の半魔族だし。正確には四分の一魔族だけど、さすがに四分の一魔族、なんて言葉はない。
人族と魔族の混血はみんな一緒くたに「半魔族」って呼ばれてる。
え? どうして半人族って言わないのかって?
……私にもよくわかんない。昔からそう言われているからみんなそう言う。言葉ってそういうものじゃない? 何となくみんな昔からそう言っているからそう使っているよね。
でも、私が思うに、半人族、っていうと、色んな混血がいるから、じゃないかな。
人族の特徴のひとつに、色んな種族との混血が可能、っていうのがある。種族はたくさんあるから、できない種族の方がずっと多いけどね。
たとえば魔族と獣人族では混血できない。
でも、魔族と人族だったら混血できちゃうんだ。私みたいに。
そして、精霊族とも人族は混血できる。獣人族とも、一部の特別な種族とならできるみたい。
だから、半人族っていうと、どことの混血なのかわからない。
だから、混血した側で呼ぶんじゃないかな。
半魔族、半精霊族、半獣人族、ってね。
「わかってる。気をつけるね。それにコリュウもいるし」
私は自分の頭の上を指差す。
そこには、尾を含めれば体長が成人男性の二倍ほどもある緑色の飛竜がゆったりと浮かんでいる。
身体が建物の邪魔にならないよう私の頭のだいぶ上を飛んでいて、下から見上げると玄妙な色合いの緑色の鱗が光を弾いて、とっても綺麗。
私とは一緒に育って、血は繋がっていないけど、コリュウは私のことを「可愛い妹」って言ってくれる、頼りになるお兄ちゃんだ。
いざとなったらブレス攻撃一発で焼け野原を作れちゃったりする、ちょっと心配症で、兄馬鹿ぎみなお兄ちゃんでもある。
以前町に流れてる噂を信じて私に絡んできた奴にブレスを吐こうとした時は必死に止めた。
いくらなんでも殺すのはまずいってば!
「……コリュウも大きくなったなあ……」
なんだか感慨深げにおじさんは呟く。
おじさんは私が生まれる前からサンローランに住んでいる。
つまり、私よりもコリュウの小さい頃については詳しい。
「でしょ? いざとなったらコリュウに乗って逃げるから、大丈夫」
竜族は希少だから、サンローランでもコリュウ以外は住んでいない。
……ときどき、コリュウを訪ねてくるときがあるけどね。
それは、コリュウがこの町を作った勇者さまの仲間だから、らしい。
……しかも、その勇者のパーティメンバーのひとりが私のお父さんなのだ。
そのせいで、私が住んでいる家=勇者さまが以前住んでいた家、だし、コリュウをはじめとする勇者さまの仲間全員が同居人で家族で……うううっ。
「ユーリッドも、大きくなったなあ。初めて見たときにはこーんなちっちゃな赤ん坊だったのに」
「もう! おじさんたらやめてよ!」
ホントーにその目やめて!
この町を作った勇者さまは尊敬しているけど、おかげで私は凄い迷惑!
だって、勇者さまの子どもだって影で言われてるんだよ、わたし!
そんなことあるはずないのに!
そりゃあお父さんは勇者さまのパーティメンバーだけど、お母さんは別の人だ。
だって勇者さまは結婚してたもの。お父さんじゃない人と。
お父さんが父親だということは勇者さまがお父さんと…ふ、不義をしていたってことだ。
勇者さまがまさかそんなことあるはずない。だから私が勇者さまの子どもだなんてこともあるはずない。
……ないんだけど……、やめてほしい、その目。
懐かしむみたいな、私の中に若くして亡くなった勇者さまの面影を探すような目。
――私は勇者さまの子どもじゃないんだってば!
そう叫びたくなるのをぐっとこらえる。
いくら言ったって聞いてもらえないのは経験上わかってる。
ここはスルーだスルー。
「じゃ、行ってくるね!」
私は手を振って出発した。
……そして町の門を出てしばらく歩き、人気がなくなると同時に足を止めた。
くるりと振り返る。視界に映るのはよく均(なら)され舗装された道とのどかな自然だけ……に見える。
「――お父さん」
ぎくっ。
そんな音が聞こえた気がした。
しばらく待っても出てこないのでもう一度呼ぶ。
ふふん。そこにいるのは判っているのだ。その程度の隠蔽魔法じゃ、私の感覚は誤魔化せない。
「お、と、う、さ、ん! 出てきて! そこにいるのはわかってるんだから!」
何もないように見えていた空間の一部がぼやけ、私と同じ、青黒い肌の魔族の男が姿を現す。三十代ぐらいの、ハンサムな人だ。
……まったく、もう。
あの獣人族のおじさんが笑いをこらえていたのは、十中八九この人に気づいたからに違いない。獣人族は匂いに敏感だから。
その人はあたふたしながら言い訳を口にし出した。
「ユ、ユーリッド。こ、これはだな。理由があるんだ」
「たかだか町に手紙を届けるだけでしょうが! ついてくる父親がどこにいるのよ!」
「そ、それはそうだが! でもな、良く考えてみなさい。お前は初仕事だし、まだ十二歳で、女の子で、しかも可愛いんだ。いくらコリュウがついていたって色々と危険なことがいろいろあるに違いないんだ、だからな、しばらく冒険者の仕事に慣れるまでは俺と一緒に……」
「却下――っ!」
最後まで言わせず、私は叫んだ。
「却下却下却下――っ! いったい! どこの世の中に! 娘の冒険にこっそりついてくる父親がいるのよ!」
「コ、コリュウはついてきてるじゃないか!」
「コリュウはお兄ちゃんだもん! 魔法まで使って姿を隠してこっそりついてくるお父さんとは違うわよ!」
そう、この情けない魔族が私の父親だ。
お父さんは勇者のパーティメンバーだけあって、魔法がとても達者だ。一見魔族に見えるけれど、実は半魔族。だからその子どもの私も自動的に半魔族ということだ。
お父さんはぎっと上空のコリュウを睨んだ。
「ずるいぞ、お前ばっかり!」
「お父さんいくつよ!」
思わず瞬速でつっこんだ。
上空のコリュウが「ふふん」、という顔をしたのは……見なかったことにしよう。
「魔物討伐とかならともかく! 一体どこの世の中にたかが手紙配達に付き添う父親がいるのよ! 恥ずかしいの! お願いだからやめて!」
冒険者ギルドの登録は十二歳から。
その時もこの父は大変だったのだ。
この冒険者ギルドって言うのは、要するに「労働者派遣組合(荒事含む)」だ。
だからちょっと大きな町には必ず一つはあるし、大きな町になると三つ四つ……なんてことも普通にある。
大陸有数の大都市であるサンローランにももちろんあって、十二歳になるなり私はそこに登録した。
……もう想像がおつきだろうと思うけど、この父は大反対だった。
なんせ、お父さんはこの町を作った勇者さまのパーティ仲間。
コリュウもそうだし、家で一緒に暮らしているエルフのマーラもそう。
当然、我が家はお金持ちだ。財産なんて一生遊んで暮らせるぐらいある。
もし万が一お金が足りなくなっても、魔法の達人であるお父さんやマーラ、竜族のコリュウならちょちょいのちょいでお金を稼げる。
だからお父さんは私が冒険者なんて荒事も扱う仕事をやるのには猛反対だった。
「金ならいくらでもあるじゃないか! お前がわざわざ命の危険を冒して冒険者になる必要はない! たとえお前がどこかの王族に嫁ぐとしても持参金に不足はないぞ!」
……ねえ皆さん。
この台詞を聞いて、どう思います?
私は、いらっときましたよ。ええ。
「お父さんは黙ってて! 私の将来は私が決めるの! 私は冒険がしたいのよ!」
それから父の猛反対をマーラとコリュウの協力でかいくぐり、ラグーザ冒険者組合に登録し、今日の初仕事までの日々の長かったこと……!
なんせラグーザ冒険者ギルドは勇者さまが所属していた老舗ギルド。
勇者さまの元所属先なのだ、そのネームバリューと信頼度は圧倒的で、サンローランには他の冒険者ギルドがないぐらい。
ラグーザ冒険者ギルドに駆逐されちゃったんだね……。
で、その勇者さまの仲間が、このメンドクサイ父なのだ。当然、昔のよしみでギルドに顔がきく。
――何が起こったか、お判りだと思う。
……ほんと、こっちの味方にコリュウとマーラがいてよかった。
二人ともお父さんと同じく勇者さまのパーティメンバー。
二対一。
登録させまいというお父さんの妨害も、仕事を回すまいという嫌がらせ(以外の何物でもないよ!)も、コリュウとマーラが押しとどめてくれた。
そうしてやっと獲得した初仕事。
これ以上父に邪魔させてなるものかっ!
私は、じとっとした目で言った。
「……お父さん。もしもう一回黙ってこっそりついてきたら……嫌いになるからね」
――私の完全勝利だった。
◆ 2 ◆
るんたった、るんたった。
鬱陶しい父を何とか振り払い、私は軽い歩調で道を歩いていた。
そんな私の上空を飛ぶコリュウが話しかける。
大きな体のコリュウは、私の真上なんて飛べない。
かなり上空をゆったり飛んでいる。
距離があるのに声が届くのは、風の精霊にコリュウが愛されているからだ。鳥や竜、空を飛ぶものはみんなそうだけど。
「ユーリッド~。空飛ばないの~?」
「空を飛んだらあっという間じゃない」
サンローランは大都市だ。大抵の物はあるから、サンローランの外へ出るのはこれが初めてだった。
「初めてサンローランの外へ出たんだもん、空を飛ぶのは満喫してからね!」
うちには本棚があって、そこには冒険物語もたくさんあった。(小さい頃は知らなかったけど、家に本棚があるってすごく珍しいことだ。勇者さまの仲間だから、高い本も買えるんだろうな)。
やっぱね、お約束ってあるじゃない。
道を歩いていて出くわす山賊! 人攫いをくわだてる奴隷売買組織! 魔物!
それを華麗にぶっとばす、わ、た、し。
ふっふっふっふふふふふふ……。
こう見えてもお父さんの秘蔵っ子である私は、かなり強いのだ。
お父さんの反対を、ねじ伏せられるぐらいには。
物心ついた頃からお父さんやマーラに魔法を習い、家にいるやたら強いメイド人形さんに家事全般とともに剣術を仕込まれ、時々来るやたら強い人族のおじさん(私のためにお父さんが雇ってくれた教師)に剣術と魔法のコンビネーションについて鍛えられた。
私は半魔族だけど、お父さんと一緒で外見は魔族そっくりだ。
青黒い魔族の肌。
直毛で、腰までまっすぐのびた黒い髪。
目だけが人族の血が出たのか青い。
まだ十二歳だからお肌もぴかぴか。……ま、元々魔族の青黒い肌は日光に強いから、しみもそばかすもないのが普通だけどね。
顔は……顔は……うん、たぶん美少女に入るんじゃないかな? たぶん。
自分の顔が全体から見てどの程度なのか、っていうことについて、私は極めて判りにくい立場にいる。
だって――種族が違うと美的感覚もちがうんだもんっ!
人族では「色の白いは七難かくす」って言葉があるらしいけど、私の肌は魔族の青黒い肌。
……も、ここのところで基準が違うのがわかるよね。
お父さんやコリュウやマーラは可愛いって言うけど、私だってそれを鵜呑みにするほど馬鹿じゃない。
近所の人も右に同じ。
かといって、鏡を見て自分で判断しようにも……わかんないんだもんっ!
少なくとも、お化けみたいな顔ではないと信じたい。
話を戻すと。
そんないたいけな美少女(たぶん)が道をてくてく歩いていたら、そりゃー盗賊とかが襲うでしょ。襲うよね。コリュウは上空にいるから、空を見上げないと気づかないし。
そして私にブチのめされる、と。
くぅ~っ、いいよねいいよね。ヒロイックサーガのお約束だよね。
そのためにも、私は今はてくてくと道を歩くのだ。
鍛えてるからこれぐらいへっちゃらだしね!
周囲に溢れる日差し? 平気平気。魔族の青黒い肌は日焼けにはメチャ強いのだ。
人族の女性の場合、「色白」が美人の条件だし、日焼けに弱い肌だからつらいよね。日焼けっていうのは軽い火傷なのだ。なめてはいけない。……まあ、魔族の青黒い肌で、日焼けとは無縁の私が言っていいかどうかはわからないけど。
この世界では女の子の一人歩きなんて、襲って下さいって言っているようなものだ。
しばらく歩いていれば定番の展開が……と、思っていたんだけど。
「――あれ?」
「あ、ユーリッド、次の町見えてきたよー」
「あ……うん」
……次の町、ついちゃった。何事もなく。
コリュウが上空から感心したように言った。
「早いねー。普通の人の足の二倍以上のペースだよ。疲れてない?」
「うん、ぜんぜん」
伊達にメイドさんに鍛えられてない。……ほんと、あのメイド人形さんてばスパルタだった……。思い出して遠い目になってしまった私。
「じゃ、この町で宿をとる? それとも更に次の町まで行く?」
私はちょっと考えた。
――手元の手紙の届け先は、ヴェルトーラスの町。
実を言うと、結構……かなり遠い。
基本的に「届け物」依頼は、品を届けた時点で依頼がクリアになって報酬もでる。遠かったり、山脈が途中にあったりすると報酬も上がる。
信用もない新人冒険者に高価なものを預けるほどギルドも馬鹿じゃないから、私が預かっているのは封書一通だけだ。手触りからして、何か同封してあるわけでもない本当に手紙だけ。
このヴェルトーラスの町への手紙の送付依頼は、随分長い間掲示板に貼り出されていた。
理由は簡単――国境を越えなければならないし、遠い。なのに報酬はさほど高くないからだ。
下手すると、宿泊費だけでも足が出てしまう。
でも私は、その名前に惹かれて手に取った。
ヴェルトーラスの町。
それに聞き覚えがあったからだ。
――おばあちゃん。
二年前に寿命で天に召されてしまった、おばあちゃん。お父さんのお母さん。人族で、たったの四十八歳で死んでしまった……。
そのおばあちゃんの遺品を整理していたら、一本の短剣が出てきたのだ。
かなり精緻な細工が施されたその短剣は、鋼の質も良く、一級品だった。武器の目利きを叩きこまれた私の目は確かだ、間違いない。
でも――見るからに相当高価なそんなものをどうしておばあちゃんが持っていたのか?
短剣をくまなく点検し、柄と刀身をバラして根本にある銘にはこうあった。
――ヴェルトーラス武器組合。
ヴェルトーラスに住む鍛冶屋がこの短剣を打った。
そして、見るからに高級品の短剣が、どういった経緯か、おばあちゃんの手に渡った。おばあちゃんはそれを大事に持っていた。
……うん、ピーンとくるシチュエーションだよね。
刃の質から見て量産品ではなく一点物だし、これだけ細かい細工だ。鍛冶師が生きていれば、憶えている確率が高い。
それが何、って言われるだろうってわかってる。
でも、私は知りたい。
おばあちゃんはきっと、若い頃この町にいた。なら、この短剣は、恋人だった人からのものではあるまいか?
おばあちゃんのルーツをたどれば、お父さんのお父さんが判ると思うのだ。
知ってどうする、っていう人も多いだろう。お父さんなんかは絶対聞いたらそう言うはずだ(だから言ってない)。
でも私は会いたい。おじいちゃんかもしれない人に。
――そして、言ってほしい言葉があるのだ。
◆ ◆ ◆
サンローランから出発したその日の夕方、私は二つ目の町へとついていた。
これまでのところ、不穏な気配は皆無だ。
私は道を歩きながらブツブツとぼやく。
「……治安がいいのはとてもいいことだけどっ! どうして何もないのよっ」
「……ムチャ言わないように」
矛盾したことを呟いていると、上空からコリュウの突っ込みが入った。疲れたような声だったのは――、聞かなかったことにしよう。
「ユーリッド、町に入らないの?」
私が町に入らず迂回する道を選んだのを見て、コリュウが声をかける。
「だって入街税もったいないもの」
「宿取らないの?」
「お金勿体無いもの」
「……たくさん持ってなかった?」
「あれはいざって言う時のためのお金。私は冒険者なんだから、依頼の報酬だけで収支を黒にしなきゃいけないんだよ?」
そう、ウチは何度も言うけど裕福だ。
お父さんなんかは私のために最高級の装備を用意してくれた。
――なんでも、お父さんが昔現役時代に使っていた装備で、それを私の身長に合わせて仕立てなおしたそうだ。
その他にも、支度金としてたくさんお金をもらった。
……でもね、お父さん! 支度金として一生暮らせるお金を新米冒険者に渡す親がどこにいるのよっ!
あ、ここにいたか。
それに……私はお父さんに大見栄切って反対を押し切って冒険者になったのだ。
それなのにお父さんのお金に頼って生活するなんて筋が違う。
私はあくまで、冒険者として得た収入の中で、やりくりして生活すると決めたのだ。
となると問題になるのは手紙の配達料だ。
前述のとおり、あまり多額の報酬じゃない。贅沢してちんたら旅をしていたら、宿泊費だけで足がでる。
ここはやっぱり、野営をすべきでしょう!
「……ユーリッド、それならそれで、空を飛んだほうがいいと思うんだけど……」
「そうだけど……夢とロマンが! 山賊に襲われて困っている人を颯爽と助けて『ふっ、お礼には及びませんよ』とか言ってみたいの~。明日はちゃんと空飛ぶから!」
「……マーラ。恨むよ。どうしてこの子の情操教育に『英雄物語』の絵本なんて使ったんだ……」
コリュウの嘆きをよそに、私は元気に足をすすめた。
やっぱり私は半魔族だけあって、十二歳の子どもであっても基礎能力は大人の人族を遥かにしのぐ。……スパルタで鍛えられたしね。
この世界の旅人の足は健脚だけど、私の足はそれをラクラク上回り、その日の夜には三つ目の町についていた。ちなみに、普通の旅人なら一日で一つ目の町につくぐらいだ。
「……で、やっぱり町に入らない?」
「うん」
「……もう外暗いけど?」
「夜目がきくから大丈夫!」
半魔族である私は、魔族の種族特性として夜目がきく。
さすがに完全なる闇を透かし見ることはできないけれど、星と月さえ出ていれば、フツーに見えるのだ。
「……夜なのにまだ歩くの?」
「夜のうちに国境超えたいの。もうそろそろだと思うんだよねー。夜のうちに入っちゃった方が楽じゃない」
「――密入国かいっ!」
「うん!」
「そこ! イイ笑顔で頷かない! 普通に手続きとればいいだろ! ちゃんと正規の身分証があるんだから!」
「時間とお金がかかるじゃない!」
ただでさえぎりぎりの採算なのに、関所で正直にお金を払うなんてもってのほか!
