あかね雲

プロフィール

miko151013

Author:miko151013
杉浦明日美です。
主に小説をだらだらと書いています。

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

ハンターハンター374話「能力」感想

<あらすじ>
 ハンゾーが仕え、ハンゾーの本体もある第十三王子の一団から電話が。
 しかし、第十三王子兵隊長ウェルゲーは念能力を頭から疑い、指示に従おうとはしない。
 一方、第十、十一双子王子のもとには魔法のトンネルが……。
 そして、第八王子のサレサレの念獣の能力を推測する第一王子私設兵。
 第三王子の念獣はコインを吐き出し……?


<感想>
 現状説明回プラス少しずつ念獣の能力が出てきましたね。
 そして、ウェルゲーさん。

 やっとまともな思考回路の人間が出てきたか……。

 というのが正直な私の感想です。
 いやもう……自分の目には見えないし他人に聞いても「あんたにゃ見えないよ(意訳)」の超能力なんてものがあるんだよ、なんていう話を何の証拠もなしに、盲目的に信じるコドモ並みに素直なお方ばっかりである方がおかしいよね。

 ウェルゲーさんはいかにも頭の固いかっちんこっちんの悪役のように書かれていますが、いやいや、こっちのほうがまともだって!
 いい年した大人が、「習得しなきゃ見えません」「習得させてあげてもいいけど死人出るよ、そして講習者死亡にこっちは責任とらないよ、習得したかったら死を覚悟しておいで」なんていう超能力が実在しているとすんなり信じたら、そっちの方がはるかに問題。
 ウェルゲーさんの言う通り、「ハンターが口裏合わせて騙してる」と考える方が普通です。

 考えてみて下さい。
 現実で、国会議員を守っているSPの方々が、突然「超能力が実在していて、敵は超能力者なんだ!」と言われたとしたら?
 信じるとは思えません。
 もし万が一信じたら、そのSPは即刻更迭すべきです。

 まして、「超能力が実在していて、敵は超能力者で、だから我々も超能力の攻撃に対して備えなければならない」ということを大真面目に主張する人間がいたら、どうします?
 「こいつ、頭がおかしい」と考えるのがまず最初しょう。
 しかしハンター協会員も同じことを言っているのですから「頭がおかしい」のではないと考えを改め、そのかわり「全員で口裏合わせして騙している」というのがまっとうな思考の流れです。

 というわけで、ウェルゲーさん何も悪くないよね!
 SPなんぞというばりばり堅実な考え方で周囲を警戒して隙を見せちゃいけない職業の人に、「超能力があって~、でも習得してないアンタの目には見えなくて~、習得したかったら死んでも文句いえない講習会を受けろ~」なんて言ったら普通ぶちきれます。

 カチコチ石頭のウェルゲーさんが、念の存在を信じるとしたらただ一つ。
 信じざるを得ない超常現象を見た時、でしょう。

 こういう人は信じるまでは長いですが、信じたらすごく有能で力になってくれるのが定番なので、ウェルゲーさんのこれからに期待しております。

 ・各念獣の能力が、少しずつ明かされて……?

 本当に少しずつですが。

 今のところ確定しているのは
・念獣は寄生型。オーラで動く。絶にするorオーラを大量消費すれば念獣は動かない。
・念獣は宿主の趣味嗜好を強く反映する。
・念獣は念獣を宿した他の宿主を直接攻撃しない。
・念獣は念獣を攻撃しない。
・念獣の宿主は念獣を見ることができない。

 くらい。
 ってことは、念獣を封じるにはクラピカのジャッジメントチェーン……は無理ですね。
 旅団以外を攻撃したら死ぬんだった。
 他に強制的に絶にするには、あの注射器か。
 クラピカ第五の能力。人差し指の力。
 あれで宿主を強制絶にすれば、念獣も姿を見せません。

 注射器で吸い取ったあと、ドルフィンに搭載せずぽいと捨てれば能力を使用しないといけないという縛りもないですしね。

・カチョウ王子
 今回の言葉は本音だろうなあ。
 実の親に兄弟と殺し合えと言われたらどう思うか、って……そりゃあね。
 絶望するだろうなあ。
 これまで兄弟の仲は悪くても、それでも殺し合いまではしてなかった。
 カミーラの性格や、王子たちの教育(自分こそが王になる!)を考えると不思議だけど、実際に殺し合いまではしてなかった。
 なのに、父親が耳を疑う命令を出してしまった。子ども同士での殺し合い。

 この命令、異常、ですからね。
 すんげー異常ですわ。
 最初に殺された護衛も言っていましたが、「まさかそんな異常な命令本気でだすわけない」って思うのが普通。
 だって、舞踏会には外部の人間もたくさんいました。

 彼らはどう思います?
 出席するたび、王子たちが欠けていくんですよ?

 もうすでに一人死にました。
 来週、再来週。
 日を追うごとにどんどん減っていくでしょう。

 出席者に少しでも脳みそがあれば、察しますよ。
 異常な事が起きていると。
 どう考えたって隠し通せるはずがない。
 ムリなんです。
 外国の要人たちに、「自分の子供たちが殺し合いをしている」ってことを隠し通せる状況ではありません。

 そして、これだけの数の要人の口を封じるのはまずもって不可能。
 彼らは帰国後、話すでしょう。
 秘密は秘密ではなくなり、真相は広がっていきます。カキン王国内に。
 そして、人間は突然消えたりしません。
 殺された瞬間にその王子の支持者も消えるのかというとそんなことは絶対ないわけです。

 殺された王子の支持者たちは消えることなく国内にありつづけ、そこに真相が流れたら、支持者たちの胸に湧くのは少なくともプラスの感情ではないですね。彼らは国の不満分子と化します。
 そして、唯一勝ち残った王子への反感は、たやすく殺意へと変化するでしょう。

 ――とまあこういう事が起こるので、おおっぴらに殺し合いをするのは国家の損得考えたら非常に損なのです。
 下手しなくても国が不安定になって揺らぎます。
 暗殺するのならせいぜい一人か二人にして、病死をよそおわないと。
 なのに、父親がそんな異常な許可を出してしまった。

 その事態に、第十王子は頑張って考えたんでしょう。
 どうすれば大事な妹のいのちを守れるか。
 そして出てきた答えは、「自分の護衛をフウゲツにあげる」だったんじゃないかな。
 嫌われる態度をとってさっさと自分が殺されれば、自分の護衛はフウゲツにあげられるもんね。

 カキン王国の王族って、それぞれ結構いい子だなあ。
 今のところ何も美点が出てこない嫌われキャラは、カミーラと第四王子ぐらい。

 第六王子? 私は結構ああいうマイペース能天気キャラが好きです。
 うざいけど他人に危害与えるタイプじゃないでしょ、彼女。


・サレサレ王子の念獣の能力
 こういう広範囲好意拡散能力は能力がバレてなくてかつ時間をかけられる環境にあれば超つよいんですが、能力バレてて時間もあんまりないっていうときは、超びみょう。
 でも、次の舞踏会で世界が変わるって一体何をしでかすつもりなのか……。
 念能力者なのかな?