コリュウは――がっくり首を折った。
どこの国も国境には関所を設けていて、そこではお金を取る。
入街税みたいなもので、入国するのにもお金がかかるのだ。
「……おかしいなあ、お金には不自由させた憶えがないのに、どうしてこんな締まり屋になっちゃったんだろう……」
「あれ? 冒険者が関所以外の国境を柵越えして越えるのなんて当たり前って聞いたけど?」
「……誰に?」
「メイドさん」
「ファーナああああっ!」
コリュウの悲痛な絶叫が響いた。
◆ ◆ ◆
関所は街道沿いに作られている。
広い国境線全部を見張ることなんて事実上不可能だ。そのため、関所が設けられていない場所を通って入国料をごまかそうという冒険者や商人は数多い。
空を飛べる私やコリュウはもっと簡単だ。
夜、関所の上空を飛び越えればいいのだから。
悠々と密入国を果たした私たちは、関所から大分離れた場所で降り、野営した。
過保護な父親が用意した魔道具で、天幕を張るのも結界を張るのもお手のもの。
あっという間に支度は出来て、私はくーすかと眠りについた。
◆ ◆ ◆
家にいたメイド人形は、おかしな人形だった。
私の剣の師は、その人形になる。
なんでもエルフのマーラがエルフ族の秘術で作成した人形ということで、喜怒哀楽があり、受け答えも臨機応変で人間そっくりという、見た目を覗けば人間そのものの人形だったのだ。
外では普通の人形のふりしてたし、私も厳重に口止めされていたけどね。
子どもの頃は本当に人間だと思っていたくらいだ。
……人間にしては、体温がなかったけどね……。
彼女の名前はファーナ。
私に剣を教えるにあたり、ファーナが最初に厳しく言い渡したことがある。
「これからあなたに剣術を教えるわけですが、最初に、言っておくことがあります。人を殺してはいけません」
「おいおい……」
それを聞いていたお父さんが呆れたように制止の言葉をつぶやいたけど、ファーナは無視した。
「いいですか、人を、殺してはいけません。決して、ひとりもです」
「……え? なんで?」
「人を殺せば、いつかあなたが殺されるからです。人を殺すというのは、いつか巡り巡って己に返ってきます。人を殺して生きてきた人間は、いつか殺されるのです」
「だ、だって、じゃあ、相手が私を殺そうとしたらどうするの? 殺されちゃうよ?」
ファーナは笑った。
「人を殺してはならない、それは、あなた自身も含みますよ、ユーリッド」
「ど、どういうこと……?」
私は訳が分からず問い返したし、お父さんも顔を厳しくして言った。
「それは、綺麗事だ」
「あなたは、あなた自身をも殺してはなりません。誰も殺さず、あなた自身の身も守る……それを出来るだけの力を、これからあなたに与えます。いいですか、人を殺してはなりません。そして、殺されてもなりません。人を殺してはならないのは、いつかその恨みがあなた自身に巡り巡ってやってくる為。そして、あなた自身を守るのは、あなたとあなたを愛する私たちの為です。人を殺さず、殺されず、相手に勝つ……それが出来るだけの力をあなたに授けます。だからあなたは、誰も殺さないでください。
……人を殺せば、いつかそれは己に還ってくるのですから」
繰り返し、ファーナは私に言い聞かせた。
人を殺してはならない。人を殺せば、どんな悪人であろうとその家族が私を恨む。そして恨みは巡り巡って私を殺す。だからこそ、人を殺してはならないと。
……正直言って、よくわからない。
だって、人を殺したことのない良い人だって、殺されてるじゃない。
殺されるかどうかは、人を殺したことがあるかどうかなんて関係なくて、悪人に出会ったかどうかで決まるんじゃない?
そして、そんな悪人を殺して、何が悪いんだろう?
わからない。
でも、ファーナに繰り返し言い聞かせられたせいで、私は、すっかり人を殺すことが怖くなってしまった。
――人を殺した恨みは、巡り巡って本人に戻ってくる。
そんな言葉を物心ついたばかりの子どもに口酸っぱく言い聞かせるファーナもファーナだと思うんだけど……、幼い頃から聞かされた言葉は、暗示のように私に染みついてしまった……。
――人を殺してはなりません。ですが、あなたも殺されてはなりません。それが出来るだけの力を、あなたに与えます。
――天幕の中で、私はむっくりと体を起こした。
辺りは真っ暗だ。天幕の中だから光がない。完全な闇ではさすがに夜目も働かない。
手探りで天幕の外に出ると、くっきりと見えた。
「あはっ!」
思わず笑ってしまう。
待ち望んでいたものがそこにあった。
こーんな街道から離れた所に張ったテントに忍び寄る曲者たち。数は五人。
ファーナの教育が染みついてるから、殺さない。
でも、捕獲はしなきゃね。
「四乗鎖(フォースバインド)!」
夜の闇に包まれた周囲が一瞬だけ、ぴかっと昼間のように明るくなる。
そしてそれが消えた時には、曲者たちは全員捕縛されて地面に転がっていた。
「弱すぎるよ!」
思わず私は突っ込んだ。
魔法一発で終わり!?
ばちばちした魔法戦や剣戟を期待していた私の立場は!?
「あんたら山賊なんだからもうちょっと、こう……鍛えるべきでしょうがっ!」
善良な人から金品を強奪する仕事なんだから、最低限普通の人より強くなきゃ出来ない職業(?)だと思うんだけどなあ。
「いや、その人たちが弱いんじゃなくて、ユーリッドが強いんだと思うけど……」
と、言いながら天幕の外にいたコリュウがのっそりと現れた。
「ユーリッド、この人たち何?」
「今からそれを聞くんだよ! 山賊かな?」
そこで、ぐるぐる巻きにされた一人が叫んだ。
体が痺れてるだろうに、よくやるなあ。
「我々は国境警備員だ! 密入国者の摘発を仕事にしている!」
「……」
「……」
私はコリュウと目を合わせた。
……えーと。
どうしよう?
関所の収入は国としても大事な収入源だから、密入国は当然犯罪だ。
相手は真面目にお仕事に励んでいるお役人さん。
で、私たちは密入国の現行犯。
どっちが悪いかっていったら、そりゃあ……ねえ。
――どうしましょ?
私が悩んでいると、コリュウが口を出した。
「嘘だね」
「……な……っ」
「おじさんたち、肌白いよ。人族の肌じゃないか。一人二人じゃない。全員白いよ」
正確に言うと褐色の肌だけど、魔族から見れば一緒くたに「白い」と言われる。
私みたいな青黒い魔族の肌に比べれば、差は歴然だ。
「――この国は魔族の国。魔族が圧倒的に多いのに……なんでひとりもいないのかな? おかしいよ」
コリュウの言葉に、私も彼らをまじまじと見た。
五人もいるのに、一人も私と同じ青黒い肌の人がいない……。
「山賊? 盗賊? それともユーリッドを狙ってやってきた? 正直に答えたほうがいいよ。ボクの牙……人間の胴体ぐらい簡単に千切れるからね」
コリュウはその大きな口を開けた。
乳白色の大きな牙が順序良く整列している。対比して真っ赤な口の中がいかにも怖い。牙の先端は鋭利に尖り、よく切れそうだ。実際とってもよく切れる。人形のファーナは力が弱いから、固い食材の殻を砕く時にコリュウに噛んでもらってたっけ。
ともあれそんな物騒なドラゴンの脅しに、曲者たちはあっさり吐いた。
「お、俺たちはその女の子を攫ってこいと依頼されただけだ!」
「……私なんかを攫ってどうするのよ?」
首をひねる私と、正反対に「あーあ」と頷くコリュウ。
「勇者の娘であるその子がいれば勇者の残した利権の後継者となれる、そう主張できる。だから……っ」
ぶち。
瞬間的に私は沸騰した。彼らは私の逆鱗に触れたのだ。
「私は勇者の娘じゃないっていってんでしょうが――っ!」
今から十年ほど前、若くして亡くなった大地の勇者さま。
何でも彼女が産み落とした子どもとわたしの性別と年齢が同じだそうで、しかも父親が勇者さまの仲間ときてる。
誤解されるのも無理はないほど条件が揃っているのは認めるけど、でもそれで間違えられるこっちは大迷惑だ!
「私のお父さんはダルク! 魔王と勇者さまの間に生まれた奇跡の御子なんかじゃないの!」
その昔、勇者さまと魔族の国の王様が恋に落ち、そして一人の子どもを残して勇者さまは亡くなられた。その後、その御子も幼くして亡くなった。
でも――その赤ん坊は秘密裏に勇者さまの仲間のお父さんに託されてサンローランに運ばれ、育ったっていうまことしやかな噂があるんだこれが!
「勇者さまの御子は魔王城で亡くなったの! 赤ん坊が死ぬのなんて珍しい話じゃないでしょ! 庶民なんて二人に一人は死ぬんだから! 大体、魔王の子どもならお姫様でしょーがっ! 勇者さまが母親なら尚更、大事に大事にお姫様として育てられるわよっ!」
こんなガサツに育てられた私がお姫様? ちゃんちゃらおかしいわ!
庶民レベルのテーブルマナーはファーナに躾られたけど、王侯貴族のテーブルマナーなんて欠片も知らないわよっ! 詩歌音曲なんて論外!
お姫様ってドレス着て舞踏会でステップ踏んで優雅におほほと笑ってお茶してるもんでしょ? 私のどこがお姫様?
物心ついたころから魔法ではお父さんとマーラ、料理や掃除の家事全般と剣術をファーナに習った。
「どこの世の中に野生動物の猟から血抜き、解体、料理までできるお姫様がいるのよっ!」
曲者たちの間に、「言われてみれば……」という空気が漂う。
私の叫びに真実の響きが宿っているせいもあるだろう。
「食べられる野草や山菜の見分け方まで完璧よっ! 野外のサバイバル技術をフルコンしている私が勇者さまと魔王の一粒種のはずないでしょうが!」
そのとき、私は気がつかなかった。コリュウが思いっきり複雑そうな顔をして私を見ている事に。
男たちはコリュウの表情が視界に入っていたけれど、竜族の表情は見慣れた人間でないとわかりにくいのだ。
「私が勇者の娘だなんて下んない噂、間に受けるのはやめてよね! ホンット迷惑なんだから! 大体同じ年頃の半魔族の子どもなんていくらでもいるでしょうが! 勇者の娘だなんてどうやって証明するのよ!」
「……それは、その、嘘をついているかどうかを判定するスキルで……」
私は頭痛がして頭を押さえた。
「……じゃあ私を攫っても無駄じゃないの。私は勇者の子どもじゃないんだから。私を買収とかして嘘言わせたところで、嘘判定来るわよ」
真偽の判定は、本人がそれを信じているかによる。
そのとき、曲者のひとりが言った。
「……それは、ただ単に、君が真実を知らされていないだけじゃないのか?」
「どういうことよ?」
「これは知られていない話……と言っても公然の秘密というやつだが、大地の勇者は、暗殺されたんだ」
「……聞いたことがあるわ」
私もそれには同意した。
私が勇者の娘だ、なんて益体もない噂を私の耳に届ける人がいるように、その話も聞いたことがあった。
「そのとき、娘も殺されかけた。だから勇者の仲間が娘を守り、逃げ出した。その姫の名は……ユーリッド」
男は溜めの間をあけて、どうだって顔で言った。
けど。
「知ってるけどねー。……ユーリッドって名前の娘さん、魔族でどんだけいると思ってるの?」
ユーリッドって名前は、魔族では決して珍しくない。
十人いたらひとりぐらいはいるんじゃなかろうか。
右向いても左向いてもユーリッドさん、ってなぐらいはいる。
「確かに、珍しい名前じゃないけどな。『偶然』同い年で、『偶然』名前が同じで、『偶然』勇者の仲間に育てられた赤ん坊。そんな存在が早々いると思うか? 素直に、君が勇者の娘で、仲間に預けられたっていうほうがずっとしっくりくるじゃないか」
あーもう、うるさいなあ!
「そんな偶然、いくらでもあるわよ! お父さんが勇者さまにふられてショックのあまり言い寄る女性に手を出して孕ませた挙句に子どもを押しつけられたとか! ほらこれなら私とお姫さまの年齢が同じでも何の不思議もないでしょうが!」
勇者さまが結婚してすぐお父さんがふらふらとどこかの女性に迷って出来たらちょうどぐらいの年齢なのだ、私は。
さすがにお父さんには聞けないのでマーラに聞いた話になるけど、
「お父さんは勇者さまが好き」で
「でも勇者さまにふられ」て、
「お父さんに言い寄る女の人とデキて(同棲はしたけど正式な婚姻は結ばなかったらしい)」、
「お金を毟られた揚句、赤ん坊を押し付け……もとい託された」のがわたし、なんだそうだ。
男は、ふと、真顔になった。
「……君の家ではそういう説明をしていたのか?」
「ユーリッド姫は仲間みんなのアイドルだった。その姫様を殺されて、新しく手元に来た赤ん坊に同じ名前をつけた。そういうことでしょ!」
そう言い募ると、男はやっと口をつぐんだ。
「だいたいっ、私がお姫様だっていうのなら、どうして魔王さまは迎えに来ないのよ? そこがまずおかしいでしょ」
男の筋書きでは、暗殺の危機の中、勇者が娘を仲間に託し、落ちのびさせた、それが私、ということになる。
それならば、だ。
「その時はいいとしても、事態が落ち着いたら、お姫様だし自分の娘なんだから迎えにくるでしょう? それをしないのは私が娘じゃないから。ほら、すっきりするじゃない」
男もこの疑問には答えられないようで、それは……と言葉を濁している。
フン。
その根源的な疑問を解決してから来いってもんだ。
「コリュウ、行こ!」
縛られた男たちをよそに、野営道具を片付ける。魔道具だから収納も簡単コンパクトだ。
「この人たちどうするの?」
「ほっとくわよ。そのうち仲間がやってきて縄もとけるでしょ」
後腐れないよう殺す、という選択肢は、不殺のファーナの教えのせいで私にはできない。くそー。
町まで運んで警備隊に突き出すのも、運ぶのがメンドクサイ。
町まで離れているし、五人もいるし。
プイと踵を返すと、声が追ってきた。
「君は、そこの竜にでも、自分の素性を聞いた方が良い」
私は振り返り、思いっきりあっかんべーをしてやった。
男たちは十二歳の女の子にあかんべーをされ、呆気にとられた顔になる。
「私のお父さんは、お父さんだけだよ!」
そう、誰が何と言おうと、時々……ううんしょっちゅう鬱陶しい存在であろうと、私のお父さんはダルクひとりなのだ。
――が。
そんな私の健気な決心を粉々にしてくれたのが、それから僅か一時間後、コリュウが口にした言葉だった。
「あのね……ユーリッド。いままでナイショにしてきたんだけど――」
と、切り出された時に猛烈に嫌な予感がした。
でも、その時の私はコリュウの背に乗って、あの曲者たちを簀巻きにした場所から急いで離れていた最中だったので、止めるに止められなかった。
コリュウが口にしたのは、
「君のお母さんとお父さんは、勇者と魔王なんだよ」
そんな、知りたくもなかった出生の秘密だった。
◆ ◆ ◆
――どうせなら、一生墓まで持っていって欲しかった。
「君のお母さんは、大地の勇者で……父親は魔王で」
「クリスが、殺されて、ばたばたしている間に命の危険があって、逃げ出したんだ」
――どうして今更そんなことをいうの。
「えっと……黙っていたのは、ユーリッドの身の安全を考えたからで……。知らなければ漏らしようがないし、ユーリッドを狙う奴らはたくさんいたし。ダルクだって騙そうとしてたわけじゃなくて。ユーリッドの肌の色とか考えると、ダルクの娘だっていうことにするのが一番説得力あって」
――尚も続く言い訳を、私は一言で断ち切った。
「話は後で、お父さんから直接聞くわ」
――自分の父は、ダルクだけなのだから。
◆ 3 ◆
コリュウは世界最速の種族の名に恥じない速度で飛んでくれた。
私はヴェルトーラスの町に着くと、目を丸くする市民を無視してコリュウから飛び降りた。
ちょっと石畳がへこんだけど気にしない!
だってギルドの前にはコリュウが下りられるスペースがないんだもの。
冒険者ギルドに駆けこんで依頼を完了済みにすると、即座にコリュウに飛び乗った。
どうやって? ジャンプして。三階建ての建物と同じ高さぐらい、軽い軽い!
祖母の短剣も、ヴェルトーラスの武器組合も頭からすっとばし、滞在時間三分で私は飛び立った。
――そして。
サンローランの町から出発した翌日には、私は家に帰っていた。
目の前には引きつった顔の「お父さん」がいる。
「昨日の夜、コリュウから聞いた」
そう言ったときの表情で、ぜんぶわかった。
でも信じたくなくて、私はそれに目をつむった。
「嘘だよね? ちがうよね?」
「あ……う……」
「嘘だよね、ねえっ!」
コリュウが私を騙すはずがない。
わかっていても、それでも……私はお父さんの肩に手をかけて揺さぶった。
嘘だと言って欲しかった。ひとことでいいから。
「私はお父さんの娘でしょ!? 勇者さまに振られたお父さんが悪い女の人に引っ掛かった挙句に押しつけられた赤ん坊でしょ!?」
「――だれだそんなこと言ったのは!」
いきなりの怒声に私はきょとんとする。
さっきまでの勢いも引っ込んで、すなおに答えた。
「マーラ」
悪い女の人うんぬんは私の想像だけど。
押しつけられたうんぬんもそうだけど。
でも、普通赤ん坊って女性が産むから、女性の手元に残るよね? 女の人が捨てるか死ぬかしないかぎり。
だからやっぱりそういう事だと思ったんだけど……。
「あの野郎……っ!」
「それより答えてよ! そういうことじゃないの? 私は勇者さまの娘なの? ちがうよね?」
「……あー、それは……だな」
後ろめたさに、お父さんの目が一瞬泳ぐ。
そして告げられたのは。
「……すまん。お前も冒険者として独り立ちしたし、そろそろ真実を知ってもいい頃だろう。お前は……勇者クリスと魔王の娘だ」
という、答えだった。
「――」
「――」
「――」
「――」
しばらく、息もせずに私とお父さんは見つめあった。
その沈黙の数秒間は、数時間にも感じられるほど長かった。
やがて震える私の唇がひらき――
「――ちがうもんっ!」
「は?」
予想外の私の言葉に、ぽかんと、お父さんの口が間抜けに開いた。
「ちがうもんっ! 嘘だもんっ! わたしの、わたしのお父さんは、ダルクだけだもんっ!」
――本に出てくる母親探しの話じゃあるまいし、おばあちゃんの持っていた短剣の銘なんていう、普通に考えれば薄い薄い糸を辿ってヴェルトーラスの町まで行こうと思ったのは、お父さんのお父さんに会いたかったからだった。
おじいちゃんに会って、そして。
――私は、あなたの孫娘だと、言って欲しかったのだ。
「魔王の娘なんかじゃないもんっ!」
百歩譲って、勇者の娘であってもいい。父親がお父さんであるのなら。でも、それは町で聞く「高潔な勇者さま」の話からしてありえなさそうだったから、勇者の娘であることも否定してた。
「うそつき……うそつきっ! 私のお父さんは、ダルクだもんっ! 一度も会いに来たことのない魔王なんて知らないっ!」
感情のまま手を振り上げて頬を叩こうとして――ぎりぎりのところで安全弁が働いた。
魔術師であるお父さんを今の私が全力で叩いたら。
……結局、私は振り上げた手を下すしかなく。
行き場のない怒りはぶつけどころをなくして、頭の中はわけがわからないほどぐちゃぐちゃだった。
いつの間にか私は泣きじゃくっていて、何が悲しいのか何故悲しいのかどうして泣いているかもわからなくなっていた。
「お父さんの馬鹿あっ!」
結局私は、子どもみたいに泣き叫んで逃げ出すしかなかった。
◆ ◆ ◆
ダルクは物凄く複雑な顔で泣いて走り去った娘の後ろ姿を見送った。
喜んでいいのか、悲しめばいいのかわからん、というのはこういう心境なのではないだろうか。
父親は自分だけ、と言うほど慕われているのはすなおに嬉しいのだが、反抗期プラス嘘をついていた引け目が加わって、どうしていいのやらわからない。
「――何をやっているんですか、あなたは」
「……おまえな。あの子になに嘘八百吹き込んだんだ」
ダルクがぎろりと睨みつけたのは、緑髪に長耳が特徴的な、エルフである。
勇者の仲間のひとりにして、勇者亡きあとはパーティリーダーもやっていたマーラだ。口にお互い遠慮がないが、それは親しさからきている。長年一緒の家で暮らしたので、家族同然だ。
「なんでそこで突っ立ってるんです。あの子にとって、父親はあなただけなんでしょう? 十二歳で、お前は自分の娘じゃない、なんて言われて泣いている娘を追いかけないでどうします?」
――あ、そういうことか。
今頃わかって――ダルクは自分でも自分の鈍さに地面にのめりこみたくなった。
あれだけユーリッドが取り乱したのは、ダルクの娘ではないと言われたせいなのだ。
しかもユーリッドはいかに早熟でも十二歳。
おまけに周囲には愛情いっぱいで甘やかす人間ばかりだったので、精神的に強いかと言われると疑問が残る。
ダルクが冒険者になるのを反対したのはそれもあるのだ。
ここサンローランに住んでいる限り、何の心配もいらない。箱庭のなかで、平和に穏やかに暮らしていける。
でも、冒険者というのは、陰惨な現実を直視しなければならない職業だ。あの子にそれができるだろうか、と。
そう、例を上げて言えば、あの子の母親の大地の勇者は類い稀なる鈍感力の持ち主だった。
死体がごろごろ転がる目の前で鳥をさばいて鼻歌交じりで料理をし、ぺろりと食べて「食事は健康管理の基本」とのたまうことができたけれど、大事に育てられたあの子に同じ真似ができるか、ということだ。
「じ、自分の娘じゃないなんて俺は……っ」
「あなたが言ったのは、そういうことですよ」
ダルクは沈黙し――急いでユーリッドを追いかけ始めた。
エルフは苦笑して蝶の使い魔をその肩に宿らせてやる。
これで、足の速いユーリッドを見失うことはないだろう。
「まったく世話がやける……」
苦笑しつつも、その表情はあくまで柔らかかった。
◆ ◆ ◆
お父さんのもとを逃げ出した私は――結局、家の敷地の隅っこで膝を抱えた。
近所の人たちはみんな私と顔見知りだ。見守る視線でもあるけど、意識すると監視されているような気分になる。
こんな顔で外に出たら、一発で声をかけられる。
そして、私が何も言わなくても、いろいろ想像されてしまう……それが嫌だったのだ。
膝を抱えて丸くなる私に、柔らかい落ち着いた女性の声がかかった。
「ユーリッド」
「……ファーナ……」
そこにいたのはエルフ族の秘術で作り出された生き人形。
生きた人間のように動き、人格を持つメイド人形だった。ある意味、私の第二の母親ともいえる(第一の母親はもちろんおばあちゃんだ)。
「内緒にしていたこと、許して下さい」
「……ファーナも知ってたんだ……」
「はい。私は、勇者さまが身罷られた直後に作られましたから」
私は、その言葉の意味をとっくりと考えた。
そして言った。
「……も、何が悲しいのか、よくわかんないよ……。よくよく考えてみると、隠していたことも、無理ないかもって思えてきちゃって……」
みんな、私に隠してた。
でも、みんなが私を愛して、私の為を思ってしてくれたことなんだって、考えてみればわかるのだ。
サンローランの町から出るなり、曲者が私を襲った。
それって……つまり、そういうことだよね。
「勇者の娘」には、それだけの価値があるんだ。
知らなければ漏らしようがない。
知らなければ、本心から否定する。
そして、その否定は「嘘じゃない」から、説得力を持つ。
……そういうことだ。
そういうみんな側の事情に思いいたってしまったら……もうその事で責められなくなってしまった。
「――でも、じゃあ、ずっと騙されていた私の気持ちはどうなるの!?」
みんなして、私に嘘をついて、隠してた。
きっと、おばあちゃんだって知ってただろう。
みんなみんな、私のためであっても私を騙していたんだ!
「……はい。そうですね。私たちは、あなたを騙していました。それは事実です」
「ファーナ……」
人形なのに、どうして彼女はこんなに悲しそうな顔をするんだろう。
「ファーナ! ちがうの……そうじゃない! わたし……わたし、わたし、は……」
ファーナの手が、背を撫でる。
「ダルクは、あなたのことを、血が繋がってないから自分の娘じゃないとでも言いましたか?」
「……う、」
「駄目な父親でしたか?」
「そんなことない!」
「鬱陶しいぐらい、過保護で、いい父親でしたか?」
「……う、うん」
「そんなダルクとあなたは血の繋がりはありません。それは事実です。ですが――血が繋がっていなければ、父親とは認められませんか?」
「ち――ちがう! わ、わたしのお父さんはダルクだけだもんっ!」
「……じゃあ、十数えながら大きく息を吸って、十数えながら吐いてください。それを三回、繰り返して」
それは何度も繰り返した剣の鍛錬の前動作。
わからないまでも、条件反射でわたしはその通りにしてしまう。
――そして、それが終わった時には、大分心も落ち着いていた。
「……ごめんなさいファーナ。みんなは私の為にいろいろしてくれてたのに」
「いえ。いいんです。あなたが、一番傷ついたのは何ですか?」
ファーナにそう聞かれて、私は、やっと落ち着いて心を見れるようになった。
そして、気がついた。私が、ショックだったのは――。
「……お、お父さんが、ほんとのお父さんじゃなかったこと……。あんなにいろいろ良くしてくれたのに、わたし、我が儘言ってばかりで……う、うざいとか鬱陶しいとかそういう傷つける無神経な言葉とかたくさん使ってた……」
寄せられる愛情が鬱陶しくて。嬉しいけど鬱陶しくて。冒険者になると決めた時、心配してくれるのもメンドクサイと思ってた。
ギルドの登録を邪魔されたときとか、仕事がまわってこないように妨害されたりとか、そういうの全部いやで、お父さんに文句ばっかり言ってた。
「知らなかったから、いっぱい無神経なこと言っちゃった! お父さんはホントの子どもじゃない私を育ててくれたのに! 嫌われたらどうしよう……っ」
「馬鹿ですねえ」
つん、と額をつつかれた。
「あなたの過保護で鬱陶しい親馬鹿の父親は、そんなことであなたを嫌うような人なんですか?」
「そんなのわかんないよ!」
「じゃ、本人に聞いてみましょう」
ぎょっとして振り返れば、そこにはお父さんがいた。
どこか困ったような、微妙な顔をして、立っていた。
お父さんは、私と同じ、青黒い肌をしている。そのせいで、二人並んでいると、よく似ていると言われた。
異種族の人たちから見れば、肌の色が同じなだけで、見た目に共通感が出るらしい。
これが魔族の人が見ると「似ているところはない」になるんだから、人の感覚なんて種々様々なものだ。
外見もハンサムで、中身だって勇者の仲間で凄腕の魔術師という非の打ちどころのないお父さんは、私の自慢だった。
お父さんは黒い瞳で私をまっすぐ見下ろすと、真摯な口調で言った。
「……黙っていて、悪かった。でも、お前は、俺のたった一人の娘だと思っているし、今もそうだ。至らないところもたくさんあったと思うが俺はお前の父親だと……思っていて、いいか?」
じわりと視界が滲んだ。
「わ……わたしも……甘え通しの至らない娘で……ごめんなさい」
頭を下げると、ぽんと、手が置かれた。
いつもどおりの、温かくて大きいお父さんの手だった。
◆ ◆ ◆
仲直りする親子を、離れたところから三対の目が見守っていた。
一人はコリュウ、一人はマーラだ。そして最後の一人は一見何の変哲もない人族の男である。
「……だそうですよ?」
皮肉たっぷりに言うのは、緑髪のエルフで、言われたのは人族の男だ。
ユーリッドが見ればこういうだろう――「お父さんが雇った家庭教師」と。
さすがに素顔をさらして大都市であるサンローランを歩くのははばかられるため、外見を魔法で偽っている。その正体は、ユーリッドの実の父親だった。
この世界に十二人しかいない、魔族の王。
彼のたった一人の娘は、実の父よりも育ての父を選び、彼だけが父親だと言っている。
虚しい気持ちがあるのは否定しないが――
「ふん」
エルフの嫌味に、彼はそう返しただけにとどまった。
今はまだ養父との仲に遠慮のある娘――ユーリッドも、そう遠からず悟るだろう。
人は、どう生まれたかではなく、どう生きるかなのだから。
――ちなみに、成長したユーリッドがこの日の記憶を思い出すたびのたうちまわることになるのは、ここだけの話である。
素面(しらふ)ではとても言えない台詞のオンパレードであった。
「お、ユーリッドちゃん! 可愛いね、これからお出かけかい?」
近所のおじさん(獣人族)の声かけに、私はくるりと回って見せた。
お父さんからもらった外套(いろんな魔法付与つき。私の身長にあわせて調整済み)が弧を描く。
背中には背嚢。これも、いざとなったら盾として使えるように頑丈な魔物の革で出来ているし、魔法付与もかかっている。更に更に私の装備は一式全部、過保護な父が用意した魔法付与付きの最高級品なのだ。
お父さんのお古だけど、やっぱりお父さんてすごい冒険者だったんだなあ。こんなのを持てるなんて。
「うん! これから出発するの! まずは手紙の配達よ! 初仕事なんだから!」
「そうかそうか! これでユーリッドちゃんも一人前だな」
陽気に笑って頷くおじさん。
でも私は見逃さなかった――おじさんの目が、一瞬後ろに流れたことを。
一瞬後には何事もなかったように私を見ていたけど。
……その顔がどこか笑いをこらえているように見えるのは……私の気のせいだったらいいなあ。
「いいかい、気をつけるんだよ。この町から外は、色んな危険がいっぱいなんだからね!」
色んな人に口を酸っぱくして言われた言葉。
ここ、私が住んでいる町、サンローランは大陸でも有数の大都市にして、「平和の街」として知られている。
なんでも、私が住んでいた家に以前住んでいた勇者さまが、各種族の平和と協調を願って作った町なんだとか。
だからか、この町は色んな種族がごちゃまぜで仲良くやっていて、力を合わせて得意分野で頑張ってきた。私が物心ついた頃から今まで戦争の気配ひとつ聞いたことがない平和で豊かな町だった。
外では激しいって聞く人族による異種族差別もなにそれ? って感じ。
言葉としては聞いたことがあるけど、一度もあったことないから、よくわからないんだよねー。
私自身、人族と魔族の混血の半魔族だし。正確には四分の一魔族だけど、さすがに四分の一魔族、なんて言葉はない。
人族と魔族の混血はみんな一緒くたに「半魔族」って呼ばれてる。
え? どうして半人族って言わないのかって?
……私にもよくわかんない。昔からそう言われているからみんなそう言う。言葉ってそういうものじゃない? 何となくみんな昔からそう言っているからそう使っているよね。
でも、私が思うに、半人族、っていうと、色んな混血がいるから、じゃないかな。
人族の特徴のひとつに、色んな種族との混血が可能、っていうのがある。種族はたくさんあるから、できない種族の方がずっと多いけどね。
たとえば魔族と獣人族では混血できない。
でも、魔族と人族だったら混血できちゃうんだ。私みたいに。
そして、精霊族とも人族は混血できる。獣人族とも、一部の特別な種族とならできるみたい。
だから、半人族っていうと、どことの混血なのかわからない。
だから、混血した側で呼ぶんじゃないかな。
半魔族、半精霊族、半獣人族、ってね。
「わかってる。気をつけるね。それにコリュウもいるし」
私は自分の頭の上を指差す。
そこには、尾を含めれば体長が成人男性の二倍ほどもある緑色の飛竜がゆったりと浮かんでいる。
身体が建物の邪魔にならないよう私の頭のだいぶ上を飛んでいて、下から見上げると玄妙な色合いの緑色の鱗が光を弾いて、とっても綺麗。
私とは一緒に育って、血は繋がっていないけど、コリュウは私のことを「可愛い妹」って言ってくれる、頼りになるお兄ちゃんだ。
いざとなったらブレス攻撃一発で焼け野原を作れちゃったりする、ちょっと心配症で、兄馬鹿ぎみなお兄ちゃんでもある。
以前町に流れてる噂を信じて私に絡んできた奴にブレスを吐こうとした時は必死に止めた。
いくらなんでも殺すのはまずいってば!
「……コリュウも大きくなったなあ……」
なんだか感慨深げにおじさんは呟く。
おじさんは私が生まれる前からサンローランに住んでいる。
つまり、私よりもコリュウの小さい頃については詳しい。
「でしょ? いざとなったらコリュウに乗って逃げるから、大丈夫」
竜族は希少だから、サンローランでもコリュウ以外は住んでいない。
……ときどき、コリュウを訪ねてくるときがあるけどね。
それは、コリュウがこの町を作った勇者さまの仲間だから、らしい。
……しかも、その勇者のパーティメンバーのひとりが私のお父さんなのだ。
そのせいで、私が住んでいる家=勇者さまが以前住んでいた家、だし、コリュウをはじめとする勇者さまの仲間全員が同居人で家族で……うううっ。
「ユーリッドも、大きくなったなあ。初めて見たときにはこーんなちっちゃな赤ん坊だったのに」
「もう! おじさんたらやめてよ!」
ホントーにその目やめて!
この町を作った勇者さまは尊敬しているけど、おかげで私は凄い迷惑!
だって、勇者さまの子どもだって影で言われてるんだよ、わたし!
そんなことあるはずないのに!
そりゃあお父さんは勇者さまのパーティメンバーだけど、お母さんは別の人だ。
だって勇者さまは結婚してたもの。お父さんじゃない人と。
お父さんが父親だということは勇者さまがお父さんと…ふ、不義をしていたってことだ。
勇者さまがまさかそんなことあるはずない。だから私が勇者さまの子どもだなんてこともあるはずない。
……ないんだけど……、やめてほしい、その目。
懐かしむみたいな、私の中に若くして亡くなった勇者さまの面影を探すような目。
――私は勇者さまの子どもじゃないんだってば!
そう叫びたくなるのをぐっとこらえる。
いくら言ったって聞いてもらえないのは経験上わかってる。
ここはスルーだスルー。
「じゃ、行ってくるね!」
私は手を振って出発した。
……そして町の門を出てしばらく歩き、人気がなくなると同時に足を止めた。
くるりと振り返る。視界に映るのはよく均(なら)され舗装された道とのどかな自然だけ……に見える。
「――お父さん」
ぎくっ。
そんな音が聞こえた気がした。
しばらく待っても出てこないのでもう一度呼ぶ。
ふふん。そこにいるのは判っているのだ。その程度の隠蔽魔法じゃ、私の感覚は誤魔化せない。
「お、と、う、さ、ん! 出てきて! そこにいるのはわかってるんだから!」
何もないように見えていた空間の一部がぼやけ、私と同じ、青黒い肌の魔族の男が姿を現す。三十代ぐらいの、ハンサムな人だ。
……まったく、もう。
あの獣人族のおじさんが笑いをこらえていたのは、十中八九この人に気づいたからに違いない。獣人族は匂いに敏感だから。
その人はあたふたしながら言い訳を口にし出した。
「ユ、ユーリッド。こ、これはだな。理由があるんだ」
「たかだか町に手紙を届けるだけでしょうが! ついてくる父親がどこにいるのよ!」
「そ、それはそうだが! でもな、良く考えてみなさい。お前は初仕事だし、まだ十二歳で、女の子で、しかも可愛いんだ。いくらコリュウがついていたって色々と危険なことがいろいろあるに違いないんだ、だからな、しばらく冒険者の仕事に慣れるまでは俺と一緒に……」
「却下――っ!」
最後まで言わせず、私は叫んだ。
「却下却下却下――っ! いったい! どこの世の中に! 娘の冒険にこっそりついてくる父親がいるのよ!」
「コ、コリュウはついてきてるじゃないか!」
「コリュウはお兄ちゃんだもん! 魔法まで使って姿を隠してこっそりついてくるお父さんとは違うわよ!」
そう、この情けない魔族が私の父親だ。
お父さんは勇者のパーティメンバーだけあって、魔法がとても達者だ。一見魔族に見えるけれど、実は半魔族。だからその子どもの私も自動的に半魔族ということだ。
お父さんはぎっと上空のコリュウを睨んだ。
「ずるいぞ、お前ばっかり!」
「お父さんいくつよ!」
思わず瞬速でつっこんだ。
上空のコリュウが「ふふん」、という顔をしたのは……見なかったことにしよう。
「魔物討伐とかならともかく! 一体どこの世の中にたかが手紙配達に付き添う父親がいるのよ! 恥ずかしいの! お願いだからやめて!」
冒険者ギルドの登録は十二歳から。
その時もこの父は大変だったのだ。
この冒険者ギルドって言うのは、要するに「労働者派遣組合(荒事含む)」だ。
だからちょっと大きな町には必ず一つはあるし、大きな町になると三つ四つ……なんてことも普通にある。
大陸有数の大都市であるサンローランにももちろんあって、十二歳になるなり私はそこに登録した。
……もう想像がおつきだろうと思うけど、この父は大反対だった。
なんせ、お父さんはこの町を作った勇者さまのパーティ仲間。
コリュウもそうだし、家で一緒に暮らしているエルフのマーラもそう。
当然、我が家はお金持ちだ。財産なんて一生遊んで暮らせるぐらいある。
もし万が一お金が足りなくなっても、魔法の達人であるお父さんやマーラ、竜族のコリュウならちょちょいのちょいでお金を稼げる。
だからお父さんは私が冒険者なんて荒事も扱う仕事をやるのには猛反対だった。
「金ならいくらでもあるじゃないか! お前がわざわざ命の危険を冒して冒険者になる必要はない! たとえお前がどこかの王族に嫁ぐとしても持参金に不足はないぞ!」
……ねえ皆さん。
この台詞を聞いて、どう思います?
私は、いらっときましたよ。ええ。
「お父さんは黙ってて! 私の将来は私が決めるの! 私は冒険がしたいのよ!」
それから父の猛反対をマーラとコリュウの協力でかいくぐり、ラグーザ冒険者組合に登録し、今日の初仕事までの日々の長かったこと……!
なんせラグーザ冒険者ギルドは勇者さまが所属していた老舗ギルド。
勇者さまの元所属先なのだ、そのネームバリューと信頼度は圧倒的で、サンローランには他の冒険者ギルドがないぐらい。
ラグーザ冒険者ギルドに駆逐されちゃったんだね……。
で、その勇者さまの仲間が、このメンドクサイ父なのだ。当然、昔のよしみでギルドに顔がきく。
――何が起こったか、お判りだと思う。
……ほんと、こっちの味方にコリュウとマーラがいてよかった。
二人ともお父さんと同じく勇者さまのパーティメンバー。
二対一。
登録させまいというお父さんの妨害も、仕事を回すまいという嫌がらせ(以外の何物でもないよ!)も、コリュウとマーラが押しとどめてくれた。
そうしてやっと獲得した初仕事。
これ以上父に邪魔させてなるものかっ!