 それでは今週も面白かったです。
 来週もお会いできますように。 

ハンターハンター373話「継承」感想

<あらすじ>
 カミーラの能力はカウンタータイプ。
 絶命した後、攻撃した者の命でもって蘇生する力。
 カミーラは攻撃してきたベンジャミン配下を殺した後ベンジャミンのもとへ乗り込むが、殺されないまま捕縛される。
 そして、ハンゾー(分身)は、本体と十三王子の姿をもとめ、クラピカに助けを求める!

<感想>
 なるほど。カウンタータイプの中でも究極的な能力ですね。
 しかもこれならオーラの大小関係なし。
 ただし、カウンタータイプの本質的な欠点として、「攻撃されなきゃ何もできない」。

 今回カミーラに殺されたムッセは少なくとも、カミーラの能力の一端をベンジャミンに伝えている模様。
 殺されて発動、という発動条件まで伝わっているかは微妙ですが、
 ムッセが銃を撃ち、それがカミーラに当たり、ムッセの能力の発動条件を満たせる状況にあったにもかかわらずカミーラは無傷、というところまでは伝わっているはず。服に弾痕と血もついてるし。

 ここから「カミーラは攻撃されたあと、攻撃した人間を攻撃し、自分の傷をいやす」能力を持つ、というところまでは伝わっているでしょう。
 「死」を引き金にしている、という部分はなかなか思いつきづらいですが。

 ふつう、人間死んだらそこまでですからねえ……。
 死が軽いわ。

 何だか今回のバトルを見て、遊戯王のバトルを思ってしまいました。
 あれ、色々な発動条件があるので、時として矛盾することがあるんですよ。
 昔からある矛盾の逸話ではないですが、「攻撃が必ず当たる」「攻撃を必ず防ぐ」という能力がぶつかったら、どっちが勝つのかどうやって決めるの?と。

 念能力は何でもアリの世界。
 では、能力同士が真っ向から対立することもあるでしょう。そうしたらどちらが勝つんでしょうね?

 カミーラの能力は死なない限りは無力。
 たぶん自殺では発動しないでしょう。
 それで発動するのなら、ベンジャミンの目の前で自殺すればいいんですから。

 というわけで、彼女の能力の攻略は種がわかってしまえば割と簡単。
 カミーラは現在腕を折られて冷や汗だらだら状態ですが、両手両足の骨を折って毎日なぶりものにして、側に毒薬を置いて自殺すれば楽になれるぞって言えばいいんですよ。

 守護霊獣の力を考慮しなければ、それでカミーラは完了です。


・第一王子の能力
 発動条件は厳しめ。でも効果は絶大。
 コレ、ベンジャミンに忠誠を誓う兵士が死なない限りは、無効だと思います。
 で、ベンジャミンとしては兵士のこと結構可愛がってそう。それに、彼ら自身が生きててくれた方がいいよね。一人のエースより、十五人の兵士の方が強いし。
 というわけでベンジャミンは能力発動のため兵士をわざわざ殺したりはできないでしょう。
 だから発動条件は厳しめ。一人も死ななかった場合は何の意味もない能力。でも効果は絶大と見ました。

 ・ハンゾーの肉体は?
 予想ですが、念獣の中……じゃないかな?
 でもじゃあ電話線が何でつながるのかと言われると謎現象としか言いようがありませんが(笑)。

 今回は、第一と第二王子の能力説明回ですね。
 猪突に進んだカミーラは案の定捕まり、守護霊獣に頼らないと脱出は難しそう。

 それでは今週も面白かったです。
 冨樫先生が次週もやっていてくださいますように。

ハンターハンター372話「消失」感想

 シマノってシマノなの?
 シマヌなの?

 という疑問に頭を悩ませている杉浦です、こんにちは。
 先週、シマノの名前を王妃がシマヌと呼んでいたので、慌ててシマヌと感想の名前を変更したのですが、どうしてこんな思い違いをしたのだろうと彼女が初めてクローズアップされた「三人の王子からの電話の回」を読み返してみました。

 はっはっは。

 ジャンプ34号をお持ちの方はご覧下さい。
 シマノと呼んでいるコマとシマヌと呼んでいるコマ、両方あるよ!
 そりゃ勘違いもするよ!

 で、どっちが本当でしょうねー……。
 コミックスが出ればさすがにどっちかに統一されると思ったら……コミックスでも両方共存していました。

 シマノ? シマヌ?
 ……どっちにしましょうかねー……。
 呼びやすさで言えば、シマノかな。


<あらすじ>
 念能力の講習で、異様な量のオーラを紡ぎ出す第九王子の私設兵ふたり。
 クラピカが怪しんで問い詰めたところ、念能力の素人にして、第九王子ハルケンブルグの念獣によって半覚醒状態にあると知る。
 その情報を要求する第三王子の私設兵サカタ、譲歩する第九私設兵。
 一方、ハンゾーはモモゼ殺害の暗殺犯を特定し、殺害。
 しかし、現在護衛している第十三王子の念獣が異常な行動を起こしはじめ?
 更に、第二王子カミーラがついに動き始める!


<感想>
 前回の襲撃犯は、念開発会講習者の中にいるもよう。
 ちぇ、シマノじゃなかったんですね。

 推理に愛着あったのですが、さすがにあきらめざるを得ません。
 で、前回拘束されたおばさんも念能力者のうちに入るんでしょうか?
 第一王子の私設兵はそう思っているようですが、彼女はただ単に取りつかれているだけなんですが……。

 そして彼女が取りつかれていたということは、暗殺者の第一容疑者は同僚の一緒に講習を受けに来た女性。
 カチョウ王子……あの双子王子の従者のユウリです。
 あるいは王子同士仲がいいことから、フウゲツ王子の従者ふたりもあるかもしれません。

 そして、この襲撃者は明確な「敵」かどうか不明でしたが、今回は敵側に一歩動きました。
 覚えてますか?
 初日、第十四王子の警護人を壊滅状態にした「全身の血を抜き取る念能力者」を。
 傷跡などから、ウッディを殺し警護人たちに多大な被害をもたらしたのは今回の襲撃者と同じ『彼女』でしょう。

 その後駄目押しでモモゼ王子の念獣によって第十四王子警護隊は壊滅状態になり、クラピカとビル以外は殺される(一人は捕縛される)のですが……その先駆けとなったのは間違いなく彼女です。