私は、じとっとした目で言った。
「……お父さん。もしもう一回黙ってこっそりついてきたら……嫌いになるからね」
――私の完全勝利だった。
◆ 2 ◆
るんたった、るんたった。
鬱陶しい父を何とか振り払い、私は軽い歩調で道を歩いていた。
そんな私の上空を飛ぶコリュウが話しかける。
大きな体のコリュウは、私の真上なんて飛べない。
かなり上空をゆったり飛んでいる。
距離があるのに声が届くのは、風の精霊にコリュウが愛されているからだ。鳥や竜、空を飛ぶものはみんなそうだけど。
「ユーリッド~。空飛ばないの~?」
「空を飛んだらあっという間じゃない」
サンローランは大都市だ。大抵の物はあるから、サンローランの外へ出るのはこれが初めてだった。
「初めてサンローランの外へ出たんだもん、空を飛ぶのは満喫してからね!」
うちには本棚があって、そこには冒険物語もたくさんあった。(小さい頃は知らなかったけど、家に本棚があるってすごく珍しいことだ。勇者さまの仲間だから、高い本も買えるんだろうな)。
やっぱね、お約束ってあるじゃない。
道を歩いていて出くわす山賊! 人攫いをくわだてる奴隷売買組織! 魔物!
それを華麗にぶっとばす、わ、た、し。
ふっふっふっふふふふふふ……。
こう見えてもお父さんの秘蔵っ子である私は、かなり強いのだ。
お父さんの反対を、ねじ伏せられるぐらいには。
物心ついた頃からお父さんやマーラに魔法を習い、家にいるやたら強いメイド人形さんに家事全般とともに剣術を仕込まれ、時々来るやたら強い人族のおじさん(私のためにお父さんが雇ってくれた教師)に剣術と魔法のコンビネーションについて鍛えられた。
私は半魔族だけど、お父さんと一緒で外見は魔族そっくりだ。
青黒い魔族の肌。
直毛で、腰までまっすぐのびた黒い髪。
目だけが人族の血が出たのか青い。
まだ十二歳だからお肌もぴかぴか。……ま、元々魔族の青黒い肌は日光に強いから、しみもそばかすもないのが普通だけどね。
顔は……顔は……うん、たぶん美少女に入るんじゃないかな? たぶん。
自分の顔が全体から見てどの程度なのか、っていうことについて、私は極めて判りにくい立場にいる。
だって――種族が違うと美的感覚もちがうんだもんっ!
人族では「色の白いは七難かくす」って言葉があるらしいけど、私の肌は魔族の青黒い肌。
……も、ここのところで基準が違うのがわかるよね。
お父さんやコリュウやマーラは可愛いって言うけど、私だってそれを鵜呑みにするほど馬鹿じゃない。
近所の人も右に同じ。
かといって、鏡を見て自分で判断しようにも……わかんないんだもんっ!
少なくとも、お化けみたいな顔ではないと信じたい。
話を戻すと。
そんないたいけな美少女(たぶん)が道をてくてく歩いていたら、そりゃー盗賊とかが襲うでしょ。襲うよね。コリュウは上空にいるから、空を見上げないと気づかないし。
そして私にブチのめされる、と。
くぅ~っ、いいよねいいよね。ヒロイックサーガのお約束だよね。
そのためにも、私は今はてくてくと道を歩くのだ。
鍛えてるからこれぐらいへっちゃらだしね!
周囲に溢れる日差し? 平気平気。魔族の青黒い肌は日焼けにはメチャ強いのだ。
人族の女性の場合、「色白」が美人の条件だし、日焼けに弱い肌だからつらいよね。日焼けっていうのは軽い火傷なのだ。なめてはいけない。……まあ、魔族の青黒い肌で、日焼けとは無縁の私が言っていいかどうかはわからないけど。
この世界では女の子の一人歩きなんて、襲って下さいって言っているようなものだ。
しばらく歩いていれば定番の展開が……と、思っていたんだけど。
「――あれ?」
「あ、ユーリッド、次の町見えてきたよー」
「あ……うん」
……次の町、ついちゃった。何事もなく。
コリュウが上空から感心したように言った。
「早いねー。普通の人の足の二倍以上のペースだよ。疲れてない?」
「うん、ぜんぜん」
伊達にメイドさんに鍛えられてない。……ほんと、あのメイド人形さんてばスパルタだった……。思い出して遠い目になってしまった私。
「じゃ、この町で宿をとる? それとも更に次の町まで行く?」
私はちょっと考えた。
――手元の手紙の届け先は、ヴェルトーラスの町。
実を言うと、結構……かなり遠い。
基本的に「届け物」依頼は、品を届けた時点で依頼がクリアになって報酬もでる。遠かったり、山脈が途中にあったりすると報酬も上がる。
信用もない新人冒険者に高価なものを預けるほどギルドも馬鹿じゃないから、私が預かっているのは封書一通だけだ。手触りからして、何か同封してあるわけでもない本当に手紙だけ。
このヴェルトーラスの町への手紙の送付依頼は、随分長い間掲示板に貼り出されていた。
理由は簡単――国境を越えなければならないし、遠い。なのに報酬はさほど高くないからだ。
下手すると、宿泊費だけでも足が出てしまう。
でも私は、その名前に惹かれて手に取った。
ヴェルトーラスの町。
それに聞き覚えがあったからだ。
――おばあちゃん。
二年前に寿命で天に召されてしまった、おばあちゃん。お父さんのお母さん。人族で、たったの四十八歳で死んでしまった……。
そのおばあちゃんの遺品を整理していたら、一本の短剣が出てきたのだ。
かなり精緻な細工が施されたその短剣は、鋼の質も良く、一級品だった。武器の目利きを叩きこまれた私の目は確かだ、間違いない。
でも――見るからに相当高価なそんなものをどうしておばあちゃんが持っていたのか?
短剣をくまなく点検し、柄と刀身をバラして根本にある銘にはこうあった。
――ヴェルトーラス武器組合。
ヴェルトーラスに住む鍛冶屋がこの短剣を打った。
そして、見るからに高級品の短剣が、どういった経緯か、おばあちゃんの手に渡った。おばあちゃんはそれを大事に持っていた。
……うん、ピーンとくるシチュエーションだよね。
刃の質から見て量産品ではなく一点物だし、これだけ細かい細工だ。鍛冶師が生きていれば、憶えている確率が高い。
それが何、って言われるだろうってわかってる。
でも、私は知りたい。
おばあちゃんはきっと、若い頃この町にいた。なら、この短剣は、恋人だった人からのものではあるまいか?
おばあちゃんのルーツをたどれば、お父さんのお父さんが判ると思うのだ。
知ってどうする、っていう人も多いだろう。お父さんなんかは絶対聞いたらそう言うはずだ(だから言ってない)。
でも私は会いたい。おじいちゃんかもしれない人に。
――そして、言ってほしい言葉があるのだ。
◆ ◆ ◆
サンローランから出発したその日の夕方、私は二つ目の町へとついていた。
これまでのところ、不穏な気配は皆無だ。
私は道を歩きながらブツブツとぼやく。
「……治安がいいのはとてもいいことだけどっ! どうして何もないのよっ」
「……ムチャ言わないように」
矛盾したことを呟いていると、上空からコリュウの突っ込みが入った。疲れたような声だったのは――、聞かなかったことにしよう。
「ユーリッド、町に入らないの?」
私が町に入らず迂回する道を選んだのを見て、コリュウが声をかける。
「だって入街税もったいないもの」
「宿取らないの?」
「お金勿体無いもの」
「……たくさん持ってなかった?」
「あれはいざって言う時のためのお金。私は冒険者なんだから、依頼の報酬だけで収支を黒にしなきゃいけないんだよ?」
そう、ウチは何度も言うけど裕福だ。
お父さんなんかは私のために最高級の装備を用意してくれた。
――なんでも、お父さんが昔現役時代に使っていた装備で、それを私の身長に合わせて仕立てなおしたそうだ。
その他にも、支度金としてたくさんお金をもらった。
……でもね、お父さん! 支度金として一生暮らせるお金を新米冒険者に渡す親がどこにいるのよっ!
あ、ここにいたか。
それに……私はお父さんに大見栄切って反対を押し切って冒険者になったのだ。
それなのにお父さんのお金に頼って生活するなんて筋が違う。
私はあくまで、冒険者として得た収入の中で、やりくりして生活すると決めたのだ。
となると問題になるのは手紙の配達料だ。
前述のとおり、あまり多額の報酬じゃない。贅沢してちんたら旅をしていたら、宿泊費だけで足がでる。
ここはやっぱり、野営をすべきでしょう!
「……ユーリッド、それならそれで、空を飛んだほうがいいと思うんだけど……」
「そうだけど……夢とロマンが! 山賊に襲われて困っている人を颯爽と助けて『ふっ、お礼には及びませんよ』とか言ってみたいの~。明日はちゃんと空飛ぶから!」
「……マーラ。恨むよ。どうしてこの子の情操教育に『英雄物語』の絵本なんて使ったんだ……」
コリュウの嘆きをよそに、私は元気に足をすすめた。
やっぱり私は半魔族だけあって、十二歳の子どもであっても基礎能力は大人の人族を遥かにしのぐ。……スパルタで鍛えられたしね。
この世界の旅人の足は健脚だけど、私の足はそれをラクラク上回り、その日の夜には三つ目の町についていた。ちなみに、普通の旅人なら一日で一つ目の町につくぐらいだ。
「……で、やっぱり町に入らない?」
「うん」
「……もう外暗いけど?」
「夜目がきくから大丈夫!」
半魔族である私は、魔族の種族特性として夜目がきく。
さすがに完全なる闇を透かし見ることはできないけれど、星と月さえ出ていれば、フツーに見えるのだ。
「……夜なのにまだ歩くの?」
「夜のうちに国境超えたいの。もうそろそろだと思うんだよねー。夜のうちに入っちゃった方が楽じゃない」
「――密入国かいっ!」
「うん!」
「そこ! イイ笑顔で頷かない! 普通に手続きとればいいだろ! ちゃんと正規の身分証があるんだから!」
「時間とお金がかかるじゃない!」
ただでさえぎりぎりの採算なのに、関所で正直にお金を払うなんてもってのほか!
コリュウは――がっくり首を折った。
どこの国も国境には関所を設けていて、そこではお金を取る。
入街税みたいなもので、入国するのにもお金がかかるのだ。
「……おかしいなあ、お金には不自由させた憶えがないのに、どうしてこんな締まり屋になっちゃったんだろう……」
「あれ? 冒険者が関所以外の国境を柵越えして越えるのなんて当たり前って聞いたけど?」
「……誰に?」
「メイドさん」
「ファーナああああっ!」
コリュウの悲痛な絶叫が響いた。
◆ ◆ ◆
関所は街道沿いに作られている。
広い国境線全部を見張ることなんて事実上不可能だ。そのため、関所が設けられていない場所を通って入国料をごまかそうという冒険者や商人は数多い。
空を飛べる私やコリュウはもっと簡単だ。
夜、関所の上空を飛び越えればいいのだから。
悠々と密入国を果たした私たちは、関所から大分離れた場所で降り、野営した。
過保護な父親が用意した魔道具で、天幕を張るのも結界を張るのもお手のもの。
あっという間に支度は出来て、私はくーすかと眠りについた。
◆ ◆ ◆
家にいたメイド人形は、おかしな人形だった。
私の剣の師は、その人形になる。
なんでもエルフのマーラがエルフ族の秘術で作成した人形ということで、喜怒哀楽があり、受け答えも臨機応変で人間そっくりという、見た目を覗けば人間そのものの人形だったのだ。
外では普通の人形のふりしてたし、私も厳重に口止めされていたけどね。
子どもの頃は本当に人間だと思っていたくらいだ。
……人間にしては、体温がなかったけどね……。
彼女の名前はファーナ。
私に剣を教えるにあたり、ファーナが最初に厳しく言い渡したことがある。
「これからあなたに剣術を教えるわけですが、最初に、言っておくことがあります。人を殺してはいけません」
「おいおい……」
それを聞いていたお父さんが呆れたように制止の言葉をつぶやいたけど、ファーナは無視した。
「いいですか、人を、殺してはいけません。決して、ひとりもです」
「……え? なんで?」
「人を殺せば、いつかあなたが殺されるからです。人を殺すというのは、いつか巡り巡って己に返ってきます。人を殺して生きてきた人間は、いつか殺されるのです」
「だ、だって、じゃあ、相手が私を殺そうとしたらどうするの? 殺されちゃうよ?」
ファーナは笑った。
「人を殺してはならない、それは、あなた自身も含みますよ、ユーリッド」
「ど、どういうこと……?」
私は訳が分からず問い返したし、お父さんも顔を厳しくして言った。
「それは、綺麗事だ」
「あなたは、あなた自身をも殺してはなりません。誰も殺さず、あなた自身の身も守る……それを出来るだけの力を、これからあなたに与えます。いいですか、人を殺してはなりません。そして、殺されてもなりません。人を殺してはならないのは、いつかその恨みがあなた自身に巡り巡ってやってくる為。そして、あなた自身を守るのは、あなたとあなたを愛する私たちの為です。人を殺さず、殺されず、相手に勝つ……それが出来るだけの力をあなたに授けます。だからあなたは、誰も殺さないでください。
……人を殺せば、いつかそれは己に還ってくるのですから」
繰り返し、ファーナは私に言い聞かせた。
人を殺してはならない。人を殺せば、どんな悪人であろうとその家族が私を恨む。そして恨みは巡り巡って私を殺す。だからこそ、人を殺してはならないと。
……正直言って、よくわからない。
だって、人を殺したことのない良い人だって、殺されてるじゃない。
殺されるかどうかは、人を殺したことがあるかどうかなんて関係なくて、悪人に出会ったかどうかで決まるんじゃない?
そして、そんな悪人を殺して、何が悪いんだろう?
わからない。
でも、ファーナに繰り返し言い聞かせられたせいで、私は、すっかり人を殺すことが怖くなってしまった。
――人を殺した恨みは、巡り巡って本人に戻ってくる。
そんな言葉を物心ついたばかりの子どもに口酸っぱく言い聞かせるファーナもファーナだと思うんだけど……、幼い頃から聞かされた言葉は、暗示のように私に染みついてしまった……。
――人を殺してはなりません。ですが、あなたも殺されてはなりません。それが出来るだけの力を、あなたに与えます。
――天幕の中で、私はむっくりと体を起こした。
辺りは真っ暗だ。天幕の中だから光がない。完全な闇ではさすがに夜目も働かない。
手探りで天幕の外に出ると、くっきりと見えた。
「あはっ!」
思わず笑ってしまう。
待ち望んでいたものがそこにあった。
こーんな街道から離れた所に張ったテントに忍び寄る曲者たち。数は五人。
ファーナの教育が染みついてるから、殺さない。
でも、捕獲はしなきゃね。
「四乗鎖(フォースバインド)!」
夜の闇に包まれた周囲が一瞬だけ、ぴかっと昼間のように明るくなる。
そしてそれが消えた時には、曲者たちは全員捕縛されて地面に転がっていた。
「弱すぎるよ!」
思わず私は突っ込んだ。
魔法一発で終わり!?
ばちばちした魔法戦や剣戟を期待していた私の立場は!?
「あんたら山賊なんだからもうちょっと、こう……鍛えるべきでしょうがっ!」
善良な人から金品を強奪する仕事なんだから、最低限普通の人より強くなきゃ出来ない職業(?)だと思うんだけどなあ。
「いや、その人たちが弱いんじゃなくて、ユーリッドが強いんだと思うけど……」
と、言いながら天幕の外にいたコリュウがのっそりと現れた。
「ユーリッド、この人たち何?」
「今からそれを聞くんだよ! 山賊かな?」
そこで、ぐるぐる巻きにされた一人が叫んだ。
体が痺れてるだろうに、よくやるなあ。
「我々は国境警備員だ! 密入国者の摘発を仕事にしている!」
「……」
「……」
私はコリュウと目を合わせた。
……えーと。
どうしよう?
関所の収入は国としても大事な収入源だから、密入国は当然犯罪だ。
相手は真面目にお仕事に励んでいるお役人さん。
で、私たちは密入国の現行犯。
どっちが悪いかっていったら、そりゃあ……ねえ。
――どうしましょ?
私が悩んでいると、コリュウが口を出した。
「嘘だね」
「……な……っ」
「おじさんたち、肌白いよ。人族の肌じゃないか。一人二人じゃない。全員白いよ」
正確に言うと褐色の肌だけど、魔族から見れば一緒くたに「白い」と言われる。
私みたいな青黒い魔族の肌に比べれば、差は歴然だ。
「――この国は魔族の国。魔族が圧倒的に多いのに……なんでひとりもいないのかな? おかしいよ」
コリュウの言葉に、私も彼らをまじまじと見た。
五人もいるのに、一人も私と同じ青黒い肌の人がいない……。
「山賊? 盗賊? それともユーリッドを狙ってやってきた? 正直に答えたほうがいいよ。ボクの牙……人間の胴体ぐらい簡単に千切れるからね」
コリュウはその大きな口を開けた。
乳白色の大きな牙が順序良く整列している。対比して真っ赤な口の中がいかにも怖い。牙の先端は鋭利に尖り、よく切れそうだ。実際とってもよく切れる。人形のファーナは力が弱いから、固い食材の殻を砕く時にコリュウに噛んでもらってたっけ。
ともあれそんな物騒なドラゴンの脅しに、曲者たちはあっさり吐いた。
「お、俺たちはその女の子を攫ってこいと依頼されただけだ!」
「……私なんかを攫ってどうするのよ?」
首をひねる私と、正反対に「あーあ」と頷くコリュウ。
「勇者の娘であるその子がいれば勇者の残した利権の後継者となれる、そう主張できる。だから……っ」
ぶち。
瞬間的に私は沸騰した。彼らは私の逆鱗に触れたのだ。
「私は勇者の娘じゃないっていってんでしょうが――っ!」
今から十年ほど前、若くして亡くなった大地の勇者さま。
何でも彼女が産み落とした子どもとわたしの性別と年齢が同じだそうで、しかも父親が勇者さまの仲間ときてる。
誤解されるのも無理はないほど条件が揃っているのは認めるけど、でもそれで間違えられるこっちは大迷惑だ!
「私のお父さんはダルク! 魔王と勇者さまの間に生まれた奇跡の御子なんかじゃないの!」
その昔、勇者さまと魔族の国の王様が恋に落ち、そして一人の子どもを残して勇者さまは亡くなられた。その後、その御子も幼くして亡くなった。
でも――その赤ん坊は秘密裏に勇者さまの仲間のお父さんに託されてサンローランに運ばれ、育ったっていうまことしやかな噂があるんだこれが!
「勇者さまの御子は魔王城で亡くなったの! 赤ん坊が死ぬのなんて珍しい話じゃないでしょ! 庶民なんて二人に一人は死ぬんだから! 大体、魔王の子どもならお姫様でしょーがっ! 勇者さまが母親なら尚更、大事に大事にお姫様として育てられるわよっ!」
こんなガサツに育てられた私がお姫様? ちゃんちゃらおかしいわ!
庶民レベルのテーブルマナーはファーナに躾られたけど、王侯貴族のテーブルマナーなんて欠片も知らないわよっ! 詩歌音曲なんて論外!
お姫様ってドレス着て舞踏会でステップ踏んで優雅におほほと笑ってお茶してるもんでしょ? 私のどこがお姫様?
物心ついたころから魔法ではお父さんとマーラ、料理や掃除の家事全般と剣術をファーナに習った。
「どこの世の中に野生動物の猟から血抜き、解体、料理までできるお姫様がいるのよっ!」
曲者たちの間に、「言われてみれば……」という空気が漂う。
私の叫びに真実の響きが宿っているせいもあるだろう。
「食べられる野草や山菜の見分け方まで完璧よっ! 野外のサバイバル技術をフルコンしている私が勇者さまと魔王の一粒種のはずないでしょうが!」
そのとき、私は気がつかなかった。コリュウが思いっきり複雑そうな顔をして私を見ている事に。
男たちはコリュウの表情が視界に入っていたけれど、竜族の表情は見慣れた人間でないとわかりにくいのだ。
「私が勇者の娘だなんて下んない噂、間に受けるのはやめてよね! ホンット迷惑なんだから! 大体同じ年頃の半魔族の子どもなんていくらでもいるでしょうが! 勇者の娘だなんてどうやって証明するのよ!」
「……それは、その、嘘をついているかどうかを判定するスキルで……」
私は頭痛がして頭を押さえた。
「……じゃあ私を攫っても無駄じゃないの。私は勇者の子どもじゃないんだから。私を買収とかして嘘言わせたところで、嘘判定来るわよ」
真偽の判定は、本人がそれを信じているかによる。
そのとき、曲者のひとりが言った。
「……それは、ただ単に、君が真実を知らされていないだけじゃないのか?」
「どういうことよ?」
「これは知られていない話……と言っても公然の秘密というやつだが、大地の勇者は、暗殺されたんだ」
「……聞いたことがあるわ」
私もそれには同意した。
私が勇者の娘だ、なんて益体もない噂を私の耳に届ける人がいるように、その話も聞いたことがあった。
「そのとき、娘も殺されかけた。だから勇者の仲間が娘を守り、逃げ出した。その姫の名は……ユーリッド」
男は溜めの間をあけて、どうだって顔で言った。
けど。
「知ってるけどねー。……ユーリッドって名前の娘さん、魔族でどんだけいると思ってるの?」
ユーリッドって名前は、魔族では決して珍しくない。
十人いたらひとりぐらいはいるんじゃなかろうか。
右向いても左向いてもユーリッドさん、ってなぐらいはいる。
「確かに、珍しい名前じゃないけどな。『偶然』同い年で、『偶然』名前が同じで、『偶然』勇者の仲間に育てられた赤ん坊。そんな存在が早々いると思うか? 素直に、君が勇者の娘で、仲間に預けられたっていうほうがずっとしっくりくるじゃないか」
あーもう、うるさいなあ!
「そんな偶然、いくらでもあるわよ! お父さんが勇者さまにふられてショックのあまり言い寄る女性に手を出して孕ませた挙句に子どもを押しつけられたとか! ほらこれなら私とお姫さまの年齢が同じでも何の不思議もないでしょうが!」
勇者さまが結婚してすぐお父さんがふらふらとどこかの女性に迷って出来たらちょうどぐらいの年齢なのだ、私は。
さすがにお父さんには聞けないのでマーラに聞いた話になるけど、
「お父さんは勇者さまが好き」で
「でも勇者さまにふられ」て、
「お父さんに言い寄る女の人とデキて(同棲はしたけど正式な婚姻は結ばなかったらしい)」、
「お金を毟られた揚句、赤ん坊を押し付け……もとい託された」のがわたし、なんだそうだ。
男は、ふと、真顔になった。
「……君の家ではそういう説明をしていたのか?」
「ユーリッド姫は仲間みんなのアイドルだった。その姫様を殺されて、新しく手元に来た赤ん坊に同じ名前をつけた。そういうことでしょ!」
そう言い募ると、男はやっと口をつぐんだ。
「だいたいっ、私がお姫様だっていうのなら、どうして魔王さまは迎えに来ないのよ? そこがまずおかしいでしょ」
男の筋書きでは、暗殺の危機の中、勇者が娘を仲間に託し、落ちのびさせた、それが私、ということになる。
それならば、だ。
「その時はいいとしても、事態が落ち着いたら、お姫様だし自分の娘なんだから迎えにくるでしょう? それをしないのは私が娘じゃないから。ほら、すっきりするじゃない」
男もこの疑問には答えられないようで、それは……と言葉を濁している。
フン。
その根源的な疑問を解決してから来いってもんだ。
「コリュウ、行こ!」
縛られた男たちをよそに、野営道具を片付ける。魔道具だから収納も簡単コンパクトだ。
「この人たちどうするの?」
「ほっとくわよ。そのうち仲間がやってきて縄もとけるでしょ」
後腐れないよう殺す、という選択肢は、不殺のファーナの教えのせいで私にはできない。くそー。
町まで運んで警備隊に突き出すのも、運ぶのがメンドクサイ。
町まで離れているし、五人もいるし。
プイと踵を返すと、声が追ってきた。
「君は、そこの竜にでも、自分の素性を聞いた方が良い」
私は振り返り、思いっきりあっかんべーをしてやった。
男たちは十二歳の女の子にあかんべーをされ、呆気にとられた顔になる。
「私のお父さんは、お父さんだけだよ!」
そう、誰が何と言おうと、時々……ううんしょっちゅう鬱陶しい存在であろうと、私のお父さんはダルクひとりなのだ。
――が。
そんな私の健気な決心を粉々にしてくれたのが、それから僅か一時間後、コリュウが口にした言葉だった。
「あのね……ユーリッド。いままでナイショにしてきたんだけど――」
と、切り出された時に猛烈に嫌な予感がした。
でも、その時の私はコリュウの背に乗って、あの曲者たちを簀巻きにした場所から急いで離れていた最中だったので、止めるに止められなかった。
コリュウが口にしたのは、
「君のお母さんとお父さんは、勇者と魔王なんだよ」
そんな、知りたくもなかった出生の秘密だった。
◆ ◆ ◆
――どうせなら、一生墓まで持っていって欲しかった。
「君のお母さんは、大地の勇者で……父親は魔王で」
「クリスが、殺されて、ばたばたしている間に命の危険があって、逃げ出したんだ」
――どうして今更そんなことをいうの。
「えっと……黙っていたのは、ユーリッドの身の安全を考えたからで……。知らなければ漏らしようがないし、ユーリッドを狙う奴らはたくさんいたし。ダルクだって騙そうとしてたわけじゃなくて。ユーリッドの肌の色とか考えると、ダルクの娘だっていうことにするのが一番説得力あって」
――尚も続く言い訳を、私は一言で断ち切った。
「話は後で、お父さんから直接聞くわ」
――自分の父は、ダルクだけなのだから。
◆ 3 ◆
コリュウは世界最速の種族の名に恥じない速度で飛んでくれた。
私はヴェルトーラスの町に着くと、目を丸くする市民を無視してコリュウから飛び降りた。
ちょっと石畳がへこんだけど気にしない!
だってギルドの前にはコリュウが下りられるスペースがないんだもの。
冒険者ギルドに駆けこんで依頼を完了済みにすると、即座にコリュウに飛び乗った。
どうやって? ジャンプして。三階建ての建物と同じ高さぐらい、軽い軽い!
祖母の短剣も、ヴェルトーラスの武器組合も頭からすっとばし、滞在時間三分で私は飛び立った。
――そして。
サンローランの町から出発した翌日には、私は家に帰っていた。
目の前には引きつった顔の「お父さん」がいる。
「昨日の夜、コリュウから聞いた」
そう言ったときの表情で、ぜんぶわかった。
でも信じたくなくて、私はそれに目をつむった。
「嘘だよね? ちがうよね?」
「あ……う……」
「嘘だよね、ねえっ!」
コリュウが私を騙すはずがない。
わかっていても、それでも……私はお父さんの肩に手をかけて揺さぶった。
嘘だと言って欲しかった。ひとことでいいから。
「私はお父さんの娘でしょ!? 勇者さまに振られたお父さんが悪い女の人に引っ掛かった挙句に押しつけられた赤ん坊でしょ!?」
「――だれだそんなこと言ったのは!」
いきなりの怒声に私はきょとんとする。
さっきまでの勢いも引っ込んで、すなおに答えた。
「マーラ」
悪い女の人うんぬんは私の想像だけど。
押しつけられたうんぬんもそうだけど。
でも、普通赤ん坊って女性が産むから、女性の手元に残るよね? 女の人が捨てるか死ぬかしないかぎり。
だからやっぱりそういう事だと思ったんだけど……。
「あの野郎……っ!」
「それより答えてよ! そういうことじゃないの? 私は勇者さまの娘なの? ちがうよね?」
「……あー、それは……だな」
後ろめたさに、お父さんの目が一瞬泳ぐ。
そして告げられたのは。
「……すまん。お前も冒険者として独り立ちしたし、そろそろ真実を知ってもいい頃だろう。お前は……勇者クリスと魔王の娘だ」
という、答えだった。
「――」
「――」
「――」
「――」
しばらく、息もせずに私とお父さんは見つめあった。
その沈黙の数秒間は、数時間にも感じられるほど長かった。
やがて震える私の唇がひらき――
「――ちがうもんっ!」
「は?」
予想外の私の言葉に、ぽかんと、お父さんの口が間抜けに開いた。
「ちがうもんっ! 嘘だもんっ! わたしの、わたしのお父さんは、ダルクだけだもんっ!」
――本に出てくる母親探しの話じゃあるまいし、おばあちゃんの持っていた短剣の銘なんていう、普通に考えれば薄い薄い糸を辿ってヴェルトーラスの町まで行こうと思ったのは、お父さんのお父さんに会いたかったからだった。
おじいちゃんに会って、そして。
――私は、あなたの孫娘だと、言って欲しかったのだ。
「魔王の娘なんかじゃないもんっ!」
百歩譲って、勇者の娘であってもいい。父親がお父さんであるのなら。でも、それは町で聞く「高潔な勇者さま」の話からしてありえなさそうだったから、勇者の娘であることも否定してた。
「うそつき……うそつきっ! 私のお父さんは、ダルクだもんっ! 一度も会いに来たことのない魔王なんて知らないっ!」
感情のまま手を振り上げて頬を叩こうとして――ぎりぎりのところで安全弁が働いた。
魔術師であるお父さんを今の私が全力で叩いたら。
……結局、私は振り上げた手を下すしかなく。
行き場のない怒りはぶつけどころをなくして、頭の中はわけがわからないほどぐちゃぐちゃだった。
いつの間にか私は泣きじゃくっていて、何が悲しいのか何故悲しいのかどうして泣いているかもわからなくなっていた。
「お父さんの馬鹿あっ!」
結局私は、子どもみたいに泣き叫んで逃げ出すしかなかった。
◆ ◆ ◆
ダルクは物凄く複雑な顔で泣いて走り去った娘の後ろ姿を見送った。
喜んでいいのか、悲しめばいいのかわからん、というのはこういう心境なのではないだろうか。
父親は自分だけ、と言うほど慕われているのはすなおに嬉しいのだが、反抗期プラス嘘をついていた引け目が加わって、どうしていいのやらわからない。
「――何をやっているんですか、あなたは」
「……おまえな。あの子になに嘘八百吹き込んだんだ」
ダルクがぎろりと睨みつけたのは、緑髪に長耳が特徴的な、エルフである。
勇者の仲間のひとりにして、勇者亡きあとはパーティリーダーもやっていたマーラだ。口にお互い遠慮がないが、それは親しさからきている。長年一緒の家で暮らしたので、家族同然だ。
「なんでそこで突っ立ってるんです。あの子にとって、父親はあなただけなんでしょう? 十二歳で、お前は自分の娘じゃない、なんて言われて泣いている娘を追いかけないでどうします?」
――あ、そういうことか。
今頃わかって――ダルクは自分でも自分の鈍さに地面にのめりこみたくなった。
あれだけユーリッドが取り乱したのは、ダルクの娘ではないと言われたせいなのだ。
しかもユーリッドはいかに早熟でも十二歳。
おまけに周囲には愛情いっぱいで甘やかす人間ばかりだったので、精神的に強いかと言われると疑問が残る。
ダルクが冒険者になるのを反対したのはそれもあるのだ。
ここサンローランに住んでいる限り、何の心配もいらない。箱庭のなかで、平和に穏やかに暮らしていける。
でも、冒険者というのは、陰惨な現実を直視しなければならない職業だ。あの子にそれができるだろうか、と。
そう、例を上げて言えば、あの子の母親の大地の勇者は類い稀なる鈍感力の持ち主だった。
死体がごろごろ転がる目の前で鳥をさばいて鼻歌交じりで料理をし、ぺろりと食べて「食事は健康管理の基本」とのたまうことができたけれど、大事に育てられたあの子に同じ真似ができるか、ということだ。
「じ、自分の娘じゃないなんて俺は……っ」
「あなたが言ったのは、そういうことですよ」
ダルクは沈黙し――急いでユーリッドを追いかけ始めた。
エルフは苦笑して蝶の使い魔をその肩に宿らせてやる。
これで、足の速いユーリッドを見失うことはないだろう。
「まったく世話がやける……」
苦笑しつつも、その表情はあくまで柔らかかった。
◆ ◆ ◆
お父さんのもとを逃げ出した私は――結局、家の敷地の隅っこで膝を抱えた。
近所の人たちはみんな私と顔見知りだ。見守る視線でもあるけど、意識すると監視されているような気分になる。
こんな顔で外に出たら、一発で声をかけられる。
そして、私が何も言わなくても、いろいろ想像されてしまう……それが嫌だったのだ。
膝を抱えて丸くなる私に、柔らかい落ち着いた女性の声がかかった。
「ユーリッド」
「……ファーナ……」
そこにいたのはエルフ族の秘術で作り出された生き人形。
生きた人間のように動き、人格を持つメイド人形だった。ある意味、私の第二の母親ともいえる(第一の母親はもちろんおばあちゃんだ)。
「内緒にしていたこと、許して下さい」
「……ファーナも知ってたんだ……」
「はい。私は、勇者さまが身罷られた直後に作られましたから」
私は、その言葉の意味をとっくりと考えた。
そして言った。
「……も、何が悲しいのか、よくわかんないよ……。よくよく考えてみると、隠していたことも、無理ないかもって思えてきちゃって……」
みんな、私に隠してた。
でも、みんなが私を愛して、私の為を思ってしてくれたことなんだって、考えてみればわかるのだ。
サンローランの町から出るなり、曲者が私を襲った。
それって……つまり、そういうことだよね。
「勇者の娘」には、それだけの価値があるんだ。
知らなければ漏らしようがない。
知らなければ、本心から否定する。
そして、その否定は「嘘じゃない」から、説得力を持つ。
……そういうことだ。
そういうみんな側の事情に思いいたってしまったら……もうその事で責められなくなってしまった。
「――でも、じゃあ、ずっと騙されていた私の気持ちはどうなるの!?」
みんなして、私に嘘をついて、隠してた。
きっと、おばあちゃんだって知ってただろう。
みんなみんな、私のためであっても私を騙していたんだ!
「……はい。そうですね。私たちは、あなたを騙していました。それは事実です」
「ファーナ……」
人形なのに、どうして彼女はこんなに悲しそうな顔をするんだろう。
「ファーナ! ちがうの……そうじゃない! わたし……わたし、わたし、は……」
ファーナの手が、背を撫でる。
「ダルクは、あなたのことを、血が繋がってないから自分の娘じゃないとでも言いましたか?」
「……う、」
「駄目な父親でしたか?」
「そんなことない!」
「鬱陶しいぐらい、過保護で、いい父親でしたか?」
「……う、うん」
「そんなダルクとあなたは血の繋がりはありません。それは事実です。ですが――血が繋がっていなければ、父親とは認められませんか?」
「ち――ちがう! わ、わたしのお父さんはダルクだけだもんっ!」
「……じゃあ、十数えながら大きく息を吸って、十数えながら吐いてください。それを三回、繰り返して」
それは何度も繰り返した剣の鍛錬の前動作。
わからないまでも、条件反射でわたしはその通りにしてしまう。
――そして、それが終わった時には、大分心も落ち着いていた。
「……ごめんなさいファーナ。みんなは私の為にいろいろしてくれてたのに」
「いえ。いいんです。あなたが、一番傷ついたのは何ですか?」
ファーナにそう聞かれて、私は、やっと落ち着いて心を見れるようになった。
そして、気がついた。私が、ショックだったのは――。
「……お、お父さんが、ほんとのお父さんじゃなかったこと……。あんなにいろいろ良くしてくれたのに、わたし、我が儘言ってばかりで……う、うざいとか鬱陶しいとかそういう傷つける無神経な言葉とかたくさん使ってた……」
寄せられる愛情が鬱陶しくて。嬉しいけど鬱陶しくて。冒険者になると決めた時、心配してくれるのもメンドクサイと思ってた。
ギルドの登録を邪魔されたときとか、仕事がまわってこないように妨害されたりとか、そういうの全部いやで、お父さんに文句ばっかり言ってた。
「知らなかったから、いっぱい無神経なこと言っちゃった! お父さんはホントの子どもじゃない私を育ててくれたのに! 嫌われたらどうしよう……っ」
「馬鹿ですねえ」
つん、と額をつつかれた。
「あなたの過保護で鬱陶しい親馬鹿の父親は、そんなことであなたを嫌うような人なんですか?」
「そんなのわかんないよ!」
「じゃ、本人に聞いてみましょう」
ぎょっとして振り返れば、そこにはお父さんがいた。
どこか困ったような、微妙な顔をして、立っていた。
お父さんは、私と同じ、青黒い肌をしている。そのせいで、二人並んでいると、よく似ていると言われた。
異種族の人たちから見れば、肌の色が同じなだけで、見た目に共通感が出るらしい。
これが魔族の人が見ると「似ているところはない」になるんだから、人の感覚なんて種々様々なものだ。
外見もハンサムで、中身だって勇者の仲間で凄腕の魔術師という非の打ちどころのないお父さんは、私の自慢だった。
お父さんは黒い瞳で私をまっすぐ見下ろすと、真摯な口調で言った。
「……黙っていて、悪かった。でも、お前は、俺のたった一人の娘だと思っているし、今もそうだ。至らないところもたくさんあったと思うが俺はお前の父親だと……思っていて、いいか?」
じわりと視界が滲んだ。
「わ……わたしも……甘え通しの至らない娘で……ごめんなさい」
頭を下げると、ぽんと、手が置かれた。
いつもどおりの、温かくて大きいお父さんの手だった。
◆ ◆ ◆
仲直りする親子を、離れたところから三対の目が見守っていた。
一人はコリュウ、一人はマーラだ。そして最後の一人は一見何の変哲もない人族の男である。
「……だそうですよ?」
皮肉たっぷりに言うのは、緑髪のエルフで、言われたのは人族の男だ。
ユーリッドが見ればこういうだろう――「お父さんが雇った家庭教師」と。
さすがに素顔をさらして大都市であるサンローランを歩くのははばかられるため、外見を魔法で偽っている。その正体は、ユーリッドの実の父親だった。
この世界に十二人しかいない、魔族の王。
彼のたった一人の娘は、実の父よりも育ての父を選び、彼だけが父親だと言っている。
虚しい気持ちがあるのは否定しないが――
「ふん」
エルフの嫌味に、彼はそう返しただけにとどまった。
今はまだ養父との仲に遠慮のある娘――ユーリッドも、そう遠からず悟るだろう。
人は、どう生まれたかではなく、どう生きるかなのだから。
――ちなみに、成長したユーリッドがこの日の記憶を思い出すたびのたうちまわることになるのは、ここだけの話である。
素面(しらふ)ではとても言えない台詞のオンパレードであった。
【ワートリ感想】179話「雨取千佳7」
令和が始まりましたね。
スマホでれいわ、と打って即座に令和となる場合とならない場合があるのが不思議です。
この差はいったい何?