 とはいえ、別の側面から見れば、「この念能力者が殺したのは第十四王子の敵もしくは敵候補者だけ」という見方もできます。
 ハンター協会員を除けば警護人は全員別の王妃から派遣された見張り役。
 むしろ死んでくれたほうが安全とすらいえます。

 だからシマノじゃないかなと思ったのですが、シマノは念講習会の参加者じゃないので、違うっぽいですね。
 また、第十四王子にとって、今回の講習会は成功すればメリットがありこそすれ、失敗させても何もメリットがありません。
 失敗させようと動いている襲撃者は、敵側に一歩近づいたといえます。

 しかしクラピカがシマノを疑ったのも無理ありません。
 前回五人殺された事件と、今回の事件。両方に共通している人物となると、王妃、第十四王子、ビル、クラピカ、シマノしかいないのです。
 もっともそれは読者目線であって、たとえば隣のフロアにいる十二、十三王子の人員が、たまたま無防備な警護人を見つけて攻撃しただけ……ということもありえますけどね。


・ハルケンブルグ王子の念獣の能力は?
 ハルケンブルグ王子の念獣の能力は、興味深いです。
 どうも操られている本人の同意のもとで一定の条件を満たしたとき、発動する種類のもののようす。
 前回私が「操られているうちに念能力を修行したら本人の自覚なしに念能力者になる」と書きましたが、そんな感じ。

 ちょっと違うのは、「本人の同意を得ることで、少ない消費でたくさんの人間を操れる」ということ。
 だから明確な自分の味方である私設兵オンリーなんですね。

 穏健派と呼ばれているハルケンブルグ王子らしく、念獣の能力もなかなか民主的な能力のもよう。
 護衛としては困った人でもありますけどね。
 護衛たちと自分とで同じリスクを均等に分かち合うって……護衛の命の値段と自分の命の値段を等価としているのは個人的には素晴らしい考え方だと思いますが、護衛としては困ったちゃん間違いなし。
 例えばボディーガードが盾になって王子を逃がそうとしているとき、「彼を見捨てて自分だけ生き残るなんてできない!」とワガママ言って戻る護衛対象は間違いなく最大級の困ったちゃんです。

 人間としては素晴らしいと思いますがねー。
 SPにとってみれば、いちばん困る護衛対象者です。
 命の値段は平等ではないのですよ、残念ながら。
 護衛対象者の責務は、自分のいのちを尊ぶこと。
 それを分かってない人みたいですが……はい、でもその考え方自体は好きです。
 少なくとも護衛の命はゴミ当然、と思っている連中より遥かにましです。

 その点第四王子の能力とかは考えたくもありません。
 冨樫先生がこいつを惨たらしく殺してくれることを心から祈っています。


・カミーラの能力は?
 これまで、念能力講習会にも来ず、念獣について調べることもせず、我関せずの態度を貫いていた第二王子カミーラ。
 これはすでに念について知っているから、とクラピカは見ていますが、さて本当でしょうか?

 開けてびっくり玉手箱。
 何の意外性もなく、念能力もなく、ころっと殺されそうです。

 カミーラってな~、地道な努力とかしそうにないんですよね。
 念能力は、生まれつき持っていた人間(例:マフィアのボスの娘)以外は、地道な努力を続けないと得られません。
 いかにもカミーラは前者っぽいですが、はて、先天的に持っていた人間は、地道な努力でその能力を磨こうとするでしょうか?

 いかに才能があっても、それを磨かないとオーラの総量は増えない、というのはゴンキルアがナックル戦の特訓していたのを見ればわかります。
 そして念能力の戦いにおいて、オーラの総量は極めて重大。
 攻撃にも防御にも使用し、その大小によって決まるのですから。

 ――ってことは、カミーラってすんげー弱いんじゃない?
 と思うのです。

 私、カミーラって好きなタイプじゃないんですよね。
 こういう買い物好きで物欲旺盛で流行のブランド物を何でも買い漁らずにはいられなくて人に威張り散らして傲慢で頭悪い女性は、読者好きしないキャラです。
 冨樫先生のことからして、それをわかって書いているでしょう。

 典型的嫌われキャラ、として最初から最後まで徹底して書くか、
 あるいは一ひねりしてくれるか。

 どっちでも冨樫先生ならおもしろく書いて下さるでしょう。来週が楽しみです。 


<ジャンプ感想>
 ・ドクターストーン
 ……3700年前でさえなければとても面白い設定だと思うんですが……。
 地球全土の人間が石化した。
 ただし、宇宙にいる宇宙飛行士をのぞいて。
 というのは意外性もあり、蓋然性もありでいい設定だと思います。
 ただ……そう、ただ……。
 3700年も口伝が残るかいな、という疑問を除いては。

 日本語に関しては「ジャンプ語」という異世界人でも外国人でも通じる謎言語の暗黙の了解があるからスルーするとして、3700年も口伝が残るとは到底思えません。
 授業の一環で伝言ゲームしたことありますが、たった1クラスぶん30人の口を経るだけ、しかもノータイムでその場で伝えていく、だから記憶のカスレも最小限、という状況でさえ、原型をとどめてませんでした。
 それなのに3700年もの間、口伝が残るっていうのはなー、考えにくいんですよね。
 まあ「残ったんだ!」と力技で主張されればそこまでですが。


 ・約束のネバーランド
 ものすごく納得がいく「約束」で、悲しいやらやるせないやら。
 自分たちが鬼に食われなければそれでいい、これから先食用児がどんな運命をたどり、どう殺され食われるだけの存在であってもどうでもいい、自分に被害がなければそれでいい。
 そういう約束は、現代人もいかにもしそうなものだと思います。
 想像力の欠如。
 そういう約束をしたら、鬼の世界で今後生まれる「食われるための子どもたち」がどういう運命をたどるのか、頭で想像はできても自分がその立場だったらという想像ができないんです。
 だからいくらでも無慈悲になれる。
 自分には関係ないこと、と思っているからです。
 あー、現代人でもやりそうだなあと納得と同時にやるせなくなりました。

ハンターハンター371話「任務」感想


<あらすじ>
 クラピカはシマヌに疑いを向け、調べるが鎖は動かない。
 念の講習会は再開。ただし、物騒な武器類はすべて14王子側に預けるという条件で。
 メンバーたちは全員それを呑み、再開。
 一方、旅団たちは真剣にヒソカ狩りに動き出して……?


<感想>
 再開うれしい!