さてそんな素朴な疑問はさておき、今月もやってきましたワールドトリガー発売日!
胆嚢を取り外す手術は無事成功したそうで、ホンットーによかった。
手術の回復次第でページ数が変わるそうなので、来月……はまだむりかな。
再来月ぐらいには二話掲載になってることを祈ります。
ネタバレ注意! ワールドトリガーの感想です。
<あらすじ>
隊員会議の席で、ヒュースは千佳に問う。
「お前は人を撃てないのか」
言葉に詰まる千佳。
そこで会議は一旦おひらき。
そして、千佳は栞先輩と師匠に内心を吐露する。
私はたぶん撃てる。ただ、人に責められるのが怖くて、撃てないだけだ、と。
<感想>
あー、やっと千佳の掘り下げ回が来ましたね。
うれしい。
今回ぐぐっと千佳への好感度が増しました。
なんだか世間様は道徳的にカンペキな欠陥ナシ人間しか認めず、それを逸脱した人間は友達と笑顔になることさえ許さない風潮ですが、私は違います。
こういう心の暗いところ、人間なら誰もが持っている嫌な部分。
そういうところこそ人間だと思います。
カンペキな人間、なんてものがいたとしたら、それは異常者だ。
という精神科医の言葉がありますが、私は完全に同意です。
完璧な人間なんていない、人間なら誰だってこういう心のずるさがあるものです。
栞先輩よく言ってくれました!
誰だって自分を責められるのは怖いに決まっています。
まして、千佳が背負っているものは大きすぎます。
千佳が責任を感じている通り、友達が千佳の巻き添えでネイバーに攫われたら……。
千佳が「バケモノに襲われてるの!」といっても信じなかった大人たち。
それは無理もないと思いますが、同時に、千佳にとっては「おまえのせいで友達が攫われたんだ」って言われない砦でもあったんですね……。
現代日本で、小学生のしかも女の子がいなくなったら大騒ぎになります。……大阪の女の子、消えたきり15年以上経ちますね……。どうか戻って来てくれるといいんですが。
千佳の友達のときも大騒ぎになって、でも見つからず、そうなると千佳の「バケモノ」発言を本気で取る大人も――いやさすがに無理があるような。
ああでもネイバーもちらほらとは来ていたみたいだから、現代日本とは違って多少は化け物が信じられる土壌があったんでしょう。
そしてトドメがあの大規模襲来です。
もはや「バケモノなんているはずない」とは言われなくなり、となると――まあ、そのね。
思い出すのは、必然だろうなあ。
千佳の「バケモノが襲ってくる」っていう訴えを。
自分の訴えを信じてもらえたら、それは、「自分のせいで友達が攫われた」ことを意味します。(いや、千佳のせいとは限らないと思うけどね。一緒にいる時に襲われたんじゃないんだし。でも千佳はそう思っちゃった)
人間一人の命の責任。
千佳が負わされるかもと怯えているものは、あまりにも大きすぎます。
怖いですよね。そりゃ誰だって怖いですよ。
「お前のせいで青葉は誘拐されたんだ!」
……千佳ちゃんの心の中に、恐怖として幻想のその声は響いていたでしょう。
そしてもう一つの恐れは、「私の規格外のトリオンでバカスカやったら、人はどう思うかな」というもの。
ずるいとか、卑怯とか――ああいるだろうなあ。
今回ヒュースも言っていましたが、千佳ほどのトリオンがあれば、ほとんどの場合力押しで何とかなります。
戦術もへったくれもない、力押しの押し相撲ですが、崩しにくい横綱相撲でもあります。
そもそもトリオンが大きければ大きいほど有利、というのが基本のワートリ世界。
ボーダーのみならず、ネイバー諸国を合わせても随一のトリオン強者の千佳がその気になれば、戦術は「千佳が撃ちまくり、残りは千佳をとことんガード」でカタがついちゃうのです。
でもそれ――見ている人間にとっては「ずるい」ですよね。
いますよ、絶対出てきますって。
見学者のなかとか、対戦者の中に。
生まれ持った才能、それだけで戦術もヘッタクレもなく蹂躙される対戦者の心境は、わからなくもないですけどね。
自分の努力も、仲間と磨いた戦術も何もかもが、単なる「才能」の前に崩れ去ると、それを認められる人間はわずかで否定したくなるのが人情なのですよ。
・千佳を崩す方法を考えてみたよ!
さて、人を撃てるようになったら、ガードごと相手を叩きつぶせる広範囲殲滅兵器となる千佳ちゃん。
彼女が人を撃てるかどうかはまだ未知数ですが、彼女を崩すにはどうすればいいかを考察してみました。
仲間がそろう前に奇襲。
これしかないかと。
仲間三人がフルガードで、千佳がそこからどっかんどっかんやる体制を築かれたら、地形もなにも盾になりません。まさに最強。
家に隠れる→家ごと潰される。
ショッピングモールに隠れる→モールごと潰される。
高台に身をひそめる→アイビスで以下略。
しっかし……これ、味方同士の相互研鑽としての戦術としては、最悪の部類でしょうね。
力押ししてれば勝てちゃうので、戦術レベルが上がらない。
玉狛第二と戦う方は、頭と知恵を絞りに絞るでしょうが。
うーん……地形で有利を取って、ワンチャンに賭けるぐらいしか思いつきません。
あるいは暴風雨のなかで、視界を思いっきり悪くして遠距離射撃を封じて、引き分け狙いとか?
でも千佳もなあ……無抵抗でやられるはずもなく、「仲間が駆け付けるまでフルガードで籠城」とかすると思うんですよ。
そして、千佳のシールドはいまだに一度も破られたことがないという脅威の防御力。
仲間が駆け付けるまで籠城→駆け付けたらどっかん大作戦となったら、正直どう対処すればいいのかわからない……。
まさにトリオンの暴力ですね!
・今の人はキャラの掘り下げって嫌いかな?
ウソ臭い上に人間らしさ皆無の主人公最強物語が氾濫している昨今ですが、今の読者層って今回みたいな話嫌いかな?
私はとても良かったと思うし、すごく千佳の好感度上がりました。
修も、いつかこういう掘り下げ回来るのかな?
来るといいな。
修のことはそのえげつない手とか交渉術とかを含めて好きなんですが、
どうも心の中に硝子の板があるんです。
のめりこめないのは、ひとえに「共感も理解もできない人格」のせいでしょう。
出来すぎてて気持ち悪い。
赤の他人のために身を呈して人を助ける、まさに少年漫画の主人公的性格なんですが――好きにはなれないんですよねーこのタイプ。
なぜか。
ウソ臭い。同じ人間とは思えない。なにこの出木杉くん。
と思ってしまうんです。
なんでそんなにできるの?
怖いと思わないの? なんで自分だけがって思わないの?
と、凡人代表の、危険からは怯えて立ちすくむか、逃げ出すかしかできない私は思ってしまうのです。
これが警察官とかならまだわかるんだけどさあ。
中学生でしょ、日本の一般の。
ちょっとなあ、と思ってしまうんです。
だからこそ、修の心の闇を描く回があったら物凄く見たい! 見たいデス。
どうして中学生にしてこんな利他的性格になったのか。
ものすごく知りたい。
それを知れて共感できるようになったら、私は彼が大好きになる……かもしれません。
でも、望み薄だろうなあ……。
それでも一縷の望みにかけて、そのためにも今回のアンケートが良いといいな。
内面掘り下げ暗い回でアンケートが悪いと、次の掘り下げ回が出しづらくなると思うので……。
それでは今月もとても面白かったです。
葦原先生のご病状が、早く良くなりますように。
先生の健やかなることをお祈りしています。
スマホでれいわ、と打って即座に令和となる場合とならない場合があるのが不思議です。
この差はいったい何?
さてそんな素朴な疑問はさておき、今月もやってきましたワールドトリガー発売日!
胆嚢を取り外す手術は無事成功したそうで、ホンットーによかった。
手術の回復次第でページ数が変わるそうなので、来月……はまだむりかな。
再来月ぐらいには二話掲載になってることを祈ります。
ネタバレ注意! ワールドトリガーの感想です。
<あらすじ>
隊員会議の席で、ヒュースは千佳に問う。
「お前は人を撃てないのか」
言葉に詰まる千佳。
そこで会議は一旦おひらき。
そして、千佳は栞先輩と師匠に内心を吐露する。
私はたぶん撃てる。ただ、人に責められるのが怖くて、撃てないだけだ、と。
<感想>
あー、やっと千佳の掘り下げ回が来ましたね。
うれしい。
今回ぐぐっと千佳への好感度が増しました。
なんだか世間様は道徳的にカンペキな欠陥ナシ人間しか認めず、それを逸脱した人間は友達と笑顔になることさえ許さない風潮ですが、私は違います。
こういう心の暗いところ、人間なら誰もが持っている嫌な部分。
そういうところこそ人間だと思います。
カンペキな人間、なんてものがいたとしたら、それは異常者だ。
という精神科医の言葉がありますが、私は完全に同意です。
完璧な人間なんていない、人間なら誰だってこういう心のずるさがあるものです。
栞先輩よく言ってくれました!
誰だって自分を責められるのは怖いに決まっています。
まして、千佳が背負っているものは大きすぎます。
千佳が責任を感じている通り、友達が千佳の巻き添えでネイバーに攫われたら……。
千佳が「バケモノに襲われてるの!」といっても信じなかった大人たち。
それは無理もないと思いますが、同時に、千佳にとっては「おまえのせいで友達が攫われたんだ」って言われない砦でもあったんですね……。
現代日本で、小学生のしかも女の子がいなくなったら大騒ぎになります。……大阪の女の子、消えたきり15年以上経ちますね……。どうか戻って来てくれるといいんですが。
千佳の友達のときも大騒ぎになって、でも見つからず、そうなると千佳の「バケモノ」発言を本気で取る大人も――いやさすがに無理があるような。
ああでもネイバーもちらほらとは来ていたみたいだから、現代日本とは違って多少は化け物が信じられる土壌があったんでしょう。
そしてトドメがあの大規模襲来です。
もはや「バケモノなんているはずない」とは言われなくなり、となると――まあ、そのね。
思い出すのは、必然だろうなあ。
千佳の「バケモノが襲ってくる」っていう訴えを。
自分の訴えを信じてもらえたら、それは、「自分のせいで友達が攫われた」ことを意味します。(いや、千佳のせいとは限らないと思うけどね。一緒にいる時に襲われたんじゃないんだし。でも千佳はそう思っちゃった)
人間一人の命の責任。
千佳が負わされるかもと怯えているものは、あまりにも大きすぎます。
怖いですよね。そりゃ誰だって怖いですよ。
「お前のせいで青葉は誘拐されたんだ!」
……千佳ちゃんの心の中に、恐怖として幻想のその声は響いていたでしょう。
そしてもう一つの恐れは、「私の規格外のトリオンでバカスカやったら、人はどう思うかな」というもの。
ずるいとか、卑怯とか――ああいるだろうなあ。
今回ヒュースも言っていましたが、千佳ほどのトリオンがあれば、ほとんどの場合力押しで何とかなります。
戦術もへったくれもない、力押しの押し相撲ですが、崩しにくい横綱相撲でもあります。
そもそもトリオンが大きければ大きいほど有利、というのが基本のワートリ世界。
ボーダーのみならず、ネイバー諸国を合わせても随一のトリオン強者の千佳がその気になれば、戦術は「千佳が撃ちまくり、残りは千佳をとことんガード」でカタがついちゃうのです。
でもそれ――見ている人間にとっては「ずるい」ですよね。
いますよ、絶対出てきますって。
見学者のなかとか、対戦者の中に。
生まれ持った才能、それだけで戦術もヘッタクレもなく蹂躙される対戦者の心境は、わからなくもないですけどね。
自分の努力も、仲間と磨いた戦術も何もかもが、単なる「才能」の前に崩れ去ると、それを認められる人間はわずかで否定したくなるのが人情なのですよ。
・千佳を崩す方法を考えてみたよ!
さて、人を撃てるようになったら、ガードごと相手を叩きつぶせる広範囲殲滅兵器となる千佳ちゃん。
彼女が人を撃てるかどうかはまだ未知数ですが、彼女を崩すにはどうすればいいかを考察してみました。
仲間がそろう前に奇襲。
これしかないかと。
仲間三人がフルガードで、千佳がそこからどっかんどっかんやる体制を築かれたら、地形もなにも盾になりません。まさに最強。
家に隠れる→家ごと潰される。
ショッピングモールに隠れる→モールごと潰される。
高台に身をひそめる→アイビスで以下略。
しっかし……これ、味方同士の相互研鑽としての戦術としては、最悪の部類でしょうね。
力押ししてれば勝てちゃうので、戦術レベルが上がらない。
玉狛第二と戦う方は、頭と知恵を絞りに絞るでしょうが。
うーん……地形で有利を取って、ワンチャンに賭けるぐらいしか思いつきません。
あるいは暴風雨のなかで、視界を思いっきり悪くして遠距離射撃を封じて、引き分け狙いとか?
でも千佳もなあ……無抵抗でやられるはずもなく、「仲間が駆け付けるまでフルガードで籠城」とかすると思うんですよ。
そして、千佳のシールドはいまだに一度も破られたことがないという脅威の防御力。
仲間が駆け付けるまで籠城→駆け付けたらどっかん大作戦となったら、正直どう対処すればいいのかわからない……。
まさにトリオンの暴力ですね!
・今の人はキャラの掘り下げって嫌いかな?
ウソ臭い上に人間らしさ皆無の主人公最強物語が氾濫している昨今ですが、今の読者層って今回みたいな話嫌いかな?
私はとても良かったと思うし、すごく千佳の好感度上がりました。
修も、いつかこういう掘り下げ回来るのかな?
来るといいな。
修のことはそのえげつない手とか交渉術とかを含めて好きなんですが、
どうも心の中に硝子の板があるんです。
のめりこめないのは、ひとえに「共感も理解もできない人格」のせいでしょう。
出来すぎてて気持ち悪い。
赤の他人のために身を呈して人を助ける、まさに少年漫画の主人公的性格なんですが――好きにはなれないんですよねーこのタイプ。
なぜか。
ウソ臭い。同じ人間とは思えない。なにこの出木杉くん。
と思ってしまうんです。
なんでそんなにできるの?
怖いと思わないの? なんで自分だけがって思わないの?
と、凡人代表の、危険からは怯えて立ちすくむか、逃げ出すかしかできない私は思ってしまうのです。
これが警察官とかならまだわかるんだけどさあ。
中学生でしょ、日本の一般の。
ちょっとなあ、と思ってしまうんです。
だからこそ、修の心の闇を描く回があったら物凄く見たい! 見たいデス。
どうして中学生にしてこんな利他的性格になったのか。
ものすごく知りたい。
それを知れて共感できるようになったら、私は彼が大好きになる……かもしれません。
でも、望み薄だろうなあ……。
それでも一縷の望みにかけて、そのためにも今回のアンケートが良いといいな。
内面掘り下げ暗い回でアンケートが悪いと、次の掘り下げ回が出しづらくなると思うので……。
それでは今月もとても面白かったです。
葦原先生のご病状が、早く良くなりますように。
先生の健やかなることをお祈りしています。
【ワートリ感想】178話「二宮隊」~一緒に仲良く焼肉会
さて今月も、ワートリが読める日がやってまいりました。
ま、幸せな時間はあっという間に過ぎて、次のワートリを待つ日々がやってくるんですけどね。
今月も嫌味なくらいきっちりと電子書籍は四日配信。
ジャンプSQ編集部としては、やっぱり紙の方を読んでほしいのかなあ?
いろいろ電子書籍のメリットデメリットを考えてみましたが、やっぱり電子書籍のデメリット「目当ての連載以外を見ない」が大きすぎますよね。
電子書籍形態のメリットのほとんどが消し飛ぶようなこのデメリット……。
くすん。
そして先日、私が電子書籍のメリット(編集部側の)として挙げた「キャッシュフローの改善」ですが――。
皆さん。
ジャンプアプリで書籍を購入するとき、コインをまとめ買いはしちゃいけませんよ!
ちょびっと私が出会った不幸についてお話します。
「どうせワールドトリガー連載している限りジャンプSQは毎月買うし、コインをまとめ買いした方がオトクだし……」
との思考で一万円ぶん(!)購入してしまった私。
発売日になり、さあコインを使って購入しようか、といそいそとアプリを開いて愕然。
――購入したはずのコインが、コインが、ない……。
あ、ちなみにこのコイン、9800円出すと、10800コインもらえます。つまり1000円ぶんのボーナス。
そして、ジャンプSQは現金で買うと500円。コインだと500コインです。1コイン=1円の図式です。
一割増になるんなら、と清水の舞台から飛び降りる気持ちで約2年分をまとめ買いをしたのですが――コインが付与されなきゃ意味がねえ!!!
クレジットカードの履歴にはちゃんと購入履歴があるだけに、自分のミスとは思えません。(実際そうだった)
アプリの問い合わせ欄にメールを送り、しかし返事がなく黙殺され、しょうがなく検索して集英社読者係に電話をし、担当窓口を案内され、そちらに電話をし、大分待ってやっと折り返しの電話がかかってきて個人情報を尋ねられ、個人情報をメールで送り、ひたすら待ち……。
このやりとりでおよそ半日潰れました。
集英社とGOOGLEのシステム上のデータ送信エラーが原因だったようです。
詳しい理由はわかりません。
やっとコインを付与されたときには安堵ばかりでしたが、しばらくすると腹が立ってきました。
ふざけんな。
もうちょっとマトモなシステム作れや。
まったくもう……。
既定通りのコインが付与されたんだからこれ以上のクレームを入れるつもりはないですが(クレーマーになっちゃうよ)、顧客にこれだけの手間をかけさせて薄っぺらい詫びのメールひとつで「付与したからイーでしょ」とばかりの態度なのが、なあ。
なので、せいぜいここで愚痴を書き散らします。
皆さん、ジャンプ公式アプリで電子書籍を買う方、コインはまとめ買いしないほうがいいですよ!
もうすでにしちゃった人で、ちゃんと付与された人はその幸運を噛み締めて下さい。
こんなことで、私は半日つぶれました。
ああ、こんな目にあわず、無事に付与された人がうらやましい……(それが当たり前なんだって)。
ネタバレ注意! ワールドトリガーの感想です。
<あらすじ>
修+玉狛の女性陣&二宮隊で、焼肉会。
そこで犬飼にヒュースのバイパーについて探りを入れられる。
そして戻った玉狛基地で、ヒュースは雨取に尋ねる。
――お前は本当に撃てないのか? と。
・焼肉おいしい
焼肉美味しいよね。
ちなみに私が好きなのはハラミ。やっぱりここがいちばんすき。
安くて美味しい。定番ですよねー。
両面ちゃんと焼いた後、白いご飯と一緒に食べるのが好き。
焼肉は白米と一緒に! これがジャスティス!
異論はみとめません。
ちょうどいい焼き加減の焼肉と、それを白米と一緒に噛み締めるあの味は至高です。
そして犬飼の引っ掛けに案の定引っかかる小南先輩……。
騙されっ子の小南先輩ですもの、こうした駆け引きで墓穴掘るのは予想通りで微笑ましいですわー。
けれども私としては、ここで「葦原先生がユーマを同席させなかった理由はなにか」を考えたいです。
ユーマといったらうそ発見器。
そして、どういうわけか二宮さんがいるとユーマが出てこないんですよねー。
以前、玉狛に二宮さんが押しかけてきたときのことを思い出してみて下さい。
このときユーマも同席していたにもかかわらず、巧妙にコマ割りから排除されています。
そして今回は同席自体を回避されました。
これは、誰かが嘘をついたに違いない……と考えてしまうのは深読みのしすぎでしょうか?
でも、今回はほのぼの内輪話と、犬飼の引っ掛け祭りと、あと鳩原さんのことを少ししかないんですよね。
どれもみんな知っていることばかりで、嘘をつく理由もメリットもないような??
……引っ掛け祭りのときにユーマがいると目が黒になっちゃうからかなあ?
あるいは、鳩原さんの失踪した理由について、犬飼が嘘をついているとか?
「鳩原さんがそこまで遠征に行きたかったのは弟がさらわれたから」。
これぐらいですね。今回のよもやま話の中で、重大な嘘を誰かがついているとしたら。
うーん犬飼かー。
考えれば考えるほどあやしいポジション。
鳩原の「失踪」を思いついたのが誰にせよ、鳩原がひとりで思いついたとは思えないので、その囁きをした仲間がいるはずで、それが犬飼だとしたらまさに絶好の人的配置。
鳩原に近いし、鳩原がいちばん衝撃をうけるタイミングを予測できるし、そのタイミングで声をかけられるし、その頃A級だったんだから、ボーダー内部の事情にもかなり通じているハズ。
あら? あやしいわー。
・アステロイドの威力が低くなる?
バイパーを装備しているとアステロイドが弱くなるの?
例のクッキー生地でのたとえかなあ?
「トリガーは、装備するだけでトリオンを食う。そしてその基本トリオンを除いた余剰トリオンが、弾などのエネルギーになる。」
とのことなので、犬飼はバイバーを装備していることで削れたトリオンのぶん、アステロイドの威力が低くなってる……と言っているのでしょうか?
これが正解っぽいですが、修ならともかく大トリオン保持者であるヒュースでもトリガーひとつ装備するしないでそんなに弾に差がでるのか……。
・千佳は撃てるのか?
どうなんでしょうねえ……。
同じく高所恐怖症で苦しんでいる私に置きかえると、私は例えば火事で逃げなきゃ! というときなら高所の恐怖を一時棚上げ……考えないように無理をすることはできると思うんです。
が、そういうのは反動もでかい。
私の場合、そうして高所の恐怖を無視して行動すると、反動の恐怖心が脳内で暴れまわり、眩暈でしばらく立てなくなりました。
そういう恐怖症とは縁のない人からすれば「なんでそんなことぐらいで」となるでしょう。
分かる。分かりますとも。その気持ちはすっごくよくわかるんですが――現実に実際にそういう状態になってしまって数分は行動不能状態になるので、どうしようもありません。
気の迷いだ、とかそういう精神論は、実際に行動不能になっちゃった体を前にすると、どうしようもなく無力です。
いっぽう、千佳ちゃんはどうでしょう?
千佳に縛りがないと、色々トリオンの暴力とゴリ押しで何とかなることが多すぎるのですが、でも最強千佳ちゃんを見てみたい気持ちもかなりあります。
今はやりの最強系主人公。
――千佳ちゃん。あなたならなれます。
・葦原先生、どうかお身体をお大事になさってください
今月は一話のみ。
理由はコミックス作業。
来月も一話のみ。理由は手術のため。
たとえ二話が一話になっても、長期休載より遥かにマシです。
どうか、ご無事を心よりお祈り申し上げています。
・いろいろ感想
彼方のアストラ。(クリックするとお店にとびます)
漫画大賞をとって話題のこの本を読んでみました。
感想。
すごくよくできてるお話。
アラをつつくのが大好きな私ですが、何もつつけません。見事な伏線、そして物語の重層さ。完結している点もポイントたかく、かつ五巻とコンパクトにまとまっているのも実にお見事。
物語の面白い部分をぎゅぎゅぎゅっと凝縮して濃厚にして終結させた、という印象を多くの人は抱くでしょう。
この「ちゃんと完結させる」というのはほんとに難しいことで、間延びさせればこの三倍は伸ばせる話を、見事に五巻で終結させました。もちろんちゃんと面白いです。素晴らしい。
……ワンピースもなあ……。ちょっとこの話を見習って、「物語を濃縮して短くまとめる」というこの技術を学んでほしいです。
そういう杉浦は、あまりの長さに途中で脱落したひとりです。いまどうなってるんだろ。
・食糧人類
タイトルに偽りなし。
ストレートにそのまんまのお話。
普通の高校生だったのにある日イキナリ宇宙人のエサとしてさらわれてしまった主人公。
ところがそこでは主人公以外にも無数の人間が繁殖、飼育されている施設で、主人公は仲間とともに脱出を試みるが……? というお話。
グロい。キモい。でも面白い。
それに、7巻できちんと終わっているところは評価高し。
私は「きちんと終わる」「短くまとめる」に高得点を配分しているようです。
ちゃんと終わっている作品だと思うと、それだけで好感もちますもん。
……まあ、無理矢理終わらせたアルスラーン戦記のようなものもありますけど……。
タイタニアといい、アルスラーンといい、最近の田中芳樹先生は以前なら絶対にやらなかったような無理を書いて無理矢理完結させていて、最初はあまりの「完結編」のデキにがっくり来ていたのですが、冷静になると心配になってきました。
……お身体の調子、わるいんじゃないですか? そうでないとあそこまで支離滅裂の話は書けないと思います。
あれは、田中先生がお身体が悪くて、でもシリーズを完結させねばと小説家としての責任感でがんばって、でも体調による筆力の衰えは隠せなかった、ということなんじゃないかと……。
どれほど支離滅裂化というと、一例をあげます。(ネタバレ注意!)
「敵に包囲された大都市の住民すべてが城壁外へと逃走した」。
はい、これがアルスラーン戦記の最後であったエピソードなのですが、はい、それを読んだ時私はこう思ったものでした。
――どうやって?
敵がぐるりと取り囲んでるんだよ? どうやって避難するのさ。
敵と交渉して手を出さないよう言ったとか?
いやいやいや、そんなシーンどこにもありません。
あと、その大都市の人口は百万ほど。どう考えても阿鼻叫喚の脱出劇が数日にわたって繰り広げられるはずですが、それもなし。
それら一切を切り捨てて、いきなり「住民は外へ逃げ出した」という一文だけが描写されるのです。
おかげで読者としては、「いったいどうやったんだよ」と気になって仕方がないのですがそれも描写されることなく、終わります。
そういう終わり方をした作品については多少複雑な気持ちがあるのですが、それでもやっぱり「完結しない物語」よりは「完結した物語」の方が私は上だと思うのです。
【ワートリ感想】176,177話「根付栄蔵」~修の不安の正体判明!
ネタバレ注意! ワールドトリガーの感想です。
<あらすじ>
根付さん、大活躍の巻。
ついにやっと修の「嫌な予感」の正体が判明。
それはヒュースの正体がバレて騒ぎになる事だった。
修は根付さんに頼るも、根付さんはすでに手を廻していた。
東さんを頼って「ヒュースは玉狛支部の秘蔵っ子」ということで噂を流してもらうことにする。
そして、東さんは鳩原さんのことに言及する。
人を撃ってしまった雨取の懸念。
そしてランク戦最終戦の相手が決定。
生駒隊、二宮隊、そして初登場の弓場隊。
そして夜ご飯は焼肉に行くことに。するとそこには二宮隊の姿が……。
<感想>
もうすでに毎回恒例になってきた感がありますが、言わせてください。
集英社!
デジタル化を進めたいんだったら、発売日をもうちょっと早く!
コンビニと同等ぐらいに早くしてくれ!
――以上。
今回もまた、日曜日が三日だったので、コンビニは土曜の二日に発売、なのに電子版は四日に発売という羽目に。
集英社さん~~。
ジャンプは火曜発売です。でも月曜にコンビニも電子版も出てます。
なら、同じことがSQでできないはずがないじゃないですか。
ジャンプSQの電子版と紙版の両方を経験した人間からそれぞれの長所短所を言うと、
<紙版>
・物理的な所有感がある。
・ページをめくる、という動作が不可避なため、目当て以外の作品を読んでみるきっかけが得やすい。
・発売日が早い
・かさばる。
<電子版>
・かさばらない。
・スマホにインストールすれば、いつでも読める。
・紙版に比べると百円ほど安い。
・ページをめくる動作がなく、目次から一直線にワートリにたどり着くので、他の作品を読んでみるきっかけがナイ。
・物理的に所有していないので、何らかの事情でサイトのデータがふっとんだら全部パー。閉鎖もおなじ。
・発売日が遅い。
えー、他の作品を読まなくなる、というのは実体験から来る感想です。
これまでジャンプを紙版でちまちま数年買っていたんですが、そのときは何だかんだ言って、ジャンプに連載している漫画はあらかた読んでいたんですよ。
最初読み飛ばしていたワートリなんて、読んでみたらまあ面白いこと面白いこと。
でも、電子版になると……これが自分でもビックリするほどお目当て以外の作品は読まなくなったんです。
目次クリックジャンプですぐに目当ての作品にたどりつけてしまうがゆえの弊害、といいましょうか。
かけらも他の作品に触れずに辿り着いてしまうので、他の作品を読むきっかけが無くなってしまうんです。
もちろん、「買ったからには全作品読む!」という方はともかく、私はワートリのためだけにSQ買ってるので、他の作品を読むにはきっかけと気力が必要なんです。
そもそも、連載中の作品を予習もなにもなく読んでもちんぷんかんぷんですしね。これって出版社としたらけっこう大きなデメリットのような……。
――まあそれはさておき(強引な話題変更)。
私としては、発売日を是非とも一日早く、コンビニにある紙版を同じにしてほしいんですよ!
そのために出版社の方々にはデジタル版に力を入れるべき点をプレゼンいたしましょう。
<出版社がデジタル版を優遇すべき点>
・キャッシュフローが向上する。
色々考えましたが、これに尽きます。
調べてみると、デジタル化=経費削減とはなかなかならないようで……。
印刷部数が減れば印刷や流通のコストは削減されますが、あれって規模の力学でたくさん刷れば刷るほど一冊当たりのコストは下がりますからね。
デジタル版はデジタル版で、今はずいぶんと多くのサイトで読めるようになっているみたいで、そうなるとその形式に合わせた微調整が必要になります。(楽天kobo版のファイルと、ジャンプ公式サイトで読むファイルは違っていて、それぞれの電子書籍サイトに合わせたファイルを作らないといけないとか)
その手間や経費は、とんとんぐらいじゃないでしょうか。
でも、デジタル版にはデジタル版だけの強みがあります。
私はジャンプSQを公式サイトで定期購読しているんですが、これは要は「未来の分の雑誌代金を先払い」ということです。
アプリの方はもっと用意周到に先払いさせようと手ぐすね引いてますよー。
アプリの方では「コイン」と呼ばれるものを購入し、それで支払いをするのですが、なんと。
このコイン、一度にたくさん買えば買うほど、ボーナスがつくんですね。
500円で530コイン。
3000円で3250コイン。
9800円で、10800コイン。
あ、ちなみにジャンプSQは一冊500コインで読めます。アプリではなくサイトの方では500円で売ってます。
となると……ええ。
ジャンプSQを購読していてアプリで読んでいる多くの人は、「多めにコインを購入して毎月ジャンプSQを買う」という行動をとっているものと推測します。
あるいは私のように、定期購読しているとか。
本が発売するより前に、その代金が懐に入っている……。
なんて素晴らしい状態でしょうか。
かのアマゾンの財務哲学も、「現金大事」です。
これは平たく言うと、「売った代金の回収は素早く、仕入れた商品の代金の支払いはなるべく遅く」ということです。
アマゾンで、むちゃくちゃアマゾンギフト券をプッシュしているでしょ?
あれも要はそういうことです。
「なるべく早く、商品代金を支払わせたい」んですよ。
キャンペーンで5000円以上ギフト券を買うと1000円ポイントもらえる~とかやっているのも、すべてはそういう事です。
それを聞くと、「今は欲しいものないけどいずれ出てくるから買っておくか」ってなるでしょ?
というわけで。
読者がデジタル版から紙版に戻りかねない「発売日優遇措置」を撤回してデジタル版も一日早く見せてほしい……。
と切に思う管理人でした。
公式サイトとか公式アプリとかだけの特権ってことでいいから、どうかひとつよろしくお願いします。
あ、ちなみに管理人は本は断固紙派です。
雑誌はあまりのかさばり方にギブアップして電子版に鞍替えしましたが、本は紙でないと嫌。
Rentaという電子書籍サイトで本を何冊も買ったんですが、アレ、一回読むと読まなくなりますね?
いつでも読めるのに、ぜんぜん読まないんですよ。不思議……。
やっぱり手に取って読めるものがいいなあ……と、紙の本に愛着むちゃくちゃある管理人でした。
さて長々とすみません。
感想に入ります。
今週もたいへん面白かったです。
あーまんぞく。
この漫画のために毎月お布施(500円)を支払っていますが、なんにも文句はございません。
ボーダー重役三人衆のうち、マスコミ担当のキツネさんこと根付さん。
デキる大人で信頼感ありますねー。
ワールドトリガーってこういう「大人がちゃんと大人の仕事をしていてくれる安心感」がありますよね。
いくら少年漫画でもさー、大の大人が政治も兵站もなんもかんもゼーンブ主人公の子どもに押し付けてまかせっきりの物語ってどうかいな、って思うんですよ。
そういう物語がままあるのが頭痛いところですが。……大人なんだから大人の仕事をちゃんとしてくれ!と言いたくなります。
でもワールドトリガーはこうして子どもが大人を頼った時、ちゃんと頼りになる安心感があります。
……いや、でもその大人が子どもをイケニエにしてマスコミ攻撃を終息させようとしてたな……。
ヤバイ。
いま私の根付さんの評価が急降下しました。
せ、せっかく急上昇していたのに。
日本のマスコミがいかにえげつないかは、某人質になったジャーナリストへのバッシングや某婚約者へのバッシングや舛添さんへのバッシングへのものすごさを見ればわかるでしょう。
もう人格否定しまくりで、倫理も良識も良心もまるでないな、という感じ。
アレの矢面に、たかだか十五歳の中学生を立たせようとしたんですよ?
改めて考えると、「うわあ……」です。
そうなったら当然、本人だけでなく家族までそろって集団バッシングの対象になって、自殺にまで追い込まれるケースだって珍しくありません。少なくとも確実に人生は狂うでしょう。
まったく無関係の私がネットで罵詈雑言を聞いただけで、気分が悪くなりますからね。
それを直接浴びせられる本人たちは、どれほど傷つくことか。
しっかしほんとになんなの? アレ。
小室さんへのバッシングは、あたまおかしい、というか、神経を疑うレベル。
なに、あの風潮。小室さんをいくら叩いてもいい、っていう風潮。
日本のマスコミはホントーに、自分が、自分たちが「権力側」であり、自分たちの言動ひとつで、人をいくらでも殺せるってことを理解してないんですか?
言葉でも、人の心は殺せるんです。
だからこそマスコミは絶大な権力を握っているといえる。
日本のマスコミの倫理観は、どこを向いているんですか? 視聴率さえとれればいいんですか?
マスコミ関係者は、自分の胸に手を当てて考えてみて下さい。
彼が、いったい何をしましたか?
あそこまで叩かれる程の何をしましたか?
そして、そんな一般人をあそこまで叩くことに、貴方の倫理観は、良心は、何も痛みませんか?
何か犯罪を犯したわけでもない人を、あそこまで叩くことに何の自制も感じないとしたら、心底からどうしようもないです。
あとねー、ネットの情報をうのみにする人、ほんとに多いですよね。
アオリ運転で事故った件で、たまたま犯人と同じ名前の会社の人が親戚と誤解されて誹謗中傷電話が殺到して仕事ができず、裁判で損害賠償請求されてるじゃないですか。
あれも、ネット上の情報をうのみにしたのが原因です。
詩織さんの事件でも「○○だっていうからこいつはウソだ!」って言う人間の情報の出所を探ると、「ネットで」。
…………皆さん、いいですか。
ネット上の情報は、鵜呑みにしちゃいけません。
必ず、ウラをとりましょう。
今、ネットの書き込みを鵜呑みにして無関係の人にカチコミかけて損害賠償請求されている人は、自分のちょっとした傲慢な正義感と視野狭窄の思い込みのせいで、下手したら一生を棒に振ることになります。
そうはならないために、あなた自身のために、肝に銘じて下さい。
ネット上の誹謗中傷を鵜呑みにしてはいけません。
ちなみに私は川内優輝選手を馬鹿にした某陸上選手が大嫌いですが、彼の発言をきちんと確認した上で、大嫌いになりました。
テレビ番組でよくまあ川内選手を馬鹿にしてくれましたね。
そのときは抗議文を送ろうかとさえ思いました。しませんでしたが。
おかげでこの間の東京マラソンでは、心の底から失敗をお祈りしておりました。
陰険な、と言われるかもしれませんが、嫌がらせや誹謗中傷の書き込みなどは一切していないので、ただ心の中で失敗を強く願うことくらいはお許しください。
大嫌いですが、それで嫌がらせして自分の価値をおとしめたりはしません。
まあそのせいか途中棄権した時にはすごーく嬉しかったですけどね。
あれだ、人のことをテレビ番組なんて公の場で馬鹿にすると、しっぺ返しがくるんですよ。
脱水症状になるのは本人の準備不足、とおっしゃったのですから、低体温症も本人の準備不足ですよね。
川内選手を嫌うのは好き嫌いだから仕方ないとしても、馬鹿にされると物凄く腹が立ちます。
たぶん、川内選手をただ嫌いです、と言ったのなら、私はすこし悲しくはなってもそれだけだったと思うんですよ。
似たようなことをびわ湖のインタビューで佐々木選手もおっしゃってましたが(川内選手と走るのは嫌)、それはぜんぜん腹立ちませんから。
たぶんそれは、私が人間には好き嫌いがあってそれは仕方ないんだ、と思っているせいでしょう。
でも、馬鹿にされると腹が立つ……人間の心理って不思議ですね。
・人を撃てない鳩原さんのきもち
この間ですね、でっかいつり橋を渡ったんですよ。
で、渡り始めて気が付きました。――アホなことに。
そうだ、私、足の下に何もない空間があるっていうのがダメだった、ということに。
大丈夫だとわかっていても、怖くて怖くてどうしようもできない恐怖心が湧き上がってくるんです。
普通の高いところは、普通に過ごせます。
つり橋も、まあ大抵のつり橋って短いですからそれくらいなら何とか。
でも、歩道橋。これは駄目です。鬼門です。
そして、長ーーーい吊り橋も、駄目だと言う事に気が付きました。
もうわたっている最中、脂汗たらたら、身体はブルブル。
頭では大丈夫だってわかってる。他にもわたっている人はたくさんいる。
でも、「それでも駄目」なんです。
万が一の予想が頭から離れないんです。
そう、強風によって支柱がはずれたら? 渓谷にまっさかさまに落ちたら? 絶対死ぬ。確実に死ぬ。
いや即死ならいいけど、林がわさわさ生えているから、それに下手に引っかかったら重傷で長く苦しむかも……とね。
吊り橋は吊り橋ですからぐらぐら揺れます。その揺れが際限なくそういう妄想を掻き立てるんです。
あー、鳩原さんの恐怖って、こういう感じなんだろうなあ、って思いました。
頭ではわかっているんです。これはトリオン体で、いくら殺してもすぐにまた作れるかりそめの体で、だから頭を撃って吹っ飛ばしても大丈夫、と。
でも、どう見ても人体で、喋っていて、動いていて、考えているんです。
どうしても、万が一の恐怖が消えなくて。
そうでなくてもその瞬間まで「生きて」いるものを撃ち殺す恐怖って、たまらないだろうなと思います。
・千佳の今後のケア
何だか大丈夫そう。よかった。
自分の手で狙撃するのと、建物を爆破したらうっかり巻き込まれ爆死はちょっと違いますもんね。
吹っ飛ぶところも見えなかったし。
・次号は初の弓場隊ですね!