 待ちに待った再開ですね。
 またお会いできてうれしいです、冨樫先生。

 そして相変わらず面白くて、正直とっても嬉しい……。
 長期休暇のあとの人気作の再開で、最近ひとつトラウマになりそうな物件がありましてね。

 アルスラーン戦記が、アルスラーン戦記が……。
 あ、あんなに面白かったのに。すんげー面白かったのに。
 私的に白眉はナルサスの世にも馬鹿らしい笑い拷問だと思ってますが、何度も繰り返し楽しく読めた作品だったのに。

 なのに――なんなんだあのラスト!

 かれこれ第一巻から30年以上……一巻が1986年なので、32年ですね。
 それほどの年月追いかけてたのに、もうやっつけ仕事感が満載のラストでした。
 完結させるために、キャラを整理して(つまり殺して)いったのが丸わかり。
 ネタバレ回避のために内容は言いませんが、なんでああなっちゃったんだろう、田中先生……。

 そういう前例を読んだばかりだったので、なおさら冨樫先生のハンターが身に染みます。
 ハンター完結させるとき、ああいうやっつけ仕事だけはしてほしくないです。お願いします。


・シマヌ尋問してますが、果たして……?
 シマヌをクラピカが尋問し、
 ・バリゲンを襲撃したか
 ・念能力を使えるか
 この二つで鎖が動かないことがあっさり判明。

 シマヌは、この二つに関しては間違いなく無実。
 前話の私の推理は木っ端みじんに砕け散ったかに見えましたが……しかし!
 杉浦は自分の説に拘泥します。
 思い出してください、クラピカの鎖の尋問の弱点(33巻)を。
 ここであの伏線を使いますか。さすがですね。

 ふっふっふ……。シマヌは鎖の尋問では無実ですが、二重人格もしくは他に記憶を消せる能力者がいるのでしょう。

 クラピカの鎖は「どんなに上手く嘘をついてもバレる」能力ですが、
 「記憶がない、もしくは嘘の自覚がない」人間には無効。
 ということは、記憶を消せる能力者が他にいるか、あるいは二重人格なのでしょう。

 シマヌが記憶を消せる能力者本人である、という可能性はまずありません。
 なぜなら、シマヌは「念能力なんて知らない」「昨日初めて聞いた」と言っているからです。

 それは今ここにいるシマヌという人格にとって、まぎれもない真実。
 ということは、シマヌという女性が記憶を消す能力者だったとしても、自分でその能力を行使することはできません。

 前話のモノローグからして、襲撃者は念戦闘にそこそこ習熟していることは確か。
 自分の能力のメリットデメリットをきちんと把握しているからです。
 王子の念獣のように、何が何だかわからないうちに勝手に能力発動……なんていう状態ではありません。

 そういう人間はよほど追いつめられない限り、「自分の『仕事』の記憶をオールデリート! 経験も何もかも消去」なんて暴挙に踏み切りません。リスクが高すぎますから。

 なので、二重人格のセンを押したいデス。
 シマヌはもともとか、もしくは他人の念能力で二重人格者となった。
 ……考えてみれば、二重人格でなくてもいいですね。
 高レベルの操作系能力者なら、シマヌの意識を乗っ取って、彼女が無意識のときに能力を使えるかもしれません。

 1 まず、シマヌを定期的にのっとって、彼女自身の念能力を修行する。就寝中がベスト。(1年~かかる)
 2 シマヌが念能力を使えるようになったら、彼女の念能力で敵を攻撃。
 3 バレたとしても捕まるのはシマヌ。犯人は遠くで大手を振ってる。

 これができれば、準備に非常に時間はかかるでしょうが、メリットは極めて大きいです。
 クラピカの尋問もすり抜けられますしね。

・旅団のヒソカ狩り
 旅団がヒソカ狩りに本格的に動き出しました。
 身長でふるいにかけていますね。
 マチはドッキリテクスチャーの能力を「ヒソカの能力を装飾する物」として知ってるからなー。

 でも残念ながら、ヒソカの能力は隠蔽や潜伏にベリーベリー向いてます。
 込み合う船内。ヒソカはその壁の質感もなにもかも完璧に再現できるのです。
 広大な船内の、無数にある壁。そのどこかがヒソカだったら……?

 旅団もその辺を理解していて、二人ペア以上で動いていますが……団長、マチが来るまで一人でふらふらしてた?
 危ないしらしくないなあ。
 シャルナークとコルトピの死亡はそこまでショックだったのでしょうか……?


・念獣の条件は、十四人全員が船内にいること?
 クラピカが念獣の条件に付いてなにか思いついたようです。
 最後の国王も非常に意味深。
 もしも「十四人全員がいること」が制約だとしたら……かなり難しい条件ですね。
 その分強いエネルギーを得られるでしょう。


・銃をちゃんと警戒しているクラピカたちがプロっぽくていいですね。
 念能力は念能力でとても脅威ですが、かといって銃が無害なんてことではなく。
 ちゃんと銃は銃で脅威だよ、というのがきちんと示されていて素敵。
 そーだよねー。
 念能力者だって銃はこわいよ、ふつうに。
 最初に出てきた凄腕の念能力者が、鉄砲をBB弾程度にしか思っていないウボーだったから読者の感覚もちょっと銃を甘く見てますが、あれは規格外中の規格外。

 強化系の最上位能力者ならともかく、他の系統の能力者の場合、よっぽど凄腕でも銃を食らったら痛いハズ。
 実際に「凝でガードしても無傷では済まない」とクラピカが前話で言ってます。前話といっても去年の九月ですけどね……。

 なのでクラピカはちょうどいいとばかりに全員の銃を没収。
 こういう「作中の不思議能力」と「現実の凶器」。
 脅威の両方を並立してくれているあたり、冨樫先生は素晴らしいです。


まとめ
 ハンター再開のため、久しぶりに購入したジャンプ。
 今週はドクターストーンが休載で悲しい……。
 ワールドトリガーが休載でもっともっと悲しい……。
 でも、目次欄に「ワールドトリガーが休載です」って載っていたので、ま、まだ復活の目があると信じています。

 次の新連載開始くらいで再開してくれると嬉しいです。
 ワールドトリガーファンはまだまだ待っていますので――どうかジャンプ編集部の方々、休載のまま打ち切りにせずに再開をお願いします!

 それでは、冨樫先生が再開してくださって嬉しい今週。
 できるだけ長い間、続けて下さると嬉しいです。

【雑記】近況報告――入院しました

 こんにちは。
 もし待ってくださる方がいらしたらすみません。
 非常にご無沙汰しております、杉浦です。

 やっとこさ、近況報告を書けるようになりました。

 もし待ってくださる方がいたら本当にすみません。
 現在私はまだリハビリ中で、小説を書ける状態にはまだなっておりません。

 愛猫を見送ってしばらくたったころ、私は原因不明の体調不良に襲われました。
 とにかくしんどい。微熱がずっとつづく。倦怠感と疲労感が強くて動けない。
 腰痛もひどくて起き上がることがおっくうでおっくうで仕方がない。
 病院に行っても原因は分かりませんでした。
 ストレスじゃないですか、と暗に言われ、ストレスの原因に恐ろしいほど思い当たる所があった私はペットロスかと納得し――結果的に薬に頼って仕事へ行く状態になりました。

 そしてその仕事をささいな揉め事で辞めてしまった後は、坂道を転がり落ちる岩のように悪化しました。
 仕事へ行く、ということになれば、人間どうしたって起きて、出かけなければなりませんから。
 これは日常生活の中では一二を争う強い動機です。

 動くのがおっくうな人間って、理由がないと動けないんですね。
 その動機がなくなり、無気力感に包まれた私は寝たきりのような暮らしになりました。

 とにかく身体がしんどくてたまらない。
 目が良く見えない。微熱がつづく。ほんとにこれ、ストレス?

 それでもこのままじゃいけないと危機感を持ち、眼科を中心に色々な病院に行ったのですが、どこも答えは一緒。
 ――正常です。ストレスじゃないですか?

 初診ってね……病院ってさ……平気で二時間三時間待たせるんだよね……。
 もうそれだけで、つらくってしかたないよね……。
 横になりたいのに横になれないしね……。
 検査に次ぐ検査だから医療費も膨れ上がるしさ……。
 なのに、出てくるのはその答えなんだよね……。

 繰り返しそう言われると、自分でもそうなのかという気になります。
 そうか、ストレスか、じゃあ病院なんて行っても行かなくても同じだな、とすっかり諦めていたのですが、あまりの腰痛のひどさにかかった整体の先生が、私にぽろっと一言。
 ……おなかにしこりがあります。

 一度見てもらった方がいいですよ、との一言で、病院→診察即検査→ct→大きな病院で手術をどうぞ。
 となりました。
 そして手術が終わり入院が終わって……現在に至ります。

 全身の倦怠感はまだありますが、山は越えたように思います。
 ただやっぱり目はよく見えません。
 私の体に他に何らかの病気が隠れているのか、あるいはやっぱりただのストレスなのか……。

 これが私の現状です。
 壜の底にへばり付いた汚れがそれでも何とか起き上がろうともがいております。
 三歩進んで二歩下がるような亀の歩みですが、それでも前よりはマシになりました。

 生きることのしんどさにめげそうになりますが、できるかぎりは昨日より良い今日にしたいと生きています。


ハンターハンター370話「観察」感想


<あらすじ>
 敵の念の攻撃により、第十三王子の王妃所属兵、バリゲン死亡。
 そしてクラピカは敵の探索に乗り出す…?

 注:冨樫先生が充電に入りました。


<感想>
 今回何よりも重大だったのが小さな字で最後に書かれた一言。
 ――次号よりしばらくの間休載いたします。
 冨樫先生、充電に入りました。

 ……悲しい。
 でも、そろそろかなーと思っていたので………できるだけ早く戻って来てくださることを願います。

 この事態に冷静に敵の念?を撃ったのは第三王子の私設兵のサカタ。
 次の晩餐会まで、人手不足でしょーがない第十四王子陣営を補佐するために派遣されたふたりのうちの一人です。

 そして、カレ、蛇が見えてますよね?
 彼が撃ったのは蛇が見えていたからでしょう。
 「誰かが苦しみだして急速に血が抜かれてカラカラになっていく」からといって、そのカラカラ死体を銃で撃ちません。
 「死体に巻き付いた蛇」が見えたから撃ったんです。

 この蛇って念でできてますよね? どう考えてもこんな生き物が唐突に湧いて出るわけないし。
 ってことは……普通は見えないんじゃ?
 ということは、彼こそが先週でヒュリコフが言っていた「念を使えるのに隠していたひとり」かしらん?

 ただ、クラピカの具現化された鎖のように普通の人間でも見える蛇なのかもしれませんが。


 ・敵はほんとにここにいるの?
 犯人は集まった参加者の中にいる、クラピカはそう思っていますが、こればっかりは読者の特権。
 私たちは先週の犯人の述懐を知ってます。

 犯人はこう思っています。
 ――顔を見なくてもオーラでわかる、と。

 この言葉からは犯人がヒュリコフの顔を見ていない、でもオーラは見えることがうかがえます。
 なんで犯人はヒュリコフの顔を見てないのでしょう?
 ひとつの大きな部屋にいる者同士、当然顔を見てるはず。
 明らかに、おかしいのです。

 そしてその犯人は……独断でもって想像します。
 シマノです。

 ただ一人残った十四王子の従者。あの機転の利くおばさんではないでしょうか。
 理由はあります。
 犯人の述懐です。
 この「顔は見えないけどオーラは見える」とはどういう状況でしょうか?

 盗聴器である程度状況はつかめても、オーラは見えません。
 隠しカメラでは、オーラも顔も見えます。

 私が考え付いた答えはただひとつ。
 ――シマノが王妃のいる部屋から見てる、です。

 先週、このセリフを言ったとき、全体の立ち位置が出てきました。
 ヒュリコフは参加者に顔を向けて、王妃のいる部屋に背を向けているのです。

 王妃のいる部屋からは背中しか見えません。
 だからこそ、オーラは見えるけれども顔は見えないという状況が成立したのではないでしょうか。

 また、もうひとつのヒント。
 犯人の述懐に、ターゲットは十人、とあります。
 この数は、第一王子~第九王子までの参加者+第一王子の見張り1名-第三王子の私兵の数なのです。

 犯人がシマノだとしたら、非戦闘員で同じ従者という立場の女性たち四人は除外。
 また、同じ下位王子という点で同盟が組める可能性のある第十三王子の所属も除外。
 同盟が成立した第三王子所属兵も除外。
 しかしすでに交渉決裂している第一王子がつけた見張りはもちろん加算。
 するとどうでしょう。
 ぴったり十人なのです。

 また、蛇が隠れていた場所も問題です。
 椅子の下にいました。
 あらかじめ前もって潜ませておいたとしか、考えられません。

 更にあの人形は、女性形ですね。
 11秒で全身の血を吸い尽くす……! の台詞のコマをよく見ると、胸に隆起があります。

 以上のことから私は犯人がシマノだと推理します。
 そして、この答えが当たりかハズレか、わかる日がなるべく早く来ることを!
 強く強く願っています。

<ジャンプ感想>
 火の丸相撲、1巻から読んでみたら正当派の普通に面白い漫画でした。
 そしてドクターストーンも読んでみたらすごく面白かったです。
 ハンターが休載していると買わないのでノーマークでしたが、ちゃんと読んでみると面白いわー。
 ワールドトリガーが早く復帰してくれることを心よりお祈りしています。

ハンターハンター369話「限界」感想


<あらすじ>
 倒れたクラピカは九時間後、無事お目覚め。
 そして王妃も同時に昏倒していたが、同時に起床。どうやらクラピカが昏倒すると、能力をシェアしている王妃も昏倒するもよう。
 探索を続けるものの、第四王子の念獣に食われて終了。
 クラピカ主催、各王子から二名が出ての念の講習会スタート。

<感想>
 色んな人間がわんさか湧いてきました。
 過去のジャンプと突き合わせが必須ですね。

 ・参加者まとめ
 第一王子――ヒュリコフ(私設兵)
 第二王子――不参加
 第三王子――テンフトリ(私設兵)
 第四王子――ダンジン、ミュハン(私設兵)
 第五王子――マオール、ロンギ(私設兵)。クラピカ勧誘の意向
 第六王子――不参加
 第七王子ルズールス――サトビ(王妃所属兵)
 第八王子サレサレ――ムシャホ(王妃所属兵)
 第九王子ハルケンブルグ――ユヒライ、シェジュール(ハルケンブルグ私設兵)
 第十王子――ロベリー、ユウリ(ふたりとも非戦闘員)
 第十一王子――ラジオラス、イラルディア(ふたりとも非戦闘員)
 第十二王子――死亡のため不参加
 第十三王子マラヤーム――1人はハンター協会員、ひとりはバリゲン(王妃所属兵)。
 第十四王子――クラピカ(講師)
 以上。

 くっきりと傾向が表れていますねー。
 まず、1.3.4.5の参加者はすべて自分の私設兵。つまり、自分のはっきりした味方、手駒を送り込んできました。
 その下の王子で、私設兵を送りこんだ……送りこめた人間はたったひとり。
 ハルケンブルグ王子だけです。最初にクラピカが近づこうとした王子ですね。

 私設兵以外で来ているのは、王妃所属兵と非戦闘員のみ。
 王妃所属兵は自分の母親の兵なので一応味方ですが、完全な味方とも言い切れないのはカミーラを見ればわかるとおり。
 自分の母親に、自分の同腹の弟の殺害を命令しています。
 この場合、王妃所属兵はどちらの意向に従うんでしょうね?
 そういう意味で、王妃所属兵は「味方だけど、完全に自分の味方じゃないよ」という存在でしょう。

 念能力……。
 この能力を知らない王子にとって、レクチャーに向かわせる人員はどういうものでしょうか?
 まず、下手したら自分の知らない強大な能力を身に着けることになる以上、味方であることは絶対条件。
 更に、「レクチャーを受けている間、王子の警備はできない」という問題もあります。

 これは双子の王子(10、11王子)あたりを見るとわかります。
 彼らは非戦闘員を派遣していますが、これはもう、人員の問題でしょう。
 他王妃が派遣した警備兵をのぞくと、彼らには信頼できる自分の兵がたったの二人しかいないのです。
 その二人をそのまま派遣するのはいくらなんでも無理。
 自分の警護がゼロになる=死、というのはモモゼの存在が証明していますから。

 自分が無防備になることはできない、かといって、敵である他王妃の部下を派遣するのは論外です。
 でも、こんなチャンスをみすみす逃すのも惜しい。
 だからこそ、戦闘能力のない使用人であるけれども味方の人間を派遣することになったのでしょう。

 この事実が指し示しているのは、「信頼できる私設兵がいるのは五人だけ」ということです。
 某王子が言っていた通り、「実質トップ五人のサバイバル」のようですね。
 唯一の例外がハルケンブルグ王子。
 カレは自分の実力と人望によって「自分の味方」である私設兵による軍隊を作り上げています。
 9番目なのにすごい。8とか7とかが自分の味方を作れていないことをみると、自力で信奉者を作り上げられた彼の実力がわかります。
 今後、継承権の大穴になる可能性は高いですね。

・オイト王妃は今後のダークホースとなる可能性大!
 チョウライと対面した時、王妃はブルブル震えていました。
 そしてチョウライの背後には、彼の太陽のような異形の念獣が……。
 その時はてっきり王妃には見えていないと思っていたので、単に第三王子というかなり上位の王子と対面で向かい合っているが故の震えだと思っていたのですが、彼女の今回の台詞、「あの世界が見えるのと見えないのとではまるでちがう」という言葉からすると、彼女は「念能力者の視界を得ていた」もよう。

 ということは、チョウライの念獣が見えていたのでしょう。
 あの、太陽のような異形が。

 となれば、王妃が「これが念獣。そしてこれが念能力者の視界。ならば、見えているのといないのとではまるで違う!」と危機感を持ってクラピカに念能力の指導をあおぐのは、自然の流れでしょう。
 が――。

 ……普通の人間がアレをみたら、悲鳴をあげるんじゃね? という怪物がぞろぞろいますよね。
 特にひどいのが第四王子のあれですが、その他にも一般人があんな怪物を見たら絶叫ものの生き物がぞろぞろと……。
 となると、王妃の初念獣遭遇がチョウライの太陽で、まだよかったですよね……。
 最初に1とか2とか4とか5とかだったら、どれを見ても悲鳴あげておかしくないですもの。

 というわけで、次号がたいへん楽しみなハンターでした。
 でも、ワールドトリガー恋しい……。早く再開してくれることを祈ります。
 

ハンターハンター364話「思惑」感想

<あらすじ>
 第一王子の私兵vs第十四王子の護衛の念バトルは、クラピカ&ビルの勝ち。
 クラピカの絶対時間の制約も判明。
 一秒につき、一時間寿命が縮む。
 そして、同時に三名の王子から電話がかかってくる+戸口に第一王子の部下が。

<感想> 
 うむ。
 今週も安定した面白さ。
 冨樫先生はこういう複数人が謀略を張り巡らせる話を書くと、確実に面白いものを出してきてくれる安心感があります。

 殺されたけどヨミガエッチャッター、で終わった念バトルや、絶対先制回避不可能攻撃vs当たってもほとんどダメージないほど硬いよーバトルより謀略の方が冨樫先生の本領発揮ですね。

・クラピカの寿命はどれくらい縮んだか?

 今回出てきた設定のなかで最重要が、エンペラータイムの制約でしょう。
 発動時に一秒につき一時間寿命が縮む。
 そしてクラピカはすでに、「サイールドの能力を吸収し、ドルフィンに搭載した瞬間」にエンペラータイムを発動ずみ。
 その数時間後に第一王子の刺客が襲撃に来ています。

 タイムスケジュール的にはこう。
・出航の晩さん会で、最初に一番格下のオイト王妃+十四王子が退席。
・すると、自分たちに割り当てられたエリアで護衛が多数死亡しているのを発見。
・生き残りの護衛たちで、情報の共有をはかる。
・クラピカが念獣を目視、緊急放送で念獣のキーワードの周知を行う。
・王子が下から順にセレモニー会場から退席していき、最後に第二王子カミーラとやりあった第一王子が退席。
・第一王子は即座に私兵に襲撃を命じ、私兵団の長に制止される。
・が、第一王子は自分の権限を利用し、各王子に自分の私兵を配備する。
・第一王子の私兵がクラピカたちに襲い掛かり、返り討ちされる(←今ここ)

 書き出してみて驚愕。
 ま、まだ出航一日目終わってない……。
 なんとなく数日経っている気分でした。

 第四王子と第五王子が共闘の密約をしたのも、第一と第二のケンカも、出航日のセレモニーの席での話。

 作中描写から数時間は経っているみたいですが、3時間と仮定すると、3*60*60=10800時間。
 一年ちょっとの寿命が削られたようです。


・クラピカの人差し指の念能力の詳細も判明。
 相手の念を吸い取って絶にする。
 はいこれだけです。
 けれどもとても使い勝手のいい能力ですね。
 制約もなし。相手の能力の概要を知らずとも、普通に発動できるようす。

 ただ……まあ、「相手の身体に攻撃を当てる」という最難関の関門がありますが。
 ヒソカのバンジーガムもそうですが、一発当たったらアウトの念能力多いですよね。
 そもそも「攻撃を当てられるのなら致死の猛毒塗っておけば念修行の必要もないんじゃね?」という根源的疑問がありますが、まあそれはさておき。

 さらにこの能力はエンペラータイムとコンボすると、
・ドルフィンに搭載することで相手の能力の詳細が判明
・相手の能力を一回限り使用できる(使用した後は相手の元へ戻る)
 と非常に強力。

 ただし、
・奪った能力を使用するまで、エンペラータイムは強制的に維持され、寿命は一秒につき一時間けずられていく。

 という重い制約があります。

 クラピカ……、33巻で「迎える人も帰る場所もない」って独白していましたが、それもあってこういう制約にしたんでしょうね。
 死んでも構わないと。

 でも、クラピカが死んだ場合、取り返した緋の目は誰かに強奪されてしまうような。
 たとえ誰にも隠し場所を教えていなくても、莫大な価値のある財宝(緋の目)を永久に隠し続けられるとは思えません。
 日本人の感覚でモノを言わせてもらえれば、あんな綺麗に並べて保管しておくよりも、いつ不慮の死に襲われるかわからない職業なんですから早く火葬にして弔ってあげたほうがいいと思うんですけどね。
 奪われちゃったら元のもくあみ。

 そして全ての目を取り返して弔ったら……クラピカはレオリオのところに戻るべきだと思うんですよ。
 あなたには、迎えてくれる人も帰る場所もちゃんとある。
 貧乏診療所を経営するレオリオのもとで助手として働くというのは、ギャングとして生きるよりずっと価値がある人生だと思います。

 それでは、冨樫先生が来週も掲載してくださいますように。

ハンターハンター363話「念獣」感想

<あらすじ>
 第三王子のチョウライが「念獣」という謎のキーワードについて調べ始める。
 一方、第一王子のベンジャミンは自身も能力者であり、部下も念能力者であることが判明。
 一度は強襲作戦を命じたものの、クラピカのアナウンスにより「念獣」の存在を知り、思慮を働かせて待機の姿勢に入る。
 ただし、各王子に一人ずつ部下を派遣した。
 第一王子から派遣された部下が、クラピカたちに襲い掛かる……!

<感想> 
 今回の主役のベンジャミン、結構王様としてふさわしくね?
 激情型、でも相手の話を聞く耳は持っているし思慮深さもあるよ、っていうのはこれまで出てきた王子の中ではいちばん王様に相応しいような気がします。

 現時点での(ここ大事)の王の適格、という観点に立つと、
 第四王子の変態は論外中の論外として、
 第二王子のカミーラもちょっとこれが上司になったらと思うとぞっとしますし、
 クラピカが護衛している赤ん坊もまた論外。

 赤ん坊が一人前になるまで二十年かかりますからねえ……。
 現時点での王の適性っていったら論外でしょう。
 ばぶばぶ泣くしかできない赤ん坊に、政務なんてできるわけない。
 まあそれでも、何もできない無害な王なので、有害な快楽殺人者の第四王子よりはマシですが。

 その点、ベンジャミンは何といっても第一王子だし。
 対外的に、十四人いる王子のなかで誰がいちばん正当性があるかっていったら第一王子でしょう。そりゃ。

 カレならば他の王子が生き残っていたとしても、王位継承は国際的に見ても極めて順当。
 第一王子が王位をつぐ、ってことですからねえ。
 諸外国が素直に納得できるかっていう点、外交では結構大事です。
 これが第一王子が生き残り、でも第十王子が継ぐ、ってことになったら疑惑の眼が否応なく注がれます。

 イギリスで第二王子が第一王子が健在だというのにいきなり王位継承したら滅茶苦茶不審でしょ?
 そういう要らない摩擦を引き起こさず、他の兄妹が生き残っていたとしても穏当に王位を継承できる。
 これは極めて大きなメリットかと思います。

 全員殺す! と息巻いているベンジャミンですが、下位の王子とはその点で妥協が成立する余地がありそう。
 なんたって複数生き残った場合、最も王に適格な順位であるんですから、
 赤ん坊の十四王子を生かすかわりに第一王子の王位継承を支持、という選択肢は一考の余地があるかと。

 その場合のベンジャミンの優位は、クラピカ、ビルという有能な念能力者を敵に廻さないということと、
 あと、十四王子が赤ん坊であるという事。

 第三王子のチョウライが赤ん坊を標的にすることに否定的な言葉を吐いていましたが、人を殺すのに躊躇はしないけど赤ん坊を殺すのを躊躇う人間は少なくないです。
 ベンちゃんがそういう人間であればいいなあと思います。

・ベンちゃんが継承戦で絶対的自信を持っていた理由が判明。
 自分が念能力者であり(強化系?)、部下も全員念能力者。
 こーれは己の立場の絶対的優位を確信するのに十分なものでしょう。

 通常人vs念能力者。
 不意打ちか奇襲でもないかぎり、念能力者が勝つでしょう。

 相手はネン? 何ソレ、っていう立場。
 一方自分は念能力者の手駒を十五人も揃えている。
 ベンちゃんでなくとも、普通は勝ったも同然と思う事でしょう。
 ベンの自信は妥当なものであったんですね。


・第四王子の余裕の意味は?
 人数が不明な他の王子と違い、ベンジャミンの私兵は15人とわかっています。(王子の従者は15人まで。ベンジャミンは人数を増やす裏道を使用していないので、15人で確定)
 15人の私兵が各王子に一人ずつ配置されて15-13=2になったわけで……。

 あれ?
 ベンジャミン、いま手元にいる手駒はたった二人?

 私兵団の長が裏切り者だったり、あるいは私兵の中に裏切り者がいたら、今が絶好のチャンス。
 多少のリスクは考慮しても、いま動くでしょう。

 敵対している第四王子のあの余裕から見ても、私兵の中に裏切り者という保険がいる可能性はかなり高いと思います。

ハンターハンター362話「決意」感想

<あらすじ>
 クラピカが護衛仲間のビルにレクチャーを受ける。
 寄生型の念獣の特徴は、「行動が読めない」こと。
 本人の性格性質+念獣を作り出した残留思念の性質が入り混じって、首尾一貫していない行動になる。
 一方、ツェリードニヒの護衛ふたりが王子にどう念獣について説明するかを討議中。
 そして、テータ(護衛のひとり)はツェリードニヒは決して念を覚えさせてはいけない人物だと確信する。


<感想> 
 面白い。
 どうしよう、話はなにも進んでないけど面白い。
 困ってないけど困ったものです。

 冨樫先生のいちばん厄介なところは、その休載癖に反比例して、書くものが面白いという事のような気がします。
 読者としては嬉しいけれども休載のあいだ、待つ時間がつらいんだよなあ。
 今のジャンプはハンターのためだけに買ってるようなものだし。

 ワールドトリガー休載からはジャンプを買ってなかったんだけど、ハンターが始まったのでまた買い始めました。
 最初は立ち読みで済ませようかとも思ったんですが――、面白かったのさ!
 ハンターは250円の価値は充分ある……と思います。

・今週の主役はクラピカではなくテータさん?
 今回の話のキモは何と言ってもテータさんでしたね。
 アリ編のタコさんでもそうでしたけど、冨樫先生はこういう「たった一週でキャラ立ちさせる」のがピカイチに上手い!
 それも読者からの好感度高いキャラとして。

 ただねえ。
 死にそうで怖いよ、テータさん。
 それも、変態王子の念能力の実験材料として、「死んだ方がマシ」なくらいな目にあわさせられるんじゃないかと気が気でなりません。

 生きたまま脳みそくちゅくちゅされるとか。(でた)
 生きたまま意識のあるまま口塞がれて刺青入れられるとか。(でた)
 そのまま生皮剥がされるとか。(でた)

 ……改めて考えると、これを少年誌で堂々とやった冨樫先生すげえ。

・テータさんってそもそも誰?
 イマイチどういう立場なのかよくわからない女性です。
 第四王子の護衛のひとりってことは間違いないと思いますが、ハンター試験を受けて受かっている様子が描かれておりましたよね……?

 ええと、それ以前の回に、チードル(十二支の犬)が「今回のハンター試験は暗黒大陸攻略に必要な人材のみを登用する」と言っていた(33巻)ので、ツェリードニヒの「王子一人につき従者は15人までと決められていたから渡りに船だった」という台詞とあわせて考えると、こういうことかな?

 もともとテータさんはツェリードニヒの私設兵のひとりだった。
 王子1人につき従者は15人まで、のルールがあったので、そのルールの裏技として、ハンター試験に応募して合格し、準協会員となった。
 そうすればツェリードニヒは、既定の15人にプラスして、ハンター試験に通って準協会員になりハンター協会の一員として船に乗り込んだ5人の計20人が手駒になる。……ということかな?

 つまりテータさんは元々はツェリードニヒの私設兵で、今はハンター協会の準会員。

 ああ、そういう立場なのね。
 自分で読み返して調べてみてテータさんの立場にやっと納得。
 ツェリードニヒが「馬鹿じゃなきゃそうする」と言っていたことからして、他の王子も同じ方法で準協会員のなかに手駒を潜ませてるんでしょうね。
 そりゃあまあ人数制限があって、それをかいくぐる裏道があるなら使わない手はないですよねー。

 クラピカが34巻で「ハンター十か条の第二条に準会員という項目をつけて抜け道を作ったのは間違いだった」とあるのはそういうことなんですね。
 一読したときはこのセリフ、スルーしてましたわ。

 ちなみにハンター十か条の第二条はこう。
 「ハンターたるもの最低限の武の心得が必要である 最低限とは念の修得である」

 ハンター=念能力者、のはずなのに、準会員の中には念能力について知らない者もいる、というか数的にはそちらの方が多いかも知れない。
 5人いるツェリードニヒの護衛の準会員のうち、ふたりしか念について知らないんですから。

 今回「テータってどういう立場?」という疑問からいろいろ深く読み返してみて、自分が取りこぼしていた要素の多さにびっくり。
 あー、そういう意味だったんですね、ごめんなさい。と謝りたくなりました。

・ツェリードニヒは、念能力を身につけられるか?
 こーれは、身につけてほしくないです。
 いやだって見えるまでに最低数か月必要とか、念を習得するには一年必要だとか、そういうのが全部吹き飛んでしまいますから。
 いくら何でも二か月で念能力身につきましたー、なんていったらそこまでお手軽なモノだったのかとがっかりしてしまいます。

 ゴンやキルアの修行も何のためにあったんかいということに。
 ていうか、ゴンキルアは才能ないの?という疑念まで湧いてくるゆゆしき事態になってしまいます。

 これまでの設定に矛盾が生じてしまうので、どうかそういうお手軽パワーインフレはやめてほしいです。
 まるで次から次へとバンカイのバーゲンセールをする某漫画のようにはなってほしくない……。

・各王子の念獣が揃ってまいりました。
 今まで出てきた中でワースト一位の念獣は、誰もが頷くツェリードニヒさんでしょう。

 何なのあの1pまるまる使ってのゲログロ念獣は……。
 冨樫先生はこういうコマ割りも秀逸で、あのドアップは見た瞬間「うぎゃあ」でしたわ。

 油断しているところにページめくったとたん、アレ、ですもん。
 インパクトでは間違いなく単独トップ。
 見た目のグロさでも間違いなくワースト一位。

 ……しかも……、これ、中にいるのってパイロじゃないですか?
 クラピカの友達の。
 そうなら鬱展開待ったなしですが、冨樫先生ならやりそうでこわい。
 でも正直面白そうだと思う自分もいる!

 もしこれがパイロで、もしもクラピカと対面したら……。

 ああ、ごめんなさい。
 すっごく非人道的な展開ですが、すっごくわくわくする展開だと思ってしまいます。

 それでは来週も冨樫先生が掲載してくださいますように。
BACK|全54頁|NEXT