これまで姿の見えない謎の上位チーム。
それがいよいよ次号でお目見えとなりそう。
……私としては(他の人も)漆間隊が気になって仕方ないのですが……。
漆間隊は、BBFで、なんとボーダー唯一の一人チームとして登録されているチームです。
いやオペレーターはいるので二人かな?
戦闘員一名の謎チーム……それでいて、試合でちゃんと勝っている。
どうでしょう、惹かれませんか? 興味湧きませんか?
いずれ出てくれることを待っています。
・ヒュースを見たC級
出穂ちゃんが見えなかったってだけで、意地はっているだけだと決めつけるのはどうかなー。
噂話のもとのC級の子、視覚強化のサイドエフェクト持っているんじゃ、と思うんですが、どうでしょう。
あと、他の人の感想で「なるほど」と思わさせられたのが、ガロプラの工作説。
確かにできるんですよ。ほら、変装のトリガーと壁抜けトリガー持っていたので、C級になりすますのなんて簡単簡単。
そして、内部離間工作をして、当分の間遠征どころではなくならせる……いい作戦です。
問題は迅と天羽にばったり見られることくらい。
でもどっちもそうそうありそうにないですねー。
迅は、「人を見てその人の未来を見る」ので、「マスコミ対応に追われる根付さん」は見えても「その原因をつくったのは誰か」は分かりません。根付さんとC級の子が直接接触する未来がないと、根付さんを見てもわからないんです。
修を見ることでユーマを「見れた」のは、原因を特定したユーマが修と接触したからでしょう。
でも、現状ではボーダー幹部の根付さんがC級の子に直接会うなんて、そんな明らかにヤバい行動をとるとは思えませんので……はてさて、です。
・焼肉で二宮隊と
な、なにを喋るんだろう……。
えーと、犬飼とかは想像がつくんですが、二宮が一体ナニを語るのかと……。
……あ、ここで鳩原さんのアレが結びつくのかな?
つまり、人を爆撃しちゃった千佳のことを二宮さんが気にして話しかけるとか。そこから鳩原さんの話につながるとか。
ああ、ありそう。
・猫先生の体調不安
コ、コメントがコワイ。
胆嚢取ったら……取ったら何が起きるんだろう?
こういうとき、箱はとても便利。
目の前の箱でぽちぽち検索すると……ふむふむ。
後遺症が出る場合と出ない場合がある、症状が続く場合がある、基本的にはあまり害はなし……と。
でも取るとしたら、また手術になるのか。葦原先生も大変だなあ……。
どうかお身体にお気を付けて。何よりもまずは健康が大事だと思います。健康第一。
いざとなったら休載or減載(2回分掲載ではなく1回分掲載)で、体を第一になさってくださいね。
<あらすじ>
根付さん、大活躍の巻。
ついにやっと修の「嫌な予感」の正体が判明。
それはヒュースの正体がバレて騒ぎになる事だった。
修は根付さんに頼るも、根付さんはすでに手を廻していた。
東さんを頼って「ヒュースは玉狛支部の秘蔵っ子」ということで噂を流してもらうことにする。
そして、東さんは鳩原さんのことに言及する。
人を撃ってしまった雨取の懸念。
そしてランク戦最終戦の相手が決定。
生駒隊、二宮隊、そして初登場の弓場隊。
そして夜ご飯は焼肉に行くことに。するとそこには二宮隊の姿が……。
<感想>
もうすでに毎回恒例になってきた感がありますが、言わせてください。
集英社!
デジタル化を進めたいんだったら、発売日をもうちょっと早く!
コンビニと同等ぐらいに早くしてくれ!
――以上。
今回もまた、日曜日が三日だったので、コンビニは土曜の二日に発売、なのに電子版は四日に発売という羽目に。
集英社さん~~。
ジャンプは火曜発売です。でも月曜にコンビニも電子版も出てます。
なら、同じことがSQでできないはずがないじゃないですか。
ジャンプSQの電子版と紙版の両方を経験した人間からそれぞれの長所短所を言うと、
<紙版>
・物理的な所有感がある。
・ページをめくる、という動作が不可避なため、目当て以外の作品を読んでみるきっかけが得やすい。
・発売日が早い
・かさばる。
<電子版>
・かさばらない。
・スマホにインストールすれば、いつでも読める。
・紙版に比べると百円ほど安い。
・ページをめくる動作がなく、目次から一直線にワートリにたどり着くので、他の作品を読んでみるきっかけがナイ。
・物理的に所有していないので、何らかの事情でサイトのデータがふっとんだら全部パー。閉鎖もおなじ。
・発売日が遅い。
えー、他の作品を読まなくなる、というのは実体験から来る感想です。
これまでジャンプを紙版でちまちま数年買っていたんですが、そのときは何だかんだ言って、ジャンプに連載している漫画はあらかた読んでいたんですよ。
最初読み飛ばしていたワートリなんて、読んでみたらまあ面白いこと面白いこと。
でも、電子版になると……これが自分でもビックリするほどお目当て以外の作品は読まなくなったんです。
目次クリックジャンプですぐに目当ての作品にたどりつけてしまうがゆえの弊害、といいましょうか。
かけらも他の作品に触れずに辿り着いてしまうので、他の作品を読むきっかけが無くなってしまうんです。
もちろん、「買ったからには全作品読む!」という方はともかく、私はワートリのためだけにSQ買ってるので、他の作品を読むにはきっかけと気力が必要なんです。
そもそも、連載中の作品を予習もなにもなく読んでもちんぷんかんぷんですしね。これって出版社としたらけっこう大きなデメリットのような……。
――まあそれはさておき(強引な話題変更)。
私としては、発売日を是非とも一日早く、コンビニにある紙版を同じにしてほしいんですよ!
そのために出版社の方々にはデジタル版に力を入れるべき点をプレゼンいたしましょう。
<出版社がデジタル版を優遇すべき点>
・キャッシュフローが向上する。
色々考えましたが、これに尽きます。
調べてみると、デジタル化=経費削減とはなかなかならないようで……。
印刷部数が減れば印刷や流通のコストは削減されますが、あれって規模の力学でたくさん刷れば刷るほど一冊当たりのコストは下がりますからね。
デジタル版はデジタル版で、今はずいぶんと多くのサイトで読めるようになっているみたいで、そうなるとその形式に合わせた微調整が必要になります。(楽天kobo版のファイルと、ジャンプ公式サイトで読むファイルは違っていて、それぞれの電子書籍サイトに合わせたファイルを作らないといけないとか)
その手間や経費は、とんとんぐらいじゃないでしょうか。
でも、デジタル版にはデジタル版だけの強みがあります。
私はジャンプSQを公式サイトで定期購読しているんですが、これは要は「未来の分の雑誌代金を先払い」ということです。
アプリの方はもっと用意周到に先払いさせようと手ぐすね引いてますよー。
アプリの方では「コイン」と呼ばれるものを購入し、それで支払いをするのですが、なんと。
このコイン、一度にたくさん買えば買うほど、ボーナスがつくんですね。
500円で530コイン。
3000円で3250コイン。
9800円で、10800コイン。
あ、ちなみにジャンプSQは一冊500コインで読めます。アプリではなくサイトの方では500円で売ってます。
となると……ええ。
ジャンプSQを購読していてアプリで読んでいる多くの人は、「多めにコインを購入して毎月ジャンプSQを買う」という行動をとっているものと推測します。
あるいは私のように、定期購読しているとか。
本が発売するより前に、その代金が懐に入っている……。
なんて素晴らしい状態でしょうか。
かのアマゾンの財務哲学も、「現金大事」です。
これは平たく言うと、「売った代金の回収は素早く、仕入れた商品の代金の支払いはなるべく遅く」ということです。
アマゾンで、むちゃくちゃアマゾンギフト券をプッシュしているでしょ?
あれも要はそういうことです。
「なるべく早く、商品代金を支払わせたい」んですよ。
キャンペーンで5000円以上ギフト券を買うと1000円ポイントもらえる~とかやっているのも、すべてはそういう事です。
それを聞くと、「今は欲しいものないけどいずれ出てくるから買っておくか」ってなるでしょ?
というわけで。
読者がデジタル版から紙版に戻りかねない「発売日優遇措置」を撤回してデジタル版も一日早く見せてほしい……。
と切に思う管理人でした。
公式サイトとか公式アプリとかだけの特権ってことでいいから、どうかひとつよろしくお願いします。
あ、ちなみに管理人は本は断固紙派です。
雑誌はあまりのかさばり方にギブアップして電子版に鞍替えしましたが、本は紙でないと嫌。
Rentaという電子書籍サイトで本を何冊も買ったんですが、アレ、一回読むと読まなくなりますね?
いつでも読めるのに、ぜんぜん読まないんですよ。不思議……。
やっぱり手に取って読めるものがいいなあ……と、紙の本に愛着むちゃくちゃある管理人でした。
さて長々とすみません。
感想に入ります。
今週もたいへん面白かったです。
あーまんぞく。
この漫画のために毎月お布施(500円)を支払っていますが、なんにも文句はございません。
ボーダー重役三人衆のうち、マスコミ担当のキツネさんこと根付さん。
デキる大人で信頼感ありますねー。
ワールドトリガーってこういう「大人がちゃんと大人の仕事をしていてくれる安心感」がありますよね。
いくら少年漫画でもさー、大の大人が政治も兵站もなんもかんもゼーンブ主人公の子どもに押し付けてまかせっきりの物語ってどうかいな、って思うんですよ。
そういう物語がままあるのが頭痛いところですが。……大人なんだから大人の仕事をちゃんとしてくれ!と言いたくなります。
でもワールドトリガーはこうして子どもが大人を頼った時、ちゃんと頼りになる安心感があります。
……いや、でもその大人が子どもをイケニエにしてマスコミ攻撃を終息させようとしてたな……。
ヤバイ。
いま私の根付さんの評価が急降下しました。
せ、せっかく急上昇していたのに。
日本のマスコミがいかにえげつないかは、某人質になったジャーナリストへのバッシングや某婚約者へのバッシングや舛添さんへのバッシングへのものすごさを見ればわかるでしょう。
もう人格否定しまくりで、倫理も良識も良心もまるでないな、という感じ。
アレの矢面に、たかだか十五歳の中学生を立たせようとしたんですよ?
改めて考えると、「うわあ……」です。
そうなったら当然、本人だけでなく家族までそろって集団バッシングの対象になって、自殺にまで追い込まれるケースだって珍しくありません。少なくとも確実に人生は狂うでしょう。
まったく無関係の私がネットで罵詈雑言を聞いただけで、気分が悪くなりますからね。
それを直接浴びせられる本人たちは、どれほど傷つくことか。
しっかしほんとになんなの? アレ。
小室さんへのバッシングは、あたまおかしい、というか、神経を疑うレベル。
なに、あの風潮。小室さんをいくら叩いてもいい、っていう風潮。
日本のマスコミはホントーに、自分が、自分たちが「権力側」であり、自分たちの言動ひとつで、人をいくらでも殺せるってことを理解してないんですか?
言葉でも、人の心は殺せるんです。
だからこそマスコミは絶大な権力を握っているといえる。
日本のマスコミの倫理観は、どこを向いているんですか? 視聴率さえとれればいいんですか?
マスコミ関係者は、自分の胸に手を当てて考えてみて下さい。
彼が、いったい何をしましたか?
あそこまで叩かれる程の何をしましたか?
そして、そんな一般人をあそこまで叩くことに、貴方の倫理観は、良心は、何も痛みませんか?
何か犯罪を犯したわけでもない人を、あそこまで叩くことに何の自制も感じないとしたら、心底からどうしようもないです。
あとねー、ネットの情報をうのみにする人、ほんとに多いですよね。
アオリ運転で事故った件で、たまたま犯人と同じ名前の会社の人が親戚と誤解されて誹謗中傷電話が殺到して仕事ができず、裁判で損害賠償請求されてるじゃないですか。
あれも、ネット上の情報をうのみにしたのが原因です。
詩織さんの事件でも「○○だっていうからこいつはウソだ!」って言う人間の情報の出所を探ると、「ネットで」。
…………皆さん、いいですか。
ネット上の情報は、鵜呑みにしちゃいけません。
必ず、ウラをとりましょう。
今、ネットの書き込みを鵜呑みにして無関係の人にカチコミかけて損害賠償請求されている人は、自分のちょっとした傲慢な正義感と視野狭窄の思い込みのせいで、下手したら一生を棒に振ることになります。
そうはならないために、あなた自身のために、肝に銘じて下さい。
ネット上の誹謗中傷を鵜呑みにしてはいけません。
ちなみに私は川内優輝選手を馬鹿にした某陸上選手が大嫌いですが、彼の発言をきちんと確認した上で、大嫌いになりました。
テレビ番組でよくまあ川内選手を馬鹿にしてくれましたね。
そのときは抗議文を送ろうかとさえ思いました。しませんでしたが。
おかげでこの間の東京マラソンでは、心の底から失敗をお祈りしておりました。
陰険な、と言われるかもしれませんが、嫌がらせや誹謗中傷の書き込みなどは一切していないので、ただ心の中で失敗を強く願うことくらいはお許しください。
大嫌いですが、それで嫌がらせして自分の価値をおとしめたりはしません。
まあそのせいか途中棄権した時にはすごーく嬉しかったですけどね。
あれだ、人のことをテレビ番組なんて公の場で馬鹿にすると、しっぺ返しがくるんですよ。
脱水症状になるのは本人の準備不足、とおっしゃったのですから、低体温症も本人の準備不足ですよね。
川内選手を嫌うのは好き嫌いだから仕方ないとしても、馬鹿にされると物凄く腹が立ちます。
たぶん、川内選手をただ嫌いです、と言ったのなら、私はすこし悲しくはなってもそれだけだったと思うんですよ。
似たようなことをびわ湖のインタビューで佐々木選手もおっしゃってましたが(川内選手と走るのは嫌)、それはぜんぜん腹立ちませんから。
たぶんそれは、私が人間には好き嫌いがあってそれは仕方ないんだ、と思っているせいでしょう。
でも、馬鹿にされると腹が立つ……人間の心理って不思議ですね。
・人を撃てない鳩原さんのきもち
この間ですね、でっかいつり橋を渡ったんですよ。
で、渡り始めて気が付きました。――アホなことに。
そうだ、私、足の下に何もない空間があるっていうのがダメだった、ということに。
大丈夫だとわかっていても、怖くて怖くてどうしようもできない恐怖心が湧き上がってくるんです。
普通の高いところは、普通に過ごせます。
つり橋も、まあ大抵のつり橋って短いですからそれくらいなら何とか。
でも、歩道橋。これは駄目です。鬼門です。
そして、長ーーーい吊り橋も、駄目だと言う事に気が付きました。
もうわたっている最中、脂汗たらたら、身体はブルブル。
頭では大丈夫だってわかってる。他にもわたっている人はたくさんいる。
でも、「それでも駄目」なんです。
万が一の予想が頭から離れないんです。
そう、強風によって支柱がはずれたら? 渓谷にまっさかさまに落ちたら? 絶対死ぬ。確実に死ぬ。
いや即死ならいいけど、林がわさわさ生えているから、それに下手に引っかかったら重傷で長く苦しむかも……とね。
吊り橋は吊り橋ですからぐらぐら揺れます。その揺れが際限なくそういう妄想を掻き立てるんです。
あー、鳩原さんの恐怖って、こういう感じなんだろうなあ、って思いました。
頭ではわかっているんです。これはトリオン体で、いくら殺してもすぐにまた作れるかりそめの体で、だから頭を撃って吹っ飛ばしても大丈夫、と。
でも、どう見ても人体で、喋っていて、動いていて、考えているんです。
どうしても、万が一の恐怖が消えなくて。
そうでなくてもその瞬間まで「生きて」いるものを撃ち殺す恐怖って、たまらないだろうなと思います。
・千佳の今後のケア
何だか大丈夫そう。よかった。
自分の手で狙撃するのと、建物を爆破したらうっかり巻き込まれ爆死はちょっと違いますもんね。
吹っ飛ぶところも見えなかったし。
・次号は初の弓場隊ですね!
これまで姿の見えない謎の上位チーム。
それがいよいよ次号でお目見えとなりそう。
……私としては(他の人も)漆間隊が気になって仕方ないのですが……。
漆間隊は、BBFで、なんとボーダー唯一の一人チームとして登録されているチームです。
いやオペレーターはいるので二人かな?
戦闘員一名の謎チーム……それでいて、試合でちゃんと勝っている。
どうでしょう、惹かれませんか? 興味湧きませんか?
いずれ出てくれることを待っています。
・ヒュースを見たC級
出穂ちゃんが見えなかったってだけで、意地はっているだけだと決めつけるのはどうかなー。
噂話のもとのC級の子、視覚強化のサイドエフェクト持っているんじゃ、と思うんですが、どうでしょう。
あと、他の人の感想で「なるほど」と思わさせられたのが、ガロプラの工作説。
確かにできるんですよ。ほら、変装のトリガーと壁抜けトリガー持っていたので、C級になりすますのなんて簡単簡単。
そして、内部離間工作をして、当分の間遠征どころではなくならせる……いい作戦です。
問題は迅と天羽にばったり見られることくらい。
でもどっちもそうそうありそうにないですねー。
迅は、「人を見てその人の未来を見る」ので、「マスコミ対応に追われる根付さん」は見えても「その原因をつくったのは誰か」は分かりません。根付さんとC級の子が直接接触する未来がないと、根付さんを見てもわからないんです。
修を見ることでユーマを「見れた」のは、原因を特定したユーマが修と接触したからでしょう。
でも、現状ではボーダー幹部の根付さんがC級の子に直接会うなんて、そんな明らかにヤバい行動をとるとは思えませんので……はてさて、です。
・焼肉で二宮隊と
な、なにを喋るんだろう……。
えーと、犬飼とかは想像がつくんですが、二宮が一体ナニを語るのかと……。
……あ、ここで鳩原さんのアレが結びつくのかな?
つまり、人を爆撃しちゃった千佳のことを二宮さんが気にして話しかけるとか。そこから鳩原さんの話につながるとか。
ああ、ありそう。
・猫先生の体調不安
コ、コメントがコワイ。
胆嚢取ったら……取ったら何が起きるんだろう?
こういうとき、箱はとても便利。
目の前の箱でぽちぽち検索すると……ふむふむ。
後遺症が出る場合と出ない場合がある、症状が続く場合がある、基本的にはあまり害はなし……と。
でも取るとしたら、また手術になるのか。葦原先生も大変だなあ……。
どうかお身体にお気を付けて。何よりもまずは健康が大事だと思います。健康第一。
いざとなったら休載or減載(2回分掲載ではなく1回分掲載)で、体を第一になさってくださいね。
